インドネシアのクラウドファンディング「Wujudkan」とクラウドファンディングに関する問題とこれから

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

インドネシアでは、独創的もしくは世のためになるプロジェクトであっても、そのために多くの人から資金を集めるにはすごく時間がかかる。だが、オンラインで資金を集めるとなると話は全く違う。「クラウドファンディング」として知られるサービスは、目標額を集めるための新しい方法だ。プロジェクトに必要な資金額を期限付きでクラウドファンディングのサイトに掲載する。募金した人は報酬として、プロジェクトが完了した時にそのプロジェクトのプロダクトもしくはプロジェクトの成果に関連したものを受け取る仕組みだ。

アメリカではクラウドファンディングは既に合法化されている。クラウドファンディング法はバラク・オバマ大統領が実現し、これによりアメリカのビジネスマンはSEC(米証券取引委員会)に登録するクラウドファンディングポータルから年間100万米ドルまで資金を募ることができる。それでは、インドネシアにおけるクラウドファンディングの現状とその展望はどうなのだろうか?

Jakarta Founder InstituteのOBで、Wujudkanの共同設立者であるMandy Marahimin氏にメールで話を聞いてみた。Wujudkanは大手クラウドファンディングサイトの1つで、広く名前が知られている理由は3億ルピア以上を必要とする「Atambua 39° Celsius」という映画プロジェクトの資金集めに成功したからだ。この映画は、Riri RizaとMira Lesmanaという有名映画監督兼プロデューサーのプロジェクトで、目標額を達成するのに102人から資金を集めなければならなかった。

インドネシアにおけるクラウドファンディングの成功例にスポットライトを当てているが、わたしの知る限り、Wujudkanに数多く登録されているプロジェクトの中で目標額を達成したものはわずか2件にすぎない。同様のサイトでも同じことが起こっている。成功例よりも失敗例の方がはるかに多いのだ。オンラインでお金のやりとりを行うことに対する不信感が問題だとMandyは語る。お金や資金を集めることはインドネシアでも普通のことなので、クラウドファンディング自体が問題なのではない。

Markplus Insight 2011のデータで報告され、またMandyも述べているように、(インドネシアの)オンラインバンキングの利用者は全インタネットユーザのわずか25%にすぎない。今のところ、Wujudkanのオンラインバンキングによる募金件数は全体の10%しかないようだ。ということは、残りはATM経由で募金が寄せられていることになる。だが、Mandyはインドネシアの人がオンラインでお金を支払うことに慣れて快適に感じるようになれば状況は変わると楽観的だ。

正直、クラウドファンンディングはインドネシア人にとっては新しいことだ。 オンライン決済に対する不信感という問題ではなく、 インドネシアにおけるクラウドファンディングについて私たちが考える問題は、プロジェクトオーナーの信頼性だった。Wujudkanは各プロジェクトオーナーに対して厳しい審査を行っていると思うが、もし資金を悪用するようなプロジェクトオーナーが出てくればWujudkan(そしてクラウドファンディングサービス全体)の信頼性が疑われることになるだろう。

Wujudkanは、地元の多くのプロジェクトがKickstarterで運試しを試みていることを認識している。だが、Kickstarterに登録するのは容易ではない。Amazon Paymentsのアカウントとともに、アメリカの社会保障番号、アメリカの住所、銀行口座にアメリカの銀行が発行したデビットカードもしくはクレジットカードが必要になる。クラウドファンディングポータルを通じて集めた資金に対する責任を追求しやすくするためだ。もしインドネシア発のプロジェクトがKickstarterに登場したとしたら、オーナーの誰かがアメリカ国籍を持っていることは確かだろう。

最後に、資金調達の追加手段としてのクラウドファンディングについて—クラウドファンディングで成功するにしてもしないにしてもプロジェクトは走り続ける。Mandyは、その判断はプロジェクトオーナーが決めるべきことで、Wujudkanがそれを批判することは決してないと述べている。

クラウドファンディングに同様の懸念を持つ人たちは歓迎されるし、クラウドファンディングを利用する運動におけるパートナーだ。もしWujudkanだけで資金を集めることを望むならそれもアリだ。要件を全て満たしたプロジェクトなら、Wujudkanのサイトに掲載される。

【via Daily Social】 @dailysocial_en

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Company: wujudkan

ファンやクリエイティブネットワークを通じて、アーティストとクリエイターが彼らのプロジェクトに対する資金を獲得する手助けをするクラウドファンディング・プラットフォーム

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