中国のスタートアップは社外役員など外部の人材にどの程度オープンであるべきか?

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

先日、北京にあるマイクロソフトのオフィスで開かれたChina EntrepreneursのBixSpark MEGA Angel Investment Forumに参加した。最初のパネルディスカッションでは、「アーリーステージで適切な投資家を見つけること」が議論された。

当然ながら、議論の大部分は「つまらないお金」に対し「賢いお金」を投資をする戦略的パートナーを見つけることの重要性についてだった。法的もしくは戦略的価値、事業提携などをもたらすことのできる投資家は「賢く、価値のあるお金」を投資する。ただ資金を提供するだけで、時間や独自の価値をもたらさない投資家は「つまらないお金」を投資すると言われている。

次の議論で、Paul Asel氏が興味深いコメントをしていた。彼はNokiaのベンチャーキャピタル部門であるNokia Growth Partner s Chinaのパートナーだ。彼は、アメリカと比べて「中国のスタートアップは、社外取締役など価値を提供できる外の人材を受け入れることへの抵抗がある」と述べた。社外役員の役割は、確固とした経験や実績に基づいた独自の考えで企業を導き、決断を下す手助けとなることだ。そんな素晴らしい価値を提供できるのに、なぜ中国とアメリカでは社外役員を受け入れる姿勢に違いがあるのだろうか?

筆者はその理由をすべて知っているとは宣言できないが、推測ぐらいはできる。私が最近書いた多くの記事のように、人をあまり信頼しないという中国の文化が常に大きな要因として浮上する。いかなる組織でも「部外者」を入れるとなれば、相当の信頼がなければならない。そして、社外役員があなたとあなたの企業のためになることだけ考えているということを信じなければならない。

アメリカでは、多くの場合、立派な履歴書や素晴らしい経歴を持っている人の話は信じてもらえる。社外役員となると、Googleの元CEOで現会長のEric Schmidt氏や、人材や企業管理の権威で長くGE のCEOを務めるJack Welch氏など成功している人を企業に呼びたがる。個人的には知らない人でも、彼らの経歴や実績を見れば分かるということだ。

それに対し、中国のスタートアップは部外者や社外役員を雇うことを嫌う傾向にある。その人をよく知らないからだ。多くの人は、部外者が組織に仲間入りする理由を探ろうとする。「何を欲しいのか?」、「私のアイデアを盗みにきたのか?」というような疑問が必ず頭をよぎる。その一方で、本当に悪いことが起きた際はそのような警戒心が功を奏するかもしれない。とはいえ、「賢いお金」を投資する投資家にしてみれば、この警戒心は苛立たしいことかもしれない。

だから、スピードと弱肉強食の社会で生き残りをかけて闘う中国のスタートアップは、安らぎを少し犠牲にしてでも社外役員などの手を借りる価値はあるかもしれない。もし投資家がスタートアップの価値を高めるために努めているならば、その企業に悪影響を与える社外役員を勧める意味はないのだから。

【via Technode】 @technodechina

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