ゴールド・ラッシュの心理−中国における共同購入の行く末

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

先日、地元のニュースが報じたところでは、360buy共同購入事業をアウトソースしようとしており、55Tuanが手を挙げた中の1社だという。2社はその実現可能性について協議に入っているとの噂だ。

次は360buyの番だ

4月9日、Ganjiの共同購買事業を55Tuanが引き取った後、360buyが動いた。Ftuanは既にkaixin001の日替わりキャンペーンサイトの面倒を見ている。この事業に次々に飛び込んだインターネット企業は、今はみな考え直し、共同購買ベンチャーを閉じるかアウトソースすることを検討している。我々は近い将来、同様の取り決めがさらに出てくると見ている。

この件に詳しい人々によると、360buyは「地元の生活サービス」の取引だけを55Tuanに任せ、「物理的な製品」については取り組みを続けるらしい。最終的なところ後者は、販促やマーケティングキャンペーンのチャンネルをもう1つ持つようなもので、Jing Dong Mallの運営に近い。

ゴールド・ラッシュの心理

最近The New Yorker誌に、「ギャンブラーの神の場所で」というEvan Osnosによるマカオに関する面白い記事が掲載されていた。中国人は、自分たちはアメリカ人よりも用心深いと考えているが、実際には最もリスクを負いたがる人種だという。Osnosは、中国人は運が結果を左右するゲームで遊ぶことが多いから、万が一当たった時のために賭けに出たがることもその一因だとしている。

この心理は、なぜ中国のインターネット企業が大勢で同じように動くのかも説明している。数が多ければより安全になる。こうした企業はまた、他の企業が確立した道を歩むのも好きだ。そうした道が既に海外で大きな成功を勝ち得ているならなおさらだ。繰り返しになるが、実績ある道ほど安全なものはない。ある意味、これはゴールドラッシュと同じである。見かけで判断すれば、これより安全なものはない。金が埋まっているとわかっている場所に皆が押し寄せて掘っている間に餓死するなどありえない。

これが、共同購買ビジネスの事の顛末だ。2008年後半に突如生まれたサイトGrouponは、2010年には既にGoogleの60億米ドルの買収提案を断っていた。もちろんこれは、インターネット時代ではさして珍しい話ではない。Grouponが他と違って特別なのは、実際にお金を稼げるビジネスモデルがあるということだ。

Grouponを目指す中国企業にとっては、さらなるメリットがあった。共同購買は、浪費やムダではなく倹約や効率を追求しており、この2つの価値観は、最も伝統的なビジネスマンが共感するものだ。さらに、参入障壁は一見低く、1社目になるメリットは大きく見えた。

だから、昨年中国で共同購入ブームが起きたのも不思議ではない。誰もかもがキャンペーンを提供するサイトを立ち上げていた。競合を撃退するため、彼らはみな受け取りよりも多くの資金を使い、どんどんお金が無くなっていった。もちろん、正当な理由はある。砂金堀りにも道具が必要だし、お金を稼ぐにはお金がかかる。

今年になって、麻薬中毒者がどんどん痩せこけていくように、大きな夢はしぼんできている。多くが資金を使い果たし、事業を売るか閉鎖するかしなければならない状況だからだ。もう1つの理由は、Grouponを取り巻くざわめきが、派手に宣伝されたIPOの後にぱったり静かになったことだ。Grouponの会計実務への懸念が高まっており(直近の四半期の会計がインチキ臭いというだけでなく、真の懸念はこれがGrouponが初めて公に報告した四半期の業績で、それを上手くやってのけることができなかったということ)、共同購買は結局のところ、革命的でも高利益でもないようだ。

これら全てから教訓が導き出されるだろうか?毎度のことだが、天使が足を踏み入れるのを怖がる場所へ愚か者はドッと押し寄せる。多くの企業は、共同購入の実態をきちんと考えず、遠くから金になるチャンスを見て飛び込んだだけだったのだ。

こうして、実際にはゴールド・ラッシュに参加することほどリスクが高いことはないということを、彼らは忘れてしまった。我々が何度も何度もゴールド・ラッシュで目にしてきたのは、誰もが一枚加わろうとするが、実際裕福になるのはわずか一握りで、残りは手ぶらで帰るという事実だ。

今年、より冷静な考えが主流となるだろう。企業の多くは、メイン事業と共同購入事業の間に相乗効果がなく、自社で運営する共同購入事業は損失を生んでいることを認めている。これが、売却や第三者へのアウトソースが増えている理由だ。

共同購入が、企業や消費者に何ももたらさないと言っている訳ではない。大騒ぎの後、資金力のある大企業Dianping.comやNuomi.comは生き残っているからだ。もっと小さな事業体は、事業売却かもしくは買い手がなければ単純に事業をたたむかのいずれかによって損失を断たざるをえなくなるだろう。

【via Technode】 @technodechina

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