街のSNS化から自動書籍出版サービスまでー大阪から世界を元気にする「Shoot from Osaka(n) vol.3」 #shootosaka レポート

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「大阪から世界に」を軸に、大阪のIT企業やベンチャーによるサービスのピッチのイベントを開催している「Shoot from Osaka(n) 」。今回で三回目の開催だ。毎回、独自性やビジネスモデルとしても興味深いサービスや企業がプレゼンをおこなうイベントとして、注目を浴びている。今回は、先日開催されたStartup Weekend Osakaの優勝チームも出場するなど、イベント間の壁を越え、様々なジャンルの企業のプレゼンがおこなわれた。

まずは、Shoot from osaka主催のChatwork大崎氏より挨拶。大阪から世界にサービスを発信していく、という思いから、起業家やメディアの人たちの交流の場として、企画をおこなっている。大阪からも面白いサービスがあるということを、東京や各地のメディアの人たちにプレゼンをおこない、そして交流して新しい出会いや刺激になればと考えている。“Shoot”という名前も、撃っていく、という強い意味もこめてのイベントだ。

プレゼンの様子を、当日のピッチを内容をもとにレポートをおこなった。

ARを使い、あらゆる情報を網羅するコミューン

株式会社美文化計画の東山純也氏が、街をSNS化するがコンセプトのARアプリのコミューンのプレゼンをおこなった。今年の4月に大阪市のビジネスパートナーに正式に選ばれ、天王寺動物園での日本初の動物園内AR(拡張現実)サービスをおこなっている。スマホのカメラ機能を使い、それぞれの動物の位置が把握できる。またイベント情報などにも対応し、川崎市のロックフェスのイベントや世界遺産の二条城におけるイベントに対応している。とくに二条城のイベントは、建物に直接書き込みなどができないからこそ、デジタル上で情報を見せることでの観光資源の活用などの新しい可能性が開かれる。

「紙のパンフレットからの、テクノロジーによるイベント情報の新しいカタチを提案していく」と東山氏は語るように、デジタルツール、そしてスマホを使いこれからの新しい時代において、日頃の生活に役にたつサービスの開発をおこなっていく。

他にも、地震におけるリアルタイムの情報などのやり取りや旅行観光のインバウントアウトバウント戦略や、ビルや屋内でのSNS化にもトライする予定だ。これらのように、情報の可視化をおこない、デジタルのネットワークを活用していく。

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「Picola」で企画者と参加者をマッチングさせ楽しい休日を

チームPicola友巻憲史郎氏がプレゼンをおこなった。友巻氏は関西大学の学生で、BTC関西代表チームとして参加し、その後アジアの情報をリサーチし現地に行くなどし、そしていまのサービスへと至った。6人でサービスを進めており全員学生でなりたっている。

「休日をもっと楽しく」がコンセプトのPicolaは、イベントのオーガナイザーと参加者のマッチングをおこなうサービスだ。企画側は開催日や日時を指定し、企画をたてることができる。ユーザはジャンルや場所を指定することで、企画の情報の検索が可能だ。またFacebookへのシェアや参加者の確認などもできる。参加者はコメントやメッセージをおこない、参加したい人たちとコミュニケーションを図っていく。

また、Picolaは、企画のオーガナイザーに対し、一定基準の審査をもうけ、それによって企画の質を保ち、それにより、ユーザの参加における心理的ハードルや満足度を高めるための戦略だ。

これまで体験企画などは店舗や企業単位が多かったが、それらの集多くは客や情報の更新の面倒があり、その体験の支援をおこなう。また、企画側の企画以外にも、企画オーガナイザーと一緒に運営側が企画をおこなうなど、運営側からも提案をおこない、プロモーション企画もおこない、独自性をだしている。

「関西という地の利を活かし、関西という地域の魅力を発信していきたい」

企業の印刷コストの見える化でコスト削減「Smart Print Tracker」

コピーやプリントはコストを普段気にしないことが多い。企業組織の場合、誰も企業で印刷コストを管理していない。オフィスの印刷という見えないものを見える化をおこなうことで、コスト削減をおこなうことを目標に掲げている。

Smart Print Trackerは、インスールが5分で実施でき、企業内の印刷コストを低コストで見える化をおこなう。なぜそれが実施できるのか。それは、印刷装置内部にDBがあり、そこから出力数やアラート情報などがありそうしたMIB情報を分析することで情報を管理することができる。導入に際しては、1台につき90円、それ以降は使用毎に課金をおこなう仕組みだ。

現状として、すでに1213社(プレゼン現在)に導入されており、印刷管理も4700以上ものモデルの機種を扱っている。また、DBの分析によってメーカーやOAディラー、Sierなども使用もらい、効率的なマーケット分析をおこなうことができる。

「デコメーラー」でiPhoneでもガラケと同じデコメを送ろう

デコメーラーの運営は、もともとモバイル向けのサービスを展開しているエーウォーカーが運営しており、エーウォーカーは他にも雑誌『小悪魔Ageha』を扱っているインフォレストのグループ会社でもある。

デコメーラーは、iPhoneでガラケーと同様にデコレーションメールを送受信することができる無料アプリだ。そのきっかけとして、スマホになってもガラケのデコメの需要は大きいというニーズを読み取ってのリリースだ。デコメ以外にも、メール通知や着信音の設定機能やメール自動フォルダ機能などを搭載している。

デコメーラーなぜ350万DLを突破したのか。代表の押川氏はその理由について事前マーケリサーチ、継続的ニーズの把握、開発のスピードという3つの要点があると語る。

2010年末にリリースし、それから無料ランキングとしても最高5位をとるなど、当時としてこれからiPhoneユーザの増加が見込める中でガラケからiPhoneへの移行における需要を見越した事前リサーチをつかんだ。また、企業としてモバイル向けのサービスを行なっている中で、他のサービスがデコメ機能が搭載されており、そうした機能にデコメーラーも対応し、他の流入をもつことができた。他にも、デコメ利用者のニーズに応えるための開発をおこなった。

また、auにおけるiPhoneリリースなどにおいて、絵文字が送受信できなかった、メールのお知らせが届かないなどの不具合がある状況の中で、デコメーラーは1週間でそうした不具合に対する問題に対処し、開発スピードでユーザ満足に対応した。収益モデルとしては、期間保証型の広告など大手の企業のタイアップなどの収益をおこなっている。

インタレストでつながる人と「Chalette」で楽しいチャットを

Chaletteは、インタレストグラフとリアルタイムチャットをおこなうサービスだ。

FacebookやTwitter,LINEなど、国内でも多くのSNSがある中で、ソーシャルメディアにおいて、楽しめる相手がいることで成立するものだ。しかし、知らない人でも面白ければ楽しい時間がすごせるのでは、ということが開発のきっかけだ。ソーシャルが知っている人であるならば、インタレストは、興味関心でつながるネットワークだ。

Chaletteは、シチュエーションの演出がポイントで、ソーシャルは知らない人とは関係がしにくいが、Chaletteは、特定の相手とコミュニケーションをする仕掛けがおこなわれている。Chaletteは、自分のタグを登録しインタレストを登録する。それによって違う相手と自動的にマッチングする。マッチングがおこなわれてから15分10秒のみという制限でのチャットのため、手軽に簡単に楽しめることをポイントとしている。

マッチングした相手には、フレンド申請をおこなうことができ、フレンドになることで制限時間は解除される。また、制限時間が終了したのちは、相手を評価することもでき、バッチをあげたりのゲーム機能も搭載している。

11月にリリースしたばかりのサービスであるが、現在ブラウザ対応のみだ。今後、リアルタイムチャットの利便に特化しスマホ対応も現在開発している。将来性として、手軽に国際的な人たちと交流ができるサービスを目指していきたい。

金融市場にITを。全自動売買ウェブアプリ「トレトレFX」

オートマチックトレードは、投資に興味がある人、リタイア後の資金のニーズのために会社を設立。2006年から自動売買取引のサービスを展開している企業だ。近年の金融商品のIT近年盛り上がりをみせている中で、、インターネット取引によって即時性や特殊注文、自動売買などの省力化、システムトレードや自動売買などによる利益支援をおこなっている。まだまだ金融業界におけるIT活用は開拓の余地があると松村 博史氏は語る。

特に、自動売買は迷いや時間の拘束、チェックミスなどの後悔などを防ぐために使われており、自動売買によって効率をあげることができる。

トレトレFXでは、FX取引を低リスクで売買するアプリで、9月にリリースした。6箇所の情報を入力するだけで簡単に管理ができ、自動設定をおこなうことで、FXの取引市場の滞在時間を図り、ITを利用し市場全体の活性化を図っている。

探すから探される人へ。就活の新しい形を模索する「OfferBox」

12月1日は、就活活動がスタートする日。そうした中、現在では14万人以上が内定未定、また20万人3年以内に退職するなど就職の状況は変化している。そうした問題はなぜ起きるのか。それは学生や企業、大学の問題だけでなく、双方向のコミュニケーションにやりとりに問題があるのではということから新しい就職の形としてOfferBoxを開始した。

6月にリリースしてから3ヶ月で学生1500人以上の登録があり、大手企業にも導入されている。大きく注目されているポイントとして、これまでの就職モデルと3つの大きな違いがあると株式会社i-plug(アイプラグ)の中野智哉氏は語る。

これまでは、学生によるエントリー型モデルだったが、オファーボックスはそうではなく企業からオファー型をとっている。また、企業は広告掲載課金型から成功報酬型への課金システムを採用しており、企業の就活コストを抑えることができる。また、サービスのインターフェイスの改善によって、従来のような履歴書のインターフェイスから、画像や動画でアピールすることで、個人の魅力の発信をおこなうことができ、その人の人となりがわかるような情報のデザインを採用している。

企業は学生の個人ページを訪れ、個人の特技や更新情報を読み取りオファーをする。学生は自分がどれだけ検索されたかといった情報を管理でき、学生と企業双方にとっても効率よくマッチングがおこなえる。また、2013月3月にはグローバル人材の育成と採用はかるオファーボックスグローバルも予定している。

雨が降る日を教えてくれて、エコにも貢献する「あめふる」


あめふる」は、雨の日だけをお知らせするiPhoneアプリだ。雨が降るかふらないか、天気予報の一番の肝であり、そこにフォーカスしたアプリで、機能も単機能でインターフェイスもシンプルにこだわっている。

アプリをダウンロードし、起動した時に場所と通知が欲しい時間を設定するだけで完了だ。これで、設定した時間に雨が降るときだけ通知音が流れる。通知音もiPhoneの着信音ではなく、軽快な音楽が流れることで雨の日を少しでも楽しくする工夫がこらされている。

開発者のWebディレクターの石田幸子氏は、一番のコンセプトを「エコ」としている。毎年日本では1億3000万本(推定)以上もの傘が消費されている。その9割近くがビニール傘であり、そのほとんどがゴミになる状況をなんとかしたいと思ったのがきっかけだと言う。すでに「あめふる」は16500以上ものダウンロードがされており、あめふるを使えば、無駄なく傘を持ち歩け、ふいな雨に出会うこともなく、そして傘のゴミも減らせるのではと語った。

たった5分で原稿を出版物にー全自動出版サービス「MYISBN」

現在出版されている書籍はISBNという世界共通で図書を特定するために管理する番号がふられている。逆にいえば、ISBNがないと図書としての認定がされず、現在では、電子書籍では番号の付与がされていない状況だ。つまり、ISBNは、現物としての書籍の流通にも関わる問題を抱えている。

そうした中、「MYISBN」はウェブサービスによって、原稿をアップロードするだけでISBNは、を取得することができるサービスだ。これまで出版社がにぎっていたISBN番号の付与を、自動でおこなうサービスとも言える。

通常の出版では、印刷とセットでISBNを取得しなければいけず、書籍としての認識をもって流通させるためには、印刷コストや配送、流通コストがかかっており、リトルプレスのような形でしかできなかった。しかし「MYISBN」では、Amazonのプリント・オン・デマンドを利用して原稿をアップロードして印刷をおこなう。また注文が入ったところから印刷し配送をおこなうため、原稿の入稿から販売まで短時間でおこなうことができる。

これよって、いままで書籍として手に取ることができる図書に対する制限が多かったが、今後はデータをわたすだけで正式な書籍の発行が可能となる。デザインエッグの佐田幸宏氏は、世界初のサービスとして、自身をもってリリースしていきたいと語った。

現在、ティザーサイトが公開されており、2013年1月に正式リリースを行う予定だ。詳細などは、追ってまた取材する予定だ。

2択を選んでグルメランキング「ウマ×ウマ」

ウマ×ウマは、2択で作るみんなのグルメランキングだ。11月上旬におこなわれたStartup Weekend Osakaの優勝チームでもある。

いままで、グルメの評価などは評価に対するパラメータが多く、ユーザの評価としての軸が迷うとこも多く、食系のランキングの評価の難しさから、それらを簡便にしようというのがサービスのきっかけだ。

そんため機能は行ったことがあるお店などを選択し、その選択した中から2択で選び、そこによってユーザの声を反応させるランキングをつくる仕組みになっている。イベントやメディアと提携しランキングを作成し、アプリを使ってランキングのデータをリアルタイムでユーザから情報を取得する。

使い方は、例えばラーメン激戦区ランキングであれば、QRをコードからスマホでデータを読み取り、行ったことがあるお店を選ぶだけで、2択画面に移行する。シンプルなUIによって、ユーザの生の声を拾うことができる。リアルタイムでの情報収集でもあるため、イベント主催者などへの適切な連絡もおこなえる。

現在、事前登録をおこなっており、グルメランキングを企画している書くメディアやイベント主催からの登録をおこなってもらいとのことだ。

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