中国のPinterest類似サービスがローカライズに抱える課題

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

Dangdang、Pinterest風サービス開始か

興味深い展開になってきた。中国でPinterest旋風が巻き起こり、多くのクローンサイトが出現している。既に大手企業のTaobao、Renren、Tencent、その他数え切れないほど多くのスタートアップが波に乗っている。そしてまた、元オンラインブックストアで現ハイパーマーケットのDangdangも独自のPinterest風サービスの開発を目論んでいるようだ。

Dangdangモバイルインターネットビジネスの代表であるHu Yiは、当企業の主要分野とうまく調和するPinterestのようなソーシャルコマースツールの開始を発表した。Taobaoは、中国の大手ソーシャルコマースサービスのMeilishuoとMogujieに対抗するべく、Pinterestのアイデアを組み込んだWOWを昨年リリースしている。

Pinterestは現在、米国のソーシャルコマースの首位に立っている。熱烈なファンを抱えているとされる、リファラルソーシャルサービスの首位5つのサービス(Facebook、StunbleUpon、Google、Twitter、Pinterest)の1つに名を連ねている。Pinterestは、Google+とLinkedIn、そしてYouTubeを合わせたものよりも高い誘導率を誇っている(図1参照)。

図1:主要誘導性ソーシャルサービス

一方の中国では、シリアル起業家でMeilishuo創始者のXu Yirong女史が、昨年12月にTaobaoの実態を発表している。ページビューは3000万以上、7億人民元(1億1000万米ドル)の月間販売高にソーシャルシェアリングサービスが大きく貢献したことを明らかにしている。

Meilishuoの競争相手であるMogujieは、登録ユーザー数300万人以上、1日あたり120万人のユニークユーザー数で、Taobaoの1億2000万人民元(1900万米ドル)の月間売上高計上に大きく貢献している。杭州を拠点とする当社の従業員は昨年、平均しておよそ25ヶ月分の収入を得たと言われている。

お金になりやすいビジネスモデル

Pinterestやその他のソーシャルコマースの本質にあるリファラルの性質が「お金になりやすいビジネスモデル」につながっている。これはMeilishuoやMogujieの驚くような話題やPinterestが生み出した小売業への巨大なトラフィック数が証明しており、歴史上かつてないほど早い成長を遂げている。

ソーシャルコマースの明るい側面は、それが新たなマーケットを作り出すのではなく既存のマーケットを活用していることだ。そのため、MeilishuoやMogujieはトランザクションがあれば一日目から金を生み出していく。

グローバルマネージメントコンサルタント会社のBooz & Companyは、世界のソーシャルコマース市場はが2012年〜2015年にかけて90億米ドルから300億米ドルへ激増すると予測している。

「Like」を「購入」に。Pinterestとクローンの違い

PinterestやMeilishuoのユーザたちがシェアする商品を「気に入る」人がいて、それがすぐに「買う」に変わることもある。これがソーシャルコマースだ。しかしPinterestと中国の類似サービスが同じコンセプトやアプローチを共有するものの、異なる点がある。それは小売業とメーカーの関係である。

アメリカでは、たくさんのサーチエンジン最適化のコツやソーシャルマーケティングの策略が掲載されてきたが、これはソーシャルコマースへのPinterestの価値が認められてからのことである。ウォルマートなどの小売業やスターバックスなどのメーカーは長いことソーシャルサービスを売上アップに活用できないか検討してきた。一方中国では、リファラルリンクはメーカーや小売業よりもTaobaoの個々のベンダーにつながるものが多いのである。

どんなにたくさんのソーシャルコマースがマーケットに参入しても、現地の小売業やメーカーはMeilishuoやMogujieといったサービスの可能性を依然として実感していないのである。主な問題の1つは、RenrenSina Weiboなどの強大なソーシャルメディアプラットフォームが、中国におけるソーシャルコマースサービス以上に注目を浴びてる点だ。

ブランドを確立させ、顧客の意識を高める上で、これらのプラットフォーム上での露出は利点となる。しかしファネル理論(下図参照)を元に考えると、顧客の「認知」を刺激するだけでは十分ではないということに多くのブランドがまだ気がづいていない。少なくとも認知度アップの価値はeコマースへの発展を考えたときにまだ影響が低いのだ。一方ソーシャルコマースは、Booz & Companyの調査結果によると、ファネルの最下部、検討、転化、ロイヤルティ、サービスの段階において最も大きな影響を及ぼすであろうとされている。

市場ファネル、写真:Booz & Companyより

市場ファネル、写真:Booz & Companyより

RenrenとWeiboは世間一般の注目を集めるという点では優れているのだが、販売促進を考慮した時、その有益性はそれほどのものでもない。数ある中国版Pinterestサービスサイトがブランドや販売店間の認識を高めるにはまだまだ長い道のりを歩む必要がありそうだ。

その一方で、現在のところMelishuoとMogujieはTaobaoをあてにしており、収益の80%はTaobaoのアフィリエイトプログラムによるものとなっている。これら2社は、収益源を出来る限り多角化していく必要があるだろう。

【via Technode】 @technodechina

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