[Startup Asia Jakarta 2012]現地投資家が心のうちを明かしたディスカッション

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

Startup Asia Jakarta、満員御礼の午後のパネルディスカッションで、Tech in AsiaのVanessa Tanが今話題の地元投資家とのパネルディスカッションの司会を行った。

Antonny Liem – Merah Putih Incubator (MPI)CEO
Andi S. Boediman – Ideosource取締役
Kevin Mintaraga – Project Eden共同設立者
Willson Cuaca – East Ventures投資家

スピーカーの紹介を終え、VanessaがBoedimanにインドネシアのテクノロジー業界について尋ねると、インドネシアには4つのビジネスモデル(販売コンテンツ、メディア、商品、サービス)しか存在しないと彼は答えた。コンテンツに将来性はあるものの、まだまだといった感じで、インドネシアのメディアは規模が小さく多くがまだデジタル化されていない。もちろん物理的な商品は多くの関心を集め、サービスも成長中である。「インドネシアは何をやっても大きな可能性を秘めているが、それはただ可能性に過ぎない」と彼は述べた。MintaragaもBoedimanの意見に賛成した。

Cuacaに、East Venturesが興味を持つスタートアップの種類について質問したところ、モバイルインターネットと消費者市場のスタートアップにのみ関心があると回答した。彼によると、目下真剣に取り組んでいるのは人材の発掘らしい。実際にインドネシアの他の投資家たちよりもそこに重点を置いているという。

インドネシアにおける投資では「一種の賭け」に出ることも必要だが、East Venturesはインドネシア市場の将来性に非常に満足しているとも語った。Liemは一つの賭けだったと認めるが、「私たちはもうすでに水の中に飛び込み泳ぎ出している」と語った。問題はどうやって息つぎをしていくか。言い換えれば、どうやって市場が成熟期を迎える2~3年後にしかるべきポジションにいられるようにするかである。

Boedimanは、大手企業の中にはインドネシアのテクノロジーに大金をつぎ込んでいるところもいくつかあると指摘した。「それは良い投資かどうか?答えるにはまだ時期尚早だと思う」と語った。

トップダウンは常に選択肢であるものの、草の根的なアプローチで「泥臭いこと」をすればいつも市場を推し測ることはできると話すCuaca。「何でも起こり得る」と彼は続け、East Venturesもひとつの企業の型に限定すべきでないとの考えを共有した。というのも、開発・発展の過程で物事はいつでも変化し得るからだ。数字は小さく見えるかもしれないが、成長ぶりは非常に良い。問題は成長し続けることはできるかどうか。「新たな市場に参入するときはその市場について学ぶ必要があるが、学ぶには時間がかかる」とCuacaは語った。East Venturesはインドネシアに期待しているようだ。

彼はEast Venturesの個人投資家ネットワークについて話した。このネットワークは一部保留されている。East Venturesは多くの個人投資家にインドネシアでの投資環境について情報を伝える「幅」を持っていないからだという。

Mintaragaは、Project Edenのスタートアップに対する期待と、製品をすぐにローンチする重要性について話した。これまでのところ、このスタートアップは成果を上げているという。Liemは、MPIのスタートアップも上手くいっていると話した。数字はすべて伸びを示し、MPIは場所、時間、資金、そしてネットワーク構築での支援を提供している。

そして自社の新しいカジュアルなゲームスタジオに触れた。「まだ始まったばかり」と彼は言う。iOSポートをいくつか試した後、一からやり直しているようだ。しかし、第4四半期には音楽に関連する何らかの新製品を発表するらしい。「もう長い間この製品を開発してきましたが、おそらく9月中には発売できます」。音楽を売るものではなく、それ自体が音楽・コミュニティの一つのプラットホームである。

チーム作りについては、Mintaragaは良い収入源と「自分たちのものづくりの夢(自分たちの製品を世に出していく)を打ち消さない」というスタンスの間で、バランスをとるポイントを見出すことが重要だと述べた。彼はまた、SpotDoctorについても触れている。SpotDoctorはユーザの近くにいる医者や医療機関を探す手助けをするアプリである。これは20,000回以上ダウンロードされており、Mintaragaによると、会社としては積極的にマーケティング戦略を計画しているようだ。

スタートアップが私たちにアプローチしてくるのは、容易に資金を得るためではないとBoedimanは語った。多くのスタートアップは、Angry Birdが成し遂げたような非現実的な一夜の成功を望んでいたり、新たなプラットフォームを構築したいと考えている。「完全に馬鹿げている話だ」と彼は言う。プラットフォームの構築が問題解決につながる訳ではないと。スタートアップが望む多くのことはつじつまの合わないことばかり。私たちにとっての使命は、投資そのものではなく、現実的な見込みと実行可能な正しいタイムラインを持つスタートアップに対して資金を提供することであると述べた。

Liemはこうつけ加えた。いったん製品がリリースされると、人材争奪戦が始まる。そして企業がビジネスを開始すると、人材を引き止めておくことは困難になる。また彼は、インドネシアのスタートアップはもっとグローバルな製品を作り上げなければならないと指摘した。人々は自国の製品だからという理由のみで製品を使うことはしない。海外の企業と競合できるような製品を作ることができるスタートアップが必要なのだ。

Mintaragaは賛同し、自社のビジネスプランを練り上げなくてはならず、「もう少し現実的なものにする」と述べた。Cuacaもまた、「投資家にとっての最大の使命は、優れたファウンダーを見つけること」だという。製品やアイディアがそこまで優れていなくても、「優れたファウンダーなら策を見出す」と。Liemはまたこうつけ加えた。優れた製品は優れたファウンダーの下で生まれなければ日の目を見ることはない。

6月8日と9日の2日間にわたって開催される私たちのスタートアップイベントStartup Asia Jakarta 2012の詳細はこちらで報告するので、引き続きチェックしてほしい。Twitterの@startupasia、我々のFacebookページ、もしくはGoogle+RSSでフォローが可能だ。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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