1日に1,300万ページビューを生み出す東南アジア最大のブロガーネットワーク「Nuffnang」設立者のストーリー

Willis Wee by Willis Wee on 2013.3.6

【原文】

nuffnang

東南アジアのほとんどのブロガーはNuffnangを既に使っているか、その名前を耳にしたことがあるだろう。現在まで、おそらく東南アジア最大のブログ広告ネットワークであり、一日あたり、なんと1,300万ページビューを誇る。

Nuffnangの創立エピソードは、時間をとって同サービスの共同設立者Timothy Tiah氏から詳しく聞いた興味深いものだ。話は2006年から始まる。当時、Tiah氏と仲間の共同設立者Cheo Ming Shen氏はイギリスで勉強をしていた。

2人はPussyCat Dollsのコンサートで友達になった(そう、あのPussyCat Dollsだ)。だが、2人が起業や一緒に働く可能性を話し合ったのは、2人の女性が同伴していたグループデートを通じてだった。彼らは、その2人の女性の電話番号も聞かず、すぐに意気投合してビジネスのアイデアを語り合いながら情報交換をした。

最初は東南アジアでAmazonのようなサービスを立ち上げようと考えたが、eコマース事業には多額の資金が必要だということが分かっていたので、すぐにeコマース事業に飛びつくことはしなかった。そのかわり、運営するには比較的に資金のかからないブログ広告ネットワークを構築することを考えた。

2人のアイデアは、世の中にいる大勢のブロガーを通じてマネタイズをすることだった。同時に、彼らはこの事業を始めるために65,000シンガポールドルを工面した。気になっている人のために説明すると、同サービスの名前「Nuffnang」はジャファイカン語で「本当にいい」という意味だ。このジャファイカン語はジャマイカ語と西アフリカ語の言葉と発音が合わさった方言で、ロンドンに住む移民の間で使われることがある。

Nuffnangのローンチ

Nuffnangは2007年2月に正式にローンチしたが、この時に同プラットフォームを利用するブロガーはわずか20人だった。「当初は、ブロガーを集めるのが大変だった。なかにはNuffnangを信じないで鼻であしらう人もいた」とTiah氏は語る。

同氏が、初期のNuffnangブロガーの1人として思い出すのは、有名なシンガポール人ブロガーのXiaxueだ。共同設立者のShen氏が2007年にXiaxueとランチミーティングをした。最初、彼女はNuffnangのアイデアに完全に納得したというわけでもなかったが、彼女はランチ代を支払い、Shen氏の支援にまわった。そして最終的に、彼女はNuffnangにサインアップした。Shen氏は彼女には本当にありがたく感じたと語り、彼女の支援が同サービスに大きな影響を与えたことを認めている。その影響は今も感じられる。

その後まもなくの成長ぶりは目まぐるしかった。3日のうちに300人のブロガーがNuffnangネットワークに登録した。30日後には3,000人に増えた。最初に広告サービスを利用したのは、マレーシアで人気のウェブホスティング&ドメイン企業Exabytesで、1つの広告キャンペーンに3,000リンギット(970米ドル)を費やした。その後、SingTel、Nike、Honda、P&G、Nokiaなどさらに多くのブランドがNuffnangで広告キャンペーンを行った。Tiah氏は、当時、自分たちがインサーションオーダー(IO、広告掲載申し込み)が何なのかさえも知らなかったと語り、以下のように述べた。

「私たちには媒体購入ビジネスの知識が全くありませんでした。ですが、ありがたいことに、クライアントが私たちに色々と教えてくれ、助けてきてくれました。」

出資や買収の話を断る

最初の成功は、人気ブロガーのDawn Yang、Cheeserland、Cowboy Caleb、Kenny Siaなど、さらに多くのブロガーを同ネットワークに引き寄せた。事業開始後の最初の9か月間は、あまり給料を取らなかったとTiah氏は述べた。収益のほとんどは企業の成長を助けるために再投資され、それによって同サービスは最初の1年で収益をあげることができた。そして、投資家からすぐに声がかかり始めた。

2008年1月、時価総額150万ドルでNuffnangに出資したいというイギリス上場企業から大きなオファーがきた。それと同じ時期に、シンガポールで人気のフォーラムサイトHardware Zoneを買収したSingapore Press Holdings(SPH)もNuffnangに関心を示した。

それによって、Tiah氏とShen氏は、SPHにはNuffnangと競争するための同様のプロダクトを簡単に開発することができると分かった。2人は少し不安を感じたが、その問題について決断することを先延ばしにした。両氏はある朝、目が覚めて、すべての出資および買収のオファーを断るという大胆な手段をとることを決め、自分たちの事業の構築に注力することを選んだ。Tiah氏は次のように語った。

「投資家とのやり取りや契約書の作成には多くの時間がかかると思ったのです。それは私たちが自分たちのプロダクトに集中することに使える時間です。私たちはすでに収益をあげていたので、出資を一切受けることなく成長することができるかもしれないと思いました。また、当時はNuffnangが小さくて小回りが利くということが、規模で欠けているものを補える有利な点だとも考えていました。」

出資オファーは止まらなかった。2009年、また別のメディア企業がNuffnangの買収に関心を示した。その企業は、15倍の株価収益率をもとに、Nuffnangの時価総額を700万ドルと見積もった。契約条件には、両氏が気に入らないような制約が含まれていた。この買収は合意に至らなかった。今も、彼らのところには投資家や買収企業からのオファーがくる。両氏は、真剣ではないオファーを振るい落とす方法として、Nuffnangのデータが見たい人には5,000ドルを請求している。

急速な成長

Nuffnangは急成長を続けている。2010年には、シンガポールのStraits Timesとのインタビューで、同サービスは年間収益で1,000万ドルをあげているとShen氏が明らかにした。現在、両氏はNuffnangの傘下で、ChurpChurp(ソーシャル・インフルエンサー・ネットワーク)、Jipaban(eコマースサイト)、Ripplewerkz(ウェブデザイン・スタジオ)、最近ローンチしたNuffnangX(マイクロブログリーダー)を運営している。

グループ全体では、マレーシア、シンガポール、中国、タイ、オーストラリア、フィリピンに160人以上のスタッフがいる。Nuffnangは、1日に1,300万ページビューを生み出す100万人のブロガーを抱えている。

Tiah氏とShen氏は今後数年のうちにIPO(新規株式公開)を目指している。Nuffnangのこれまでの道のりは長く、簡単ではなかった。Tiah氏に起業を芽吹かせるためのアドバイスを尋ねてみると、スタートアップを成長させる時、謙虚でいること、そして集中することが起業家として大切だと語った。それからもちろん、キャッシュフローをきちんと管理することも。

また、Shen氏が4月4~5日に開催される「Startup Asia Singapore 2013」でスピーチをしてくれることになったので、私たちはとても嬉しく思っている。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

Willis Wee

Willis Wee

ブログ「Tech in Asia」の創業者で、2005年から起業家。マリオット・バケーション・クラブ、ジェームズ・クック大学、リーチ・シンガポール(政府広報サイト)、ユニリーバなどのソーシャルメディア戦略に従事。

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