2012年、アジアでスタートアップアクセラレータが増加するも、資金調達は追いつかず

Tech in Asia by Tech in Asia on 2013.1.28

【原文】

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アジアでスタートアップを立ち上げることは以前よりも容易になっている。高い志を持った起業家たちが次のビッグアイデアを探す際になんらかの支援を提供するスタートアップアクセラレータが地域全体で増えてきているからだ。

2012年だけで、少なくともスタートアップアクセラレータ4社が新たな起業家トレーニングプログラムを開始した。シンガポールで1月から5月に開催されたJFDI.Asiaは成功を収め、韓国のSparkLabsは8月、彼らが扱う最初のスタートアップ各社を明らかにした。フィリピンのLaunchgarage、香港のAcceleratorHKもそれぞれのプログラムをスタートした。

スタートアップアクセラレータは、基本的にスタートアップにシード資金(sgeの記事stages of a startupを参照)を提供する手段である。それと同時に組織化されたメンタープログラムと、一定期間、たいていの場合、3ヶ月から1年のサポートを提供する。出資を受ける側は殆どの場合、厳格な選別プロセスを通り抜けなくてはならない。

通常、アクセラレータは選ばれたスタートアップに対して5から6桁の少額を投資して、そのかわりにスタートアップの株式からわずかに1桁の割合を得る。プログラムが終了すると、アクセラレータはデモデイを開催し、そこにベンチャーキャピタリストやアーリーステージファンドを招き、今後の資金がプログラム卒業生たちにもたらされるよう彼らにスカウトしてもらうのである。

このコンセプトの先駆者は、2005年にPaul Graham氏によって設立されたY Combinatorだ。それ以降、アクセラレータはヨーロッパで立ち上げられ、2010年代には東へとやってきた。下のタイムラインは、世界中に広がるスタートアップアクセラレータを、アジアに重点を置いてチャートにしたものだ。

これら新たなスタートアップアクセラレータが登場していることは今、アジアで高い志を持った起業家にとって良いニュースである。これらはアーリーステージに投資するファンド、コワーキングスペース政府によるサポート、ニッチなオンラインメディアやスタートアップインキュベータによって成り立つスタートアップエコシステムの一部だ。

だが、この勢いを維持することが挑戦となる。収益の面から考えると、投資利益を通して主に利益を上げるという点で、スタートアップアクセラレーターはベンチャーキャピタル会社のように機能する。もし失敗すると、資金は枯渇し、信頼を失い、経営の見込みを断念することになる。

したがって、スタートアップアクセラレータの成功は投資先のスタートアップがどれほどうまく評価を高めるかにかかっている。スタートアップ企業が成長し、高い評価を得てベンチャー資金を調達し、最終的にIPOあるいは買収までたどりつけば成功、というわけだ。

けれどもここに問題がある。中国とインドを別にすると、アジアのベンチャーキャピタル業界は不振だ。Asian Venture Capital Journalによると、アジアのベンチャーキャピタル市場においてなされた投資のうち、東南アジアが占める割合はたったの4%だ。そしてこの割合は2012年9月までにこの割合はさらに1%、米ドルにして780万米ドルにまで下がっている。中華圏と南アジアは2011年、合計で74%のシェアを占め、北アジアは19%となっている。

AVCJの数字を額面通りにとると、アジアのベンチャーキャピタル市場は約780万米ドルと推定できる。2011年には326億米ドルを記録したアメリカの1年間の投資規模と比べるとわずかな額だ。

アーリーステージの資金調達とベンチャー資金調達の間に大きな差が存在するため、有望なアジアのスタートアップ各社はシリーズA資金調達の際、壁に直面している。アジアのベンチャーキャピタリストはより遅い段階の投資を好むことも問題となる。選択肢に欠け、アジアの有望なスタートアップは利益を上げ成功するには険しい道を行かなくてはいけない。

もちろん、地域内の小規模なベンチャーキャピタル業界にとって、スタートアップアクセラレータが最終的に成功したことが打撃となり得るだろう。最悪のシナリオは、アクセラレータプログラムから出現した新しいスタートアップはベンチャーキャピタル業界の成長とマッチせず、ちょうど今シリコンバレーで予測されているシリーズA危機がここにも訪れるということだ。

しかし、別の道についても考えられる。スタートアップアクセラレータはこの地域でもっと多くのベンチャーキャピタリストを惹きつけるきっかけともなり得るだろう。結局のところ、どんなスタートアップエコシステムであろうとも、起業家が主演を務めるのだ。残りの人々、つまり投資家や弁護士、そしてメディアはサポートの役割を演じる。投資家たちは単純に、チャンスがあればそこへ向かう。そしてアクセラレータはスタートアップを保護下において磨きをかけ、その魅力を十分に引き出すことができる。

最終的には、単なる利益を生み出す機械ではなく、発展を続けるスタートアップエコシステムそれぞれにおいてコミュニティを築き上げるようなアジアのスタートアップアクセラレータが登場する必要がある。結局のところ、アクセラレータはこのようなアーリーステージの企業に投資することで、ベンチャーキャピタルよりも多くのリスクを吸収しているということができる。

相当量の運とちょっとしたアイデアがあれば、彼らは成功するだろう。

【via SGE.io】 @SGEio

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