社内SNS「Talknote」利用社数が5000社を突破ー直近2カ月で1400社を獲得した秘訣は「アナログ」

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社内SNS「Talknote」を運営するトークノートは3月27日、サービス利用社数が5000社を突破したことを発表した。2010年2月に公開されたTalknoteは2011年に企業向けコミュニケーションツールとしてリニューアル。2012年3月にはサイバーエージェント・ベンチャーズに対して第三者割当増資を実施している。

2012年1月に1000社への導入を達成して以来、順調に獲得社数を伸ばし、直近2カ月での獲得件数は1400件となっている。トークノート代表取締役の小池温男氏に話を聞くと、さらに導入社数は伸びており「もうじき月1000社ペースになる勢い」なのだという。

私が小池氏とTalknoteの原型に出会ったのは今からもう3年以上前になる。当初は閉じたユーザー間のグループチャットのような使い方が多かったようだが、2011年にエンタープライズへターゲットを絞ったことで現在の展開が生まれた。

そして、なにより今の成長の背景には小池氏の少し変わった経歴が影響している。彼は若くして数店舗の飲食店を経営した実業家でもあり、Talknote立ち上げ当初もアナログな現場ですぐに使える「ガラケー(※今でいうフィーチャーフォン)対応」を強く主張していたのをよく覚えている。

今回、導入している5000社の業種割合を聞いたのだが「ネットやIT系といった身近な業種は全体の20%ほど」で、従来からのアナログなFaxやケータイメールで社内コミュニケーションを取っていた飲食店などが導入先になっているのだそうだ。

ちなみに、Talk「ノート」の名前は、飲食店でスタッフや店長がその日のやりとりを連絡するための連絡帳が由来(確かそう記憶してる)だ。

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実際、導入のきっかけを小池氏に聞くと飲食店オーナーなどの知り合いからの口コミがほとんどで、評価のポイントも他社サービスよりも使い勝手がいいとかそういうことよりも、アナログなコミュニケーション方法からの脱却に大きな価値を見いだしていることの方が多いのだという。

私は実はTalknoteが変えようとしていることがなんなのか、しばらく理解できずにいた。初めて見たときはYammerのコピーと思ったし、女子高生の新しいグループチャットツールになるのかなと予想していた。しかし、どうやら私は機能や仕組みに目を奪われすぎていたように思う。

彼が挑戦しているのは革新的なシステムではなく、まだまだ非効率な手法でコミュニケーションを取っている「アナログな現場」の改革にある。これには相当に時間が必要だろう。

「世の中の多くの方は私たちからすると相当にアナログで、飲食店で働いているような方々はちょっとでも難しいと使ってくれないんです。そういう業界に10年いた経験がこのサービスには生きてるんです」。ーー小池氏に改めてTalknoteの強みを聞いたらこんな答えが返ってきた。

IT業界にいるとどうしても最先端のテクノロジーや事業モデルに目を奪われがちになる。しかし、それがほんの一部の出来事である、ということを再認識させられる一言だった。

Talknoteは年内に1万社への導入を目指すそうだ。ぜひアナログな業界を大きく変える姿をこれからも見せて欲しい。

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