2012.12.11

アジアはソーシャルゲーム次世代のトップに立てるのか?

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

著者について:Sangeet Paul Choudary氏はオンライン市場の戦略について定期的に執筆しており、インドやシンガポール、アメリカのオンライン市場のスタートアップと密接にかかわっている。彼のTwitterをフォローしてみるといい。この記事も既に、Sangeet氏のブログ、platformed.infoに投稿されている。

tokyo game show

Zyngaの最近の状況が反転し悪化していることが、ソーシャルゲームやバーチャル商品モデルについてのいくつかの疑問を引き起こしている。同社の成長は、Facebookと密接に関係しており、一方が一方の成長に寄りかかっているため判別ができないことも多い。

いずれにせよ、ZyngaはFacebookをマーケティングプラットフォームとして大規模に活用し大成功を収めた最初のアプリだった。そうすることで、ソーシャルゲームの波の先触れともなり、従来型のゲーム企業が提供製品について再考することになった。

Zyngaの最近の業績悪化により、同社の戦略(この戦略は他企業にも活用されていた)の弱点もあらわになり、ソーシャルゲーム業界で同じような問題に直面しつつあり、類似企業の間で関心の高い課題が浮き彫りとなった。

外部のユーザ獲得エンジンへの過度な依存

ソーシャルゲームは、ターゲットユーザの関連性に関係なくユーザにインセンティブを頻繁に与え、新たなユーザを招待してもらうことでユーザを獲得するという好例にあたる。今のソーシャルゲーム環境には興味深い点が2つある。

1.

        バイラルマーケティングによるユーザ獲得:ソーシャルゲームはバイラルマーケティングに頼りすぎている。これは、よくゲームのメカニズムに取り入れられている。ユーザは友達を招待することで、時間(レベルアップが早くなる)もしくはゲーム内のアイテムなどを手に入れることができる。ゲーム全体が、ユーザが他のユーザを呼び寄せることで成り立っているのだ。このバイラルマーケティングは口コミではない。つまり、ユーザがゲーム内で体験したかもしれない良い体験とは一切関係がないのだ。

2.

      クロスプロモーション:ソーシャルゲームはヒット数と相互販売に頼りすぎている。Zyngaは、新しいゲームをリリースするときはいつも、ユーザを既にあるゲームから獲得している(相互販売)。だが、これは勢いと大いに関係がある。もし、ひとつのゲームがゲーム間で邪魔になって失敗してしまえば、ユーザの持ち越しは損となる。一般的に、ソーシャルゲーム企業はユーザに多くのゲームで遊んでもらうことでマネタイズのチャンスをつくり、収益を最大限に伸ばそうとする。

上に挙げた2つの要素から、あらゆるタイプのゲームとは違うソーシャルゲームは、基盤となるユーザ獲得プラットフォームだけでしか成長できないということが読み取れる。もちろん、Facebookはユーザ獲得プラットフォームにしては最適だ。だが、それによってZyngaや他社がFacebookを頼り過ぎ、同プラットフォームの利用を制限するいかなるポリシー変更にもオープンになりすぎてしまったことが問題だった。

他のネットワークへの便乗

Zyngaの成長戦略はFacebookの成長に便乗することだった。ネットワーク化されたビジネスは、他のネットワークの成功に相乗りすることが多い。PaypalはeBayの成長に相乗りし、YouTubeは初期のMySpaceの成長に助けられた。他のネットワークの成長に便乗して成功するための重要な推進力は、基本的なネットワークのユーザに価値を付加する上位ネットワークの能力である。PaypalはeBayユーザにインスタント決済の手段を提供した。YouTubeはMyspace(と後にFacebook)のユーザにビデオを簡単に共有する手段を提供した。

だが、Facebookの背中に乗って事業をおこなういくつかのソーシャルゲーム企業の問題は、ユーザに送った多くの招待がFacebookユーザにとっての価値を高めるというよりはむしろ無くしてしまったことだ。

それらの企業は特定グループのユーザにとっては価値を高めた。でなければ、50代の女性がインターネットで仔犬を飼っているというセグメントは目にすることもなかっただろう。だが、それと同時に、別のグループのユーザにとっては、関係のない招待メールを繰り返し送るという無差別メールを送っていたのだ。

Facebook自体も、時間とともに、ネットワーク内のスパムメールをなくすよう積極的に取り組んでいる。Zyngaは明らかに大きなトラクションを獲得した。それはFacebookに最初に姿を現した企業の1つだったからだ。制限がされるようになったのは、後になってからのことだった。規制が敷かれてからは、Facebookはこの種のユーザ獲得には下位の選択となった。

Facebookはソーシャルゲーム向けに最適化されたことはなかった

次の2つの理由で、ソーシャルゲームモデルが依存しているバイラル招待制は失敗する。

1.

        Facebookの全てのユーザがソーシャルゲームをプレイしたり、試そうとしているわけではない。それは、このネットワークの主な利用法ではないからだ。Facebookはまずパブリッシングプラットフォームであり、次に、マーケティングプラットフォームである。すばらしいコンテンツはプラットフォーム上でバイラルとして広まる。なぜなら、すばらしいコンテンツを求めている数多くのユーザに価値を与えるからだ。Facebookはすばらしいコンテンツに最適化されているのであって、ゲームの招待に最適化されているわけではない。

2.

      このネットワークの基本は真のIDに基礎を置いている。結果、ユーザは友達にスパムを送りつけることに非常に敏感であり、不快な経験を作り出している。他のあらゆる技術経験と同様に、ユーザは否定的な行動(スパム)を初めから区別しているわけではなく、スパムを避ける知識を徐々に学んでいく。

ソーシャルゲームの招待制は、基盤プラットフォームだけが活用できるようにするべき

これに関しては、アジアのゲームプラットフォームは基本的に違う。GREEDeNAなどのアジアのゲームネットワークのいくつかがその他のソーシャルゲーム企業と異なる特徴は、ユーザ獲得とクロスプロモーションがもともとのゲームプラットフォームに構築されているからだ。

ユーザは実名よりもアバター系のゲームIDを持つことが多い。ゲームがプラットフォームの主な機能なので、スパムメールの危険性は低くなるが、ユーザはプラットフォームでは実名を使っていないので、大規模な招待メールを送る傾向はそれだけ高くなる。

ユーザ獲得手段をFacebookや他のバイラル依存のネイティブではないプラットフォームに最適化している現存タイプのソーシャルゲーム企業は現在、今まで経験したことのない別の課題(なぜならFacebookが方針を厳しくしているから)に直面している。そうではなく、ユーザ獲得プラットフォームを構築し、ゲームを通じてユーザを獲得していくべきだ。すでに、ユーザ獲得エンジンをネイティブプラットフォームに構築した企業は、この点で幸先の良いスタートを切っている。

小さな画面問題と「ばら売り」

ウェブ重点型の企業は、全てこの課題に取り組むのを避けているようだ。モバイルゲーム特有の問題として次の3点が挙げられる。

1.

        小さな画面利用は収益化の選択肢を限定する。

2.

        モバイルには、横並びのプラットフォームを切り離し、サービスを縦型に並べたという経緯がある。Facebook.comはさまざまなこと(コミュニケーション、写真の投稿、共有、ゲームなど)に利用できる1つのウェブサイトだ。だが、Facebook自身もコミュニケーションや写真投稿などのために複数のモバイルアプリを持っており、デスクトップ/ウェブだけの世界では直接の競合にはならなかったようなサービス、例えばInstagram(買収前)、との熾烈な競争に直面している。横並びを切り離すことは、クロスプロモーションに頼りすぎているソーシャルゲーム企業に課題を投げかけ、ユーザを1つのゲームから別のゲームに運んでいる手法を阻むことになる。

3.

      モバイルはゲームの遊び方も変えた。モバイルでは、1回あたりのエンゲージメントが高い傾向にある。その反面、Facebookのソーシャルゲームは1回あたりのエンゲージメントが低く、ユーザはログインをするとメンテナンスモードで遊び、やるべきことをやってしまうとゲームをやめることが多い。

モバイルを優先させることにおいても、アジアのゲーム企業は出足がいい。同地区の、より成熟しているモバイル市場においては特にそうだ。GREEによるOpenFeintの買収は、同社がクロスプラットフォームのモバイルゲームに投資をするという意図を明らかに示している。

最終的には収益だ!

世界のソーシャルゲームのARPUは今も日本のレベルには達していない。Zyngaが2011年の後半(当時、Zyngaはまだうまく行っていた)にGREEの10倍のユーザを抱えていたにもかかわらず、GREEの四半期の売上はZyngaよりも高く、GREEおよびDeNAの両社ともにZyngaの10倍の収益性があった

もちろん、豊かな日本の市場をターゲットにしていれば、すべて上手くいくだろう。だが、Zyngaの収益性が低いのには大きな理由が2つある。顧客獲得のコストが高いこと、そしてFacebookに収益の30%を支払わなければならないことだ。顧客獲得のコストは、独自のネイティブプラットフォームであればかなり統制が効く。そして、それがDeNAの収益性の高さにも貢献している。

他の国々は違うかもしれないという万一のチャンスに出会う可能性は常にある。ソーシャルゲーム、モバイルゲーム、そしてバーチャルグッズのすべては、最初は商業ベースでアジアの2ヶ国(韓国と日本)で実施された。韓国と日本は可処分所得が高く、テクノロジーにも先進的な顧客がいてオンラインに費やすお金も平均的に高い国だ。だが、この2つの市場は歴史的に非常に孤立している。韓国のCyworldはグローバル展開の目標にあまり着手していないし、日本の消費者向けテックプロダクトも非常に内向的なままだ。

これらの企業が抱える課題は外国、特にアジア以外の市場で好みの異なる顧客を相手にビジネスをする能力があるかどうかにかかっている。彼らは、世界の消費者を理解することできるだろうか?もしできれば、日本のネット企業に代わって世界的な成功という新たな局面を迎えるかもしれない。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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Tech In Asiaは、アジアに焦点を当てたテックやスタートアップのニュースを提供するため、2009年7月に設立された。 既に存在する巨人に比べて弱小だが、インターネット・コミュニティ、とりわけ、アジアのそれの発展に貢献すると考えている。月間3万〜50万ページビューを誇り、最も速く成長を遂げるウェブサイトの一つである。 読者は、主に起業家、マーケッター、企業の重役、学生など。

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