GREEがアジアのモバイル企業SingTelと提携ー世界の独占にフィットするか

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【翻訳 by Conyac】【原文】

日本のモバイルソーシャルゲーム会社大手GREEはSingTelと提携し、シンガポールでゲーム配信を開始すると発表した。(原文掲載11月14日)

さらには、SingTelはこれらのタイトルに対して携帯会社直接請求制度を提供する。GREEにとって日本以外での提携は初となる。この合意は両者にとって意義深い。

SingTelは世界で最も大きな電話会社のひとつで、アジアの重鎮である。昨年度の携帯契約者数は4億6200万人を誇り、フィリピン、インドネシア、オーストラリアなど8ヶ国で展開している。各市場で電話会社を所有、または一部を所有している。

GREEは日本国外でモバイルソーシャルゲーム会社として頭角を表したいという意図がある。このシンガポールでの提携に踏み切ったのはそのためだ。人口が500万人に過ぎないにもかかわらず、試験的な市場としてシンガポールを選んだのは興味深いとTechinAsiaのWillis Wee氏は言う。

しかしGREE広報によると、シンガポールのスマートフォンは至る所に溢れていて、ユーザあたりの収益(APRU)も高く、デジタルコンテンツの購入に積極的だ。GREEの最近のHTML5ゲーム推進の動きは、SingTelとの提携によってシンガポールにおけるモバイルフォンエコシステムの多様性の取り込みに結びつくだろう。

SingTelが展開する国では、スマートフォンの利用率だけでなく住民が利用するスマートフォンの様々なタイプにおいてSingTelが存在感を示している。Androidとフィーチャーフォンの独壇場である発展途上の市場に比べ、iPhoneはシンガポールやオーストラリアで圧倒的に利用率が高い。

SingTelの見通しは、GREEとの提携は資本の増強につながる。GREEのゲームで最も人気のあるCeberusとBe My Princessの2つはSingTelの巨大なエコシステムのパートナーアプリとサービスに追加されるだろう。

SingTelのi.luminate 2012カンファレンスに最近参加したが、同社はアジアを牽引する「ICT」プロバイダになるという壮大な志を臆することなく表明した。超現実主義的なスティーブジョブズ的に、SingTel Group ICTのCEOであるBill Chang氏は後方に設置された液晶スクリーンを指して自社が世界で最も大きな企業であるかを示した。

SingTelは消費者のデジタルスペースに進出するだけではない。同社はヘルスケアや物流、セキュリティ、政府、モバイル決済や教育といった範囲までを網羅するサービスのエコシステムを構築しようとしているのだ。

消費者セクターの企業であるため、SingTelのマーケットポジションに変わりはない。狙いはデジタルニーズに応えるオールインワンプロバイダーとなることである。そしてGREEを自社のエコシステム(確実により多くのゲームリリースが期待される)に加えることにより、SingTelは多数の購読者が離れていかない配慮をしている。

ちなみに、同社の3Gネットワークにはムラが多いにも関わらずだ。

【via SGE.io】 @SGEio

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