ファッションテイストメーカーのクロゼットの中身が買い物できる「Material Wrld」が正式ローンチ

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昨年秋にベータ版としてローンチした「Material Wrld」が、ついに正式にローンチした。NYを拠点とする同サービスは、ファッションのテイストメーカーのクロゼットを売り買いできるオンラインコミュニティ。ニューヨークのおしゃれのトレンドの先端に立つ女性たちのクロゼットを買い物できる。ベータ期間中の訪問者数は10万人、厳選して登録されたクロゼット数は300にも上る。ファウンダーはハーバードのビジネススクールで出会った女性2人で、その1人は日本人の矢野莉恵(@rieglobe)さんだ。

eBayのファッション版ともいえる「Poshmark」など二次流通のマーケットプレイスは他にもあるが、Material Wrldがこだわるのは厳選されたテイストメーカーと、扱うアイテムのブランドや質だ。Poshmarkのようなサイトで販売されるアイテムはいわゆるファストファッションで、その平均単価は20〜30ドルほどだという。一方、Material Wrldで販売されるアイテムの平均単価は100ドルくらい。また正式ローンチに際しても、ニューヨークで最も人気な女性DJのクロゼットを紹介する企画を実施するなど、テイストメーカーへのこだわりが垣間みられる。

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また、スタイルグループなど新たな機能も加わった。ユーザが、より自分好みのファッションアイテムに出会えるよう、現在地やテイストなどをベースにmeetup.comのようなグループを作成して情報交換ができる。ファッションブロガー、ファッション業界などのグループが存在し、グループへの参加には条件があるものの、誰でもフォローすることはできる。また、自分がフォローしているクロゼットやグループからの通知をリアルタイムに取得できるようになった。お目当てのクロゼットにアイテムが追加されるといち早く知ることができる。またルーレットでクロゼットをディスカバーできるといったちょっとした遊び心のある機能も加えられた。

セラー(売り手)のために追加されたのは、購入者からのレビュー評価やメッセージ機能、また妥当な価格を提示してくれるプライシング・データベースだ。ブランドやアイテムカテゴリーなどに応じて、適切な価格を教えてくれる。現在はウェブからアグリゲートされたデータがもとになっているが、今後はMaterial Wrldの販売情報が反映され洗練されていく。さらに、Material Wrldは実際に販売するアイテムだけでなく、持ち物のショーケースとしても使える。クロゼットのアイテムを登録しておけば、売れると思っていなかったものを欲しがるユーザが出てくるかもしれない。

同スタートアップは昨年12月に、Great Oaks VCやSunBridge Startupsなどから780,000ドルの資金調達を行った。サイトの収益は手数料として徴収する取引額の15%だが、今後はユーザ獲得およびモバイルアプリの開発に注力していく。また、現在はニューヨークを拠点に展開するMaterial Wrldだが、立ち上げ当初からグローバル市場にも目を向けている。既に米国外からのトラフィックが30%を占めているという。日本でもMaterial Wrldを楽しめる日はそう遠くないかもしれない。

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