ピボット(方向転換)はいつするべきか?ピボットする時に確認する10項目

Hironori Maeda by Hironori Maeda on 2012.2.7

ピボット(方向転換)をしたことで成功する企業が数多く見られる。

ユーザ数1,400万人以上の写真共有アプリ「Instagram」は、元々HTML5でできたロケーションチェックインアプリだった。

わずか5ヶ月でユーザ数100万人を突破したコマースサイト「Fab.com」は、元々ゲイ向けの出会い系サイトだ。他にも、Youtubeは出会い系サイトから、PayPalはPDAアプリからピボットしている。

では、スタートアップはいつピボットするべきなのか?

Fab.comの場合

FabのCEOであるJason Goldbergによると、ピボットする理由は3つあった

1)改めて計算したら大きなビジネスではなかった:ゲイ向けのサイトを運営していた時は、3ヶ月で5万人のユーザーが集まった。しかし、いざ計算してみると、今のビジネスモデルのままでは年間売り上げが1,000万ドルを超えないことがわかった。Fabを5,000万ドル以上の大きなビジネスにしたかった。

2)マーケットの変化:北米では同性愛者の権利が改善され、Fabのサービス需要が落ちていた。

3)新しいチャンスの発見:ゲイ向けサイトの運営時、試しにゲイ向けにデザイン性の高い製品を販売してみた。すると、たった20日間で40,000ドル以上売り上げた。しかも、購入者の半数近くがゲイではない人だった。

デザイン性の高い製品には、1,000億ドル以上のマーケットがあることがわかった。また、今までそれに特化したコマースサイトが無い事も判明した。

そこから2週間で、新たなFab.comをリリースした。

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Stayするべきか?Pivotするべきか?

Jasonによるビボット(方向転換)する時に確認する10項目

    1. 1年過ぎた後でも、トラクション(ユーザー獲得の成長)があまり無いならギアチェンジすべき。
    2. 「今まで長い時間を投資したから」を理由に継続しない方が良い。チャンスは他にもある、早く乗り移った方が良い。
    3. まったく違う方向に行くことを拒むな。Youtubeだって元は出会い系動画サイトだった。上手くいかなかったからといって撃たれやしない。
    4. まだお金がある間に、他のチャンスや選択肢があるかを確認する。ピボットをする時は、できるだけ余裕がある時にすると良い。Fabをピボットした時はまだ100万ドル残っていた。
    5. 月に1回、必ず計算し直す。今の成長ペースで大丈夫か?ビジネスモデルはこのままで大丈夫か?何度も何度も計算し直すと良い。
    6. 自分のアイディアに惚れるな。アイディアに惚れすぎて、ユーザーのニーズよりも自分のエゴを優先してしまうのはダメ。
    7. しなきゃいけないからピボットするのではなく、自分がしたいからする事。
    8. 役員メンバーにもピボットに参加してもらう。出資者は、自分とそのチームに投資している。自分たちが信じる道を応援してくれるはず。
    9. 投資家みたいに考えろ。10倍のリターンを生み出すためには何をすればいいか。
    10. 以下の4項目を自分に対して問う
      • 仮に、これから1年間何をしてもいいとしたら何をする?
      • チームが最もパッションを持っている事は?
      • ユーザーや顧客は私たちに何を伝えている?
      • 僕たちは(現実的に)何が一番得意?

闇雲にピボットしても上手くいかない。サービスを展開する中で、学んだ事や発見した事を元にピボットをする事が大前提。(Remember: バスケではボールを持ったプレーヤーが軸足をズラさず、もう片方の足を動かして体の方向を変える。軸を中心に転換している)。

そして、完全にピボットする前に必ずピボットする方向が正しいかを検証するべき。中には、Pinterestやクックパッドなど、長くしぶとく頑張ることで伸びる会社だってある。上手く行ってないからといって、すぐにピボットしてはいけない。

大事なのは、ユーザーを定量的そして定性的に観察する事。そこに改善や方向転換のヒントがあるはず。

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Hironori Maeda

Hironori Maeda

2009年にBEENOS入社、海外投資を担当。2010年、デジタルガレージ、カカクコムと共同で世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」を立ち上げる。日米で40社以上に出資し、世界の起業家等がスイスに集う「サンガレン・シンポジウム」の有望な若手起業家100人に2011年選ばれる。2013年4月より、BEENOSのインキュベーション本部長として国内外のスタートアップ支援・投資事業を統括。現在はインド、東南アジア、日本、アメリカ等に投資をするグローバルファンド「BEENEXT」で日本と北米投資を担当。

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