DeployGateは、Androidアプリ開発のスタンダード・ツールになれるか

Rick Martin by Rick Martin on 2013.3.4

 【原文】

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左から:イマイ・ケンタ氏、藤﨑友樹氏、井上恭輔氏

日本のソーシャル・ネットワーク Mixi(東証:2121)は国外にはあまり進出しておらず、グローバル・ユーザを追いかけようと努力するイノベーション・チームが生み出した、比較的最近のプロジェクトのプレビューを見て、大変興味がそそられた。DeployGate は初版が昨年ローンチされ、SDK を使わず、開発段階で Android アプリのテスト版を容易に配信できるしくみだ。同サービスは今日、これまでの開発者にのみフォーカスされたものから、よりユーザに重点を置いたものにアップデートされた。依然、開発段階のニーズに特化しているが、今回の方針転換を受けて、DeployGate は TestFlight の領域に入って行くことを意味する。

DeployGate は、Mixi 社内の開発者が自分たちの不便を解消する術として開発された。Mixi は Android クライアントの開発にあたり、しばしば問題に遭遇することが多くなり、テストユーザにアプリを容易に導入できる方法が必要があると考えた。その解決策として生まれたのが DeployGate であり、Mixi の開発チームからスピンオフしたイノベーション・チームが一つのプロダクトとしてリリースすることになった。

01_distribution_page_en-268x300開発者にとって、使い方は極めてシンプルだ。アプリをアップロードし、個別の導入ページ(または配信パネル)を作成し、電子メール等で対象者に対して配信を繰り返すことができる。必要であれば、パスワード保護も可能だ。配信可能な人数は料金プランによって異なる。ネット経由で導入がなされた後、開発者はウェブ・ダッシュボード(下図参照)から、エラーやクラッシュレポートをモニター、アプリの更新、遠隔デバッグ、利用権限の停止が可能だ。

異なるグループに対して、異なるバージョンのアプリを配信できるようになり、新しい DeployGate は以前よりも少しABテストをやりやすくなった。

新しい DeployGate は多くの新機能が備わっており、特筆すべきは新しい料金プランにより、より多くの人に配信できるようになったことだろう。料金プランは以下の通りで、新版はフリーミアム版の次に用意されている。有料プランもさほど高くない。

Free Lite Pro Biz
アプリの数 4 10 50 100
開発者、コラボレータの人数 2 5 25 100
バージョン履歴 5 15 100 1000
配信対象デバイス数 20 100 3,000 30,000
月額(円)[1] 0 525 3,650 9,975

今回の新版では、開発者やマーケッターに無料プランを使ってもらい、より多くのことがやりたくなったら、有料プランへ移行してもらう、というのが狙いだ。現在のところ、Mixi のイノベーション・チームはマーケティングに Google Adwords を使っており、より多くの人々に使ってもらえるよう強力に宣伝を展開している。しかし、個人開発者にとって、DeployGate のメリットは明らかだろう。

チームは DeployGate に高い希望を持っており、Android アプリ開発のデファクト・ソリューションになりたいと考えている。道のりは長いだろうが、既に有名なクライアントを抱えているようだ。今のところ、DeployGate を使っている著名な企業は、Baidu Japan(百度)、カヤック、Zaim [2]Tokyo Otaku Mode だ。既に、現在のしくみを維持できる十分な有料ユーザが居るとのことで、これは確かに有望だ。

現在、DeployGate は90カ国にユーザが居て、3,400件の Android アプリを配信している。驚くべきことに、DeployGate の顧客は Mixi 関連のいかなるサービスよりもグローバルになっており、英語での利用が76%、日本語での利用が24%だ。

イノベーション・チームがもたらしたこのサービスが、Mixi をここ数年の停滞から抜け出させる起爆剤になるだろうか。DeployGate に加え、最近ローンチした「ノハナ」というカメラアプリも興味深い。

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  1. ドル建てでは、8ドル、45ドル、120ドルとなる。 ↩
  2. Zaim は日本製の個人向け会計アプリ。個人的に大変好きだ。近いうちに詳細をお伝えしたい。↩

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Rick Martin

Rick Martin

東京在住。日本、中国、アジアのテクノロジーについて、Tech in Asia、Japan TImes などの出版物に寄稿。彼のウェブサイト 1Rick.com も要チェック。

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