翻訳スタートアップのConyacが企業向けサービスを追加、サンフランシスコにオフィスを設置へ

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2013.2.18

【原文】

Conyac は東京ベースのスタートアップで、クラウドソースの力により料金の安い翻訳サービスを提供している。最近、Conyac for Business という新たなサービスを立ち上げ、サンフランシスコに初の海外ビジネス展開を発表した。

このニュースと関連して、サンフランシスコでの国際マーケティング展開の強化のため、Una Aruna Softic がチームに加わることが明らかになった。彼女は以前、昨年の9月にサービスを終了したソーシャル・メディア・アグリゲーションの EverConnect.me で働いていた。

Conyac CEO 山田尚貴氏と Una Softic はインタビューで、今後 Conyac がどのようにしてビジネスを拡大するかについて重要な展望を語ってくれた。

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Conyac CEO 山田尚貴氏(右)と Una Softic 女史(左)

最近、新しいサービスを立ち上げられました。そのきっかけは何ですか。

最近、Conyac for Business というサービスを立ち上げました。ビジネス翻訳のニーズに特化したサービスです。我々は2009年5月、個人ユーザに言語障壁を良心的な価格で取り払えるようにすることを目的として、サービスをスタートしました。現在は企業ユーザからも多くの翻訳依頼を受けるようになったので、そのようなニーズに応えるべく新サービスをスタートさせました。

既存のサービスとの違いは何ですか。

既存の(通常)サービスは、海外のEコマースサービスの販売担当者に連絡をとるなど、カジュアルなコミュニケーション目的にサービスを提供しています。我々の(クラウドソースされた)翻訳者に短時間で翻訳を完了してもらえるよう、翻訳依頼一単位あたりの最大文字数は720字までに制限しています。しかし、ビジネスサービスでは、この制限が5万字まで拡大され、翻訳依頼に際して、文章を複数のブロックに分ける必要がありません。ビジネス文書の翻訳ニーズに対応することができます。もちろん、企業ユーザが翻訳品質に満足してもらえるよう、ビジネスニーズにあったスキルの高い翻訳者を選ぶ審査基準も新たに設けました。

ビジネスサービスでは、翻訳依頼文書をテキストのみならず、Microsoft Word、Microsoft Powerpoint、Keynote など、異なるビジネス文書ファイル形式でも受け付けることができます。翻訳結果を元文書に貼り直す必要もなくなるので、この機能は企業ユーザにとって大変便利です。

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なぜ、今なのでしょうか。

ソーシャル・ゲーム業界の背景に、多くの業務ニーズが生まれていることに気づいたのです。ソーシャル・ゲーム開発者は国際展開を強化していますが、彼らの新アプリや更新版のリリース周期は非常に短いので、アプリを他国語にローカライズする上で、翻訳ニーズは巨大です。我々は Conyac が彼らに貢献できると考え、ソーシャル・ゲーム業界の企業ユーザを増やすべく、営業人員も増員しました。

最近の株主の異動も、その新しいビジネス戦略と何か関係がありますか。

はい。今まで、Conyac はサムライ・インキュベイトUnited(前 ngi group)、スカイライト・コンサルティングから約4千万円(43.1万ドル)を調達してきました。最初の投資家であったサムライ・インキュベート保有株式の多くがエンジェル投資家の佐俣アンリ氏に譲渡されました。佐俣氏は我々の潜在顧客に多くのコネクションを持ち、我々のビジネスを支援してくれるからです。

サンフランシスコに新オフィスを設置されるそうですが、目的は何ですか。

はい。私の新しい同僚である Una がそれを担当しますが、我々はサンフランシスコのコワーキング・スペースに新オフィス(またはデスク)を設置する予定です。どのコワーキング・スペースに設置するか、いつ設置するかはまだ決めていません。基本的には、新オフィスの主目的は、マーケティングの強化と世界のスタートアップ・コミュニティにおける存在感の強化です。新オフィスを通じて、翻訳ニーズのある西海岸の顧客を獲得することも期待しています。

サンフランシスコ進出後、他にも海外オフィスの設置予定はありますか。

はい。我々はグローバル展開を積極的に考えており、多くの日本やアジアのゲーム/テック・スタートアップがオフィスを置くシンガポールに、新しいオフィスを設置する可能性を模索しています。


Conyac の競争相手としては、500Startups が支援する Gengo がビジネス翻訳ニーズに適合した、置くのツールやインターフェースを提供しており、先行していると考えられている。アジア地域には、翻訳ソリューションに特化したスタートアップとして、OneSkyTranslation Market(いずれも香港)などがある。

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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