Sina(新浪)共同創業者Hurst Lin(林欣禾)が語る、DCMの中国投資戦略

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

DCM は北京、サンフランシスコ、東京にオフィスを構えるベンチャーキャピタルファンドである。また、Androidエコシステムに精力的に関わるスタートアップへの投資を専門とする、A-fundも管理する。TechCrunch Disrupt 北京の開催中、私はDCMの中国オフィスのトップのHurst Lin(林欣禾)と座り、投資家としての彼の役割と考えについて探ってみた。

投資家になる前、Hurst は巨大な中国のインターネットメディア会社で、近年Sina Weibo(新浪微博)という、中国の人気マイクロブログプラットフォームで有名になった、Sina(新浪)の共同創業している。彼のSinaでのストーリーはとても興味深いものであるが、私達の会話はDCMとHurstの、中国におけるDCMのポートフォリオの見解に集中した。

複数のオフィスで、複数の言葉でピッチを聞くのは、大した問題ではない

DCMは、とても興味深い組織である。Hurstの説明によれば、それぞれのオフィスは、その地域の可能性のあるスタートアップを探すが、3つのオフィスの全てがピッチを見るまでは、タームシート(条件書)をオファーしない。選抜候補の全てのスタートアップは、中国、アメリカ、日本のいずれかのDCMオフィスでのピッチに招待される。

DCM の3つのオフィスの全ては、毎週適切な時間をとって全てのスタートアップを集め、彼らのセールストークを聞き、そして質問する。Hurstによれば、スタートアップのセールストークは同時通訳され、各オフィスの投資担当者は、セールストークが中国語や日本語でなされても理解できるようになっている。

我々のほとんどが、DCM は毎週たくさんのスタートアップを呼んでプレゼンさせていると考えるだろうが、Hurstによれば、その数は3社を超えないとのことだ。それぞれのセールストークと質疑応答のセッションは通常、数時間は続き、投資担当者は創業者に対し、考えや市場や彼らのバックグラウンドを知るために質問を連発するという。創業者のふるまいは、DCM から投資を勝ち取る上で重要だと言う。

一度はピッチで退けたアイデアであるものの、DCM が創業者と懇意になるにつれ、その後同じアイデアに投資をおこなうことがある。Hurstは、 DCM は何年にもわたり共に仕事をする用意があり、スタートアップへの投資はある種の結婚のようなものだと述べた。したがって、創業者がDCMのファミリーに適しているかどうかが、タームシートをオファーする前に最も重要な事項となる。

なぜDCMは全てのピッチを、3つのオフィスで同時に確認するなど、面倒なことをするのか尋ねると、Hurstは、全ての投資担当者が、アメリカ、中国、日本で、最新のアイデアやトレンドが何かを理解することはよいことだからだと説明した。

中国のスタートアップへの投資

「中国では市場に対して投資する」とHurstは言う。

DCM は多くの中国のスタートップに投資してきた。Mbaobao(麦包包)Greenbox(緑盒子)Vipshop(唯品会)などだ。読者のうち何人かは気付いていると思うが、興味深いことに、これら3社はどれもEコマースに特化したスタートアップだ。

Hurst は、DCM がハンドバッグをオンラインで売る Mbaobaoを、支援する気になった経緯を私に説明してくれた。まず、創業者が素晴らしい人物であったということ、2つ目に、Hurstは女性用のバッグはインターネットで売る品物として最も優れていると思ったことにある。彼は、さらにバッグにはサイズがないことを指摘した。これはEコマースでは非常に有利な点だ。太っていようが、痩せていよう が誰でも同じバッグを使うことができる。彼は続けて、女の子がバッグを買うことを愛していると述べ、それを「ファストファッション」業界と呼んだ。

「Eコマースはコンテンツだ」と彼は言う。標準的なデザインのバッグを投稿することで、ユーザ(特に女性たち)はサイトに頻繁にに訪れてくれて、最新のファッションをチェックするようになる。もしユーザーが十分な時間サイトに滞在すれば、彼女は「購入」ボタンをクリックするだろう。

Hurst は同様に、彼が投資したもう1つのスタートアップである、オンラインの子供向けアパレルストア、Greenbox(緑盒子)についても説明してくれた。アメリカでは、最近の親たちは昔よりも子供をスタイリッシュに着飾るためにお金を使うトレンドが高まっている、と指摘する。

このようなトレンドは、ポロ・ラルフローレン for キッズや Gapキッズなどの子供向けアパレルの登場によって支持されている。しかし、子供向けのアパレルは大変なビジネスである。なぜなら在庫をかかえるコスト(例えば倉庫の賃料)は同じままだが、単価が低くなってしまうからだ。したがって、インターネット上で子供用アパレルを販売するにあたり、不必要な諸経費を取り除いて、需要に応えられるようにした。

「彼ら(創業者)を信じる最初の人でありたい。他の誰か(投資家など)が彼らを信じ始める前に」 Hurstは会話の締めくくりにこう言った。

【via Penn Olson】 @pennolson

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