9月8日、9日にテックとクリエイティブの祭典「明星和楽」が開催された。イベント当日は福岡市長による講演や孫泰蔵氏による講演、著名人やVCなどによるパネルトーク、そしてスタートアップ・サービス10社によるショーケースピッチがおこなわれた。
ここでは、ショーケースピッチをおこなったスタートアップを紹介する。(前半はこちらから)
関心がある情報を効率的に取得できる「kanshin!」
Kanshin!(Fukuoka)は、福岡からの選出スタートアップで、自分の関心がある情報を効率的に取得することができるサービスを提供している。ビッグデータが注目される今、あえて人の興味関心によるレコメンドに注目し、サービスを展開している。
Kanshin!は、株式会社関心空間から事業譲渡を受け、インターネットコミュニティサイト「関心空間」の運営を行なっていた。「関心空間」は、自分が今もっている関心事を登録して、他人の関心事と “つながり” を持たせたり、相互に感想などを書き込むことのできるサービスだ。
先行サービスの「関心空間」と同じく、Kanshin!は使い続けるうちに自分でも気づかなかった新しい関心事に出会えるサービスを目指しているという。気になった方はこちらから先行登録をどうぞ。
超小型電気自動車のカーシェアリングシステム「こでかけ」
続いてREEVO(Fukuoka)によるピッチが行われた。REEVOは「交通革命」をミッションに事業を行なっている福岡のスタートアップだ。「こでかけ」という超小型電気自動車のカーシェアリングシステムを提供しており、スマートフォンから登録や課金、貸し出しなどの操作をおこなうことができる。
アプリをインストールし、ユーザ登録を行う。車の居場所をチェックし、車を借りるという3つのステップで利用可能だ。Webのアプリケーションを利用して、リアルタイムに場所や速度などの走行状況を把握することもできる。ターゲットは地方の行政、観光地や大学などを想定しているという。
低コストの家庭用エネルギー管理システム「Intraix」
Intraix(Singapore)は、SaaS(Software-as-a-Service)で住宅、家計、中小企業がエネルギー消費量を軽減できる低コストの家庭用エネルギー管理システム。共同創業者であるDarrell Zhang Yiyang氏がピッチを行った。Intraixは2012年1月にローンチし、初版プロダクトのリリースが2012年5月に行われている。
同スタートアップは、NUS海外カレッジ(NOC)卒であるDarrell氏とBryan Lee氏の2人によって設立。Darrell氏は以前に、地元の電力会社で電気の専門家として働いた経験を持ち、建物の電力効率のソリューションを主とするOptirasという会社を設立しており、建物の電力を分析することで電力の節約を目指していた。
機器ごとにスマートプラグをインストールし、ハードウェアのコストをかけることなく主要のエネルギー計量データを測ることで個別機器の電力の内訳を出すことができる。Intraixで節約した電力はあらゆるお金に変換可能で、機器の割引や公共料金の払い戻しなどに使うことができるグリーンクレジットを得ることができるという。
サービスの紹介映像があるので、興味のある方はこちらの映像もどうぞ。
【参考記事】
リアルタイムデータ解析、ビジュアライズサービス「Demand Analytics」
Demand Analytics(Hongkong)はリアルタイム・データの見える化ツールを提供する香港のスタートアップ。「人の意思決定をサポートする」ことをミッションに活動している。Demand Analyticsのチームはアメリカやヨーロッパから集まっており、ユニークなバックボーンをもっている。
2012年1月には、ソーシャル・コマース業界に革新をもたらすべく、グルーポン社と複数年の巨額契約を締結、世界レベルで解析整理された情報を提供している。世界的に展開しておりカテゴリも多く実店舗の情報なども必要となるグルーポンのようなサービスは、データを集め、解析して決断を下すのは一苦労だ。Demand Analyticsはこうした課題を解決するためにサービスを提供している。
Demand Analyticsは現在人を募集しているだそうなので、ビッグデータ時代に注目のサービスに興味のある方はapplyしてみてはいかがだろうか。
ソーシャルメディア効果測定ツール「sxIndeks」
sxIndeks(Indonesia)は2012年4月にローンチした、インドネシアのソーシャルメディアのデジタルコンバージョン測定サービス。インドネシアのソーシャルメディアについて分析、報告を発表している Salig Silang 社が運営している。
ミルクを商品に扱う企業のキャンペーンから学び、このサービスを立ち上げたと語る。インドネシアには会話を重んじるカルチャーがあり、それもありソーシャルメディアの活用がとても盛んであるという。膨大な量の会話の分析を行うことで競合の分析をしたり、戦略をたてることが可能になりそうだ。
sxIndeksはインドネシアをターゲットにして提供されているサービス。インドネシアでのビジネスに関心がある方はこちらのサービスサイトを見てほしい。
【参考記事】
ソーシャル・ショッピング・ネットワーク「Butterboom.com」
スタートアップショーケースのとりを飾ったのは香港から参加のCasey Lau氏。香港でTechCrunchのファッション版ともいえるブログを運営している人物だ。
Butterboom.com(Hongkong)は、香港の高級ファッション・アウトレットやブティックをフォローし、ユーザがコメントしたり評価したりできる、ソーシャル・ショッピング・プラットフォーム。VIP向けの頒布会に招待されたり、バーチャル・コンシェルジュに商品を探してもらったり、取り置きをお願いできるという。
香港にはファッションの店舗数が6万を超え、海外から4200万人の訪問者が訪れる。ファッションに500億米ドルのお金が使われているという背景があり、よりファッションの購入体験を豊かなものにするために、Butterboom.comが提供される。
Butterboom.comは英語と中国語で他の言語にも今後対応予定で、東京、ソウル、バンコク、ロンドンなど世界の各都市にも展開していきたいと、Lau氏はビジョンを語った。
10社のスタートアップのピッチが終了し、各審査員がそれぞれどのサービスがよかったかという発表が行われた。一番多く名前の上がったサービスは「Conyac」、「AWSスタートアップチャレンジ」出場権獲得したのは「こでかけ」だった。審査員の勝屋氏による「まるでアジアの交差点のような印象をうけた」というコメントが印象に残った。
以上が、9月8日、9日に福岡で開催されたテックとクリエイティブの祭典「明星和楽」におけるセッションの一部だ。このイベントの詳細はこちらで報告していくのでチェックしてほしい。
Members
BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。無料で登録する