まとめ:6/27 は「ソーシャルメディアとお金の関係を考える」をお送りしました

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起業家と技術者が集まる機会が、月に一度では少な過ぎるとの意見を受けて(泡組サロンとかもやり始めましたが…)、6月はスタートアップ・デイティング史上初、月に2回イベントを開催してみました。個人的には、その2回の合間に、シンガポールで Echelon やミートアップにも参加してきたので、梅雨だということも忘れるくらい、かなりスタートアップ三昧な1ヶ月でした。

6月27日は、渋谷のECナビさんのセミナールーム、インハウス・バーをお借りし、「ソーシャルメディアとお金の関係を考える」と題して、第10回のスタートアップ・デイティングを開催しました。パネル・ディスカッションには、日本を代表するソーシャル・レンディング事業者である、マネオ妹尾賢俊さんエクスチェンジ・コーポレーション(サービス名:AQUSH)の大前和徳さんにご登壇いただきました。

妹尾さんも大前さんも大手銀行のご出身で、借り手に身近で新しい金融ビジネスを創造したいとの思いから、ソーシャル・レンディングを始められたのがお二人とも2年〜2年半前。時を経て、クラウド・ファンディングなども生まれ、インターネットやソーシャルメディアを使ったお金の貸し借りは、用途にあわせてかなり多角化しました。

ただ、常々思うのですが、規制や免許が必要とされる産業というのは、既にそういうものが必要だとお役人が気づいた産業ということになるので、ある程度、世の中に認知され成熟した産業と言えると思います。他方、生まれたばかりのホヤホヤの産業は、まだアーリーアダプターのもので、キャズムを超えていなければ、お役人は規制が必要であることにも気づいていません。インターネットで創発するサービスは、ほとんど後者のはずです。

ソーシャル・レンディングはネット創発のサービスながらお金を扱うので、既成の金融システムの範疇を超えているのに、金融庁は既成の法令で監督せざるを得ません。事業を開始されるにあたり、この法令や監督官庁との交渉には、お二人とも非常に苦労されたようです。事実、日本はアメリカに次ぐ世界二位のクレジット・マーケットがありながら、海外のソーシャル・レンディング事業者は、日本市場参入の噂が流れては消えを繰り返し、どの社もサービスを開始するには至っていません。大前さんが、ビジネスの世界にイノベーションを求めるなら、リーガル・イノベーション(ネットやソーシャル・メディア時代に合わせた法律の改正など)も必要だとおっしゃっていたのが印象的でした。

お金の流通量が増えるだけでなく、流通方法が多角化することは、スタートアップが多く生まれる社会を形成することにつながると思います。そういう意味では、マネオもエクスチェンジ・コーポレーションも、スタートアップのためのスタートアップと言えるのではないでしょうか。ぜひ頑張っていただきたいと思います。特に、マネオは事業性資金の橋渡しにも力を入れるとのことでしたので、スタートアップ立ち上げ時の種銭集め(シードラウンドより前のフェーズのように思います)などにも活用できると思います。

以下に、けにごろうさんが、イベントの様子をブログにまとめてくださっています。ご参考までに。

後半は、お金つながりで、オーマの米良はるかさんに、クラウド・ファンディング「Ready For」の近況をご紹介いただきました。最近、NHK クローズアップ現代でも取り上げられるなど注目を浴びています。私が最初にお目にかかったのは、約2年前にチャリティで誰かを応援するウェブサービス「チアスパ」をスタートされた頃ですが、それが進化し、ソーシャルメディアとの融合も進んで「Ready For」となりました。

前出のソーシャル・レンディングよりも、お金で誰かを応援したいという感情や志が大きく働くサービスです。儲かるにせよ儲からないにせよ(もちろん儲かった方がいいんだけど)、末永く続けていってほしいと思います。こういうサービスが存続できたら、そこはいい社会に違いないでしょうから。

6月はイベント2回開催とした皺寄せで、会場とスポンサー探しに難航していたところ、ECナビさん(特に、椿奈緒子さん)に手を差し伸べていただいたおかげで、無事に開催することができました。イベント当日は、オーガナイザーの手が回らず、受付の係まで買って出てくれました。改めてご協力に感謝します。

 

【お知らせ】

第9回と第10回のイベントをあわせて、お預かりした参加費の総額は19万1500円でした。諸経費を差し引き、今回は2万円を日本赤十字社を通じて義援金に拠出させていただきました。

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