2013.3.6

【ゲスト寄稿】グロースハックの4つの事例とその考え方と実際に試してみたメアド獲得の方法

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kinjoこの記事をゲスト寄稿してくれたのは、世の中にインパクトを与えるサービスを作ろうと現在起業のための仲間探し中の金城辰一郎さん。前職までの経験を活かしてスタートアップのマーケティング、ディレクションをする他、NHK番組のWEB周りをサポート。CONECT&CHANGEソーシャルメディアポータルサイトRexで執筆を行い、セミナーで講師などをしている。


先日、MakeLeaps(クラウドで請求書を管理するサービス)の代表Jason Winder による『Growth Hackingを実践してユーザーを獲得しよう!』というテーマのワークショップに参加してきました。スタートアップに関わる方々30名ほどが集まっており、参加者の方々の真剣な姿勢から熱気が伝わってくるワークショップでした。

このセミナーはJasonの実体験に基づいた、最近よく話題にされるグロースハックに関するものだったからでしょう。彼が創業者でもあるMakeLeapsのユーザー数増加を以下のグラフでご覧いただければわかる通り、約1年で爆発的に利用者を伸ばし、成長曲線に入っています。

makeleaps

今や6,000以上のフリーランサーや企業と取引のあるこのMakeLeaps。今回のワークショップでは、利用者を増やしていた施策について赤裸々に話してくれました。話されたことの中から、特に効果が高そうだなと感じたものは、基本的ではありますがターゲットとなる人々に愛されるコンテンツを作ること。

MakeLeapsではサイトの参考資料のページにこれまで作ったコンテンツを掲載しています。その中でも、「しょぼいプレゼンをパワポのせいにするな!」「これが欲しかった!都内すべてのコワーキングスペース一覧」こちらの2つからは物凄い数の流入があったと言います。後者はもはや一つのサイトともいえるボリュームですよね。

またもう一つの効果的だったという施策はFacebookページの活用だそう。特にエクセルとMakeLeapsを対比した投稿は評判がよく、ここからも多くの流入、ユーザーを獲得してるとのことです。

と、Jasonの講座内容の紹介はここまでにして、今回はこのようにMakeLeapsも積極的に実践しているグロースハックの具体的なTips例についてご紹介していきたいと思います。ご存じない方のためにグロースハックについて簡単に説明すると要は「お金をかけないで、効率的に顧客を獲得していくこと」といえるかと思います。色々な認識があるかと思いますが僕はそう捉えています。

僕も今、スタートアップに関わっておりこのグロースハック的な仕組みを取り入れようと色々と事例をチェックしているので、以下にいくつか面白いと思ったものを紹介します。

・グルーポンのランディングページ

A/Bテストの結果、フッターに設置するメニューリンクが無い方が獲得率が高いのことがわかったそうです。しかしSEO的にはフッターがあったほうが検索したとき上位に表示されますよね。そのため、グルーポンはソーシャル専用のランディングページを設けソーシャルメディアにリンクを流す時はそこにリダイレクトするようにしたとのことです。

・ウォールストリートジャーナルのFREEWiFi

wall street

これは面白いですね。NYの中でも人々が多く集まる場所(タイムズスクエア、ユニオンスクエア、SoHoなどなど)にウォールストリートジャーナルはFREEWifiを設置したそうです。もちろん無料でWiFiを提供して終わりではなく、アクセスしたらWiFiを使用するための名前、Eメール、パスワード、職業の入力を求められます。それは以下の写真のように人々の注目を最も集めやすい人の顔を載せたランディングページと共にです。

ここでどのデバイスでもウォールストリートジャーナルを閲覧できるよ、というメッセージを強く植え付けているわけですね。そしてその後送付される職業に最適化された記事と、名前を挿入したメールには4週間の無料購読特典が付いてきます。もちろんここにも人の顔を採用した写真が使われており、メールを受け取った人々に強い印象を与えるとのこと。WiFiの提供をユーザー獲得する手段に使うとは面白いですよね。(人は人に注目する、というのも覚えておくべきです。)

wall street photo

・Quoraでコンテンツを読む際はサインアップを強要される

quora

専門性の高い人々に質問できるサイトQuoraの事例ですが、ここはグロースハックのお手本とも呼べるサイトですよね。(他に多数の有名な事例があります。)非ユーザーによるサイトのコンテンツ閲覧時にサインアップを求めるのは今や多くのサービスで当たり前のものになっていると言えるでしょう。

このQuoraの事例でわかりやすい流れがあるので簡単に説明します。

      1.ソーシャル上で友人がQuoraからポストした質問をみる
      2.友人のリンクをクリックしてサイトへ飛ぶ
      3.サインアップを強要されアカウントを作成する
      4.それっきりQuoraを利用しなくって数日後、Quoraから注目のQ&Aリストがメールで届きサイトへ行く
      5.着地先には他にも関連性のある質問が並んでいる
      6.興味のある質問をソーシャルへシェアする→1に戻る。

1〜6が順番に回っています。面白いですよね。

・Pathは友人が自分に対して行ったアクションの履歴をすぐにみれるようにしたことでアクティブ率が10倍になった。

path

人は他人に認められたいもの、それをダイレクトに可視化させてあげることでリテンションが高まったといいます。他にもAirbnbのCraigslistとの連携(ホストとして部屋を登録するとボタン一つでクレイグスリストに登録できる)やDropboxの追加容量をGETできる友人招待の仕組みなど有名な事例は色々とありますがなるほど、と思うのを今回は抽出して挙げてみました。

そして以下はこういったグロースハックを行う上での重要な考え方です。

・AARRRのファネルが激減しているところにフォーカスすべき

これは前に書いた以下の記事で説明した部分です。本当にこれが基本の部分だと思うのでぜひご覧ください。(参考記事:サービスを成功に導く成長エンジンとそのKPIを向上させるファネルという考え方

・人々はどこから流入しているのか全てのリンクにタグを張って計測せよ。

bit.lyの活用はもはや基本中の基本ですよね。

・ランディングページはテストしまくれ。

今はunbounceoptimizelyなどの便利なツールがありますので、こういったエンジニアの協力が必要な施策を行うのも随分楽になってきました。

・ソーシャルメディア経由からのランディングページを最適化せよ。

つまりユーザーごとにサイトに訪れる文脈が違うわけでそれぞれに対して最適化しましょうということですね。モバイル対応は当たり前として少し面倒くさいかもしれませんがサーチ、twitter、facebookくらいはランディングページを変えたほうがいいかもしれませんね。

・ユーザーに戻ってきてもらうのにEメールは基本

ステップメールという手法はすごい効果的ですよ。売れるネット広告社がこのやり方については一流だと思いますがこのノウハウは抑えたいところですね。これはMixpanelCustomer.ioなんかで対応できるかと思います。

・ユーザーアクション後はソーシャルメディアへ流す仕組みを

これも基本でしょう。特にユーザーにコンテンツを作ってもらう必要があるサービスの場合は他プラットフォームに流せる仕組みは設けておくべきでしょうね。先に紹介したQuoraみたいに。

ちなみに僕が今関わっているポケットコンシェルジュでも見込み顧客のメールアドレス獲得という面において色々と実験をしたのですが、1番効果が高かったのはFacebookページのPromoted Post(投稿の宣伝)です。獲得が見込めうるブログのFacebookへの投稿を既存のファンとその友人に向けてリーチさせるために広告を打ったのですが、そうするとブログの「いいね!」がドカッと増えます。(Facebookに投稿するブログ記事の選定はもともと評判が高かったものでもいいですね。)

約1,500人にリーチし、そこから1割程度はブログに訪れそこから約5割はいいね!を押してくれました。つまり75人ほどですね。そして今回の目的は「メアドの獲得」だったので僕が行ったことはブログの冒頭に「招待登録をする」というボタンを設けたこと。そこからメアド登録ページへの流入(メアド登録)が伸びてCPAは100¥を下回ることができたのと同時にいいね!による拡散(認知)も広がったので比較的効果的だったのではないかと思っています。(もちろん最後にもボタンは設けましたが、上の方がCTRは良かったです。)

pocket button

予算は多少必要になってきますがFacebook広告を活用し、チューニングとよいコンテンツを作っていけばもっともっと効率的にユーザー獲得ができると思います。リスティング広告と共に最適化していけば絶対に効果は上がりますよね。(レストラン名+予約+場所のニッチキーワードで試してみます。)

以上、少し長くなってしまいましたがMakeLeapsのグロースハックの話に始まり、具体的な実践例、考え方、そして実際に行ったメアド獲得の方法についてまとめてみました。

どう既存のツールを”ハック”すれば、効率よく目的を達成できるか、それを考えるのはすごい面白いですが、実感しているのがやはりコーディングの力は多少必要だということですね。「グロースハッカーはマーケターとプログラマーのハイブリッドモデルだ」と言われたりもしますが、まさしくその通りだと思います。こちらのブログも参考になりますので、ご興味ある方はぜひ。

(via CONNECT&CHANGE)

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THE BRIDGE編集部

THE BRIDGE編集部

「The Bridge」はアジア圏の起業家と投資家をつなぐプラットフォームです。スタートアップに関するニュースサイトとデータベースを融合して、Bridgeスコアによってスタートアップへの注目度を数値化します。 http://thebridge.jp

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