過熱する「第二のEC」戦争ーーStores.jpが公開6カ月で2万5000店舗を突破

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この勢いは本物かもしれない。ーーブログのようにECストアを公開できることで、従来型のモールやカートといったECビジネスとは全く違うスタイルを作り出した「第二のEC」が好調だ。

Stores.jpを運営するブラケットは3月8日、登録された店舗数がオープン後約6カ月で2万5000店舗を突破、月間ユーザー数が50万人に達したことを公表した。また、店舗での商品取り扱いアイテム点数は7万点、総額で8億円の規模になるという。

この記事にも書いたとおり単純な比較は難しいが、楽天などのECが4万店舗周辺であることを考えると、異常なスピードで店舗が生まれていることになる。ブラケット代表取締役CEOの光本勇介氏に話を聞いたが、この成長スピードはまだ加速度的に伸びているのだそうだ。ちなみに同じカテゴリのBASEは公開3カ月時点で1万5000店舗を獲得している。

ブログのように誰でもストアを作れる世界がやってきたら、個人に紐付くソーシャルメディアのアイコンのようにECカートへのリンクが貼られるようになる。光本氏が狙っているのは、ありふれた商店街の小さなお店がオンラインにやってこれるようにすることだ。

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私は前述の記事で、BASEは従来のカートではなく、Tumblrのようなものだと書いたことがある。光本氏に話を聞いたとき、一枚のプレゼンシートを見せてくれた。彼もまた同じように、ユーザーがページを作るようにショップを開けるように、というコンセプトを持っていた。

全ての人にページを提供するといえば、ドイツのスタートアップJimdoがある。先日世界でのユーザー、つまり開設されている個人のページが800万アカウントに達したことを発表している。マーケットは違うが、スケール感の参考になるかもしれない。

「個人が個人で稼ぐ世界がやってくる。ニッチでもいい、こういう新しい世界観やカルチャーを作るのが好きなんです」。光本氏はこれまでにも個人間カーシェアリングや靴をカスタマイズして注文できるECなど、新しい市場を作りだそうとチャレンジを続けてきた。

現在の有料アカウントが980円で、それなりに収益があがりつつある状況だという。まだしばらくは店舗を大きく伸ばす方向で運営を進め、店舗に向けての販売支援や導線づくりなどを検討中だという。

BASEといい、ECに対してトラフィックを流すあらたなニッチ・ソーシャルメディアの流れなど、人が物をオンラインで購入する流れは確実に新しい時代に入りつつある。この「第二のEC」の流れについては、また改めてその傾向などを整理してみたい。

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