クラウドファンディングプロジェクトを成功させるためのステップガイド10

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先日、HelpLearn Asiaイベントの最終日だった。筆者が関心を持ったトピックの1つは、アジアでは比較的新しいコンセプトであるクラウドファンディングだ。Newton Circus(シンガポールのホーカーセンターではない)のDaryl Arnold氏がそのコンセプトについて説明してくれた。

クラウドファンディングは資金を調達したいが、自分のアイデアに投資してくれるようお金持ちを説得しようとするのに辟易している人にとって朗報だ。代わりに一般大衆にお願いしてみよう。クラウドファンディングは資金調達に加えて、マーケティング目的にも役立つ。自分のアイデアを広め、そのコンセプトを試す方法となる。

では、Arnold氏の見解を含めて、クラウドファンディングキャンペーンを成功させるためのステップガイド10項目を以下に紹介しよう。10項目を紹介する前置きとしてステップ0も含めておく。

ステップ0:適切なプラットフォームを選ぶ

おそらく、最もよく知られているプラットフォームは、すべてのクラウドファンディングサイトの生みの親であるKickstarterだろう。残念ながら、同サイトはアメリカとイギリスの人にしか利用できない。Newton CircusのプロジェクトマネージャーLoring Harkness氏は、プロジェクトに基づいてプラットフォームを選ぶべきだと指摘している。

プラットフォームのなかには、クリエイティブなプロジェクトやスタートアップ、慈善事業など、それぞれに特化しているものがあるからだ。クラウドファンディングサイトのいくつかはグローバル展開をしているものもあれば、国内専用にサービスを提供しているものもある。Newton Circusは、次の3つの理由から、SliverlineプロジェクトのクラウドファンディングIndiegogoを選んだ。

      ・Newton Circusは、進行中のビジネスをローンチしようとしていた。(KickstarterやPozibleなどのサイトが支援するのは制作プロジェクトのみ)
      ・世界の人に呼びかけたかった。
      ・信頼のあるブランドと取り組みたかった(Indiegogoは最も古くて最大級のサービスの1つ)。

アジアのクラウドファンディングプラットフォームのリストはこちらを参照してほしい。活用するプラットフォームを選んだら、サインアップして、準備を整えよう。

ステップ1:ピッチを完璧にしよう

すべての営業ピッチにおいて重要なのは、独自のセールスポイントを明確に伝えること。人にお金を出してもらうよう説得するためのピッチをしていることを忘れないで。だから、どのくらいのお金が必要なのか(目標額)と、そのお金を何に使うのかを伝えよう。納得の行く報奨や特典を提供しよう。

それをパッケージにすれば、売り込むことができる。さらにいいのは、ビデオを使ってプロジェクトの背景を語ろう。というのも、最近では誰も長い文章は読まないだろうから。独創性を掻き立てよう。人間味のあるものにし、気持ちを伝えよう。ビデオを見た人にプロジェクトの意図をまるごと理解してもらえるよう働きかけよう。

ステップ2:サポーターを見つけよう

サポーターには大きく3つの種類がある —— メディア、ビジネスパートナー、そして友人だ。これらを活用し、リンクを広げることによって自身のクラウドファンディングキャンペーンの存在を知ってもらおう。もし、彼らに金銭的支援ができないなら、プロジェクトを支持してもらうよう説得しよう。

ステップ3:アウトリーチに優先順位をつける

関連性がある大きなリーチ力を持っているような影響ある人々を選んで、アウトリーチに優先順位をつけよう。今持っている関係に働きかけよう。6次の隔たりを活用すれば、影響力を持つ人に接触することも簡単だ。LinkedInも最初の取り組みをするには素晴らしいリソースとなる。

ステップ4:すべてのテンプレートを作ろう

アウトリーチのeメールから、ソーシャルメディア向けの投稿、お礼状、キャンペーンのアップデートなど、すべてのテンプレートを作ろう。つまり、前もって計画する必要があるということだ。どういう接点を持ちたいかを明確に知っておこう。

そして、テンプレートを作成しておけば、迅速かつ簡単に計画を実行できる。Arnold氏は、様々な人 ——友人やメディア、ビジネスパートナーなど—— を対象にしたアウトリーチ用のeメールを少なくとも10通り準備したという。彼らは「サンキュー」ビデオも早々に準備した。

ステップ5:eメール送信と投稿のスケジュールを立てよう

テンプレートの準備ができたら、eメールの送信日や投稿日をいつにするかを計画しよう。クラウドファンディングキャンペーンのローンチ当日には、キャンペーンがサイトに掲載されたので見てほしいということ、そして支援をお願いするというメッセージを送信することを忘れないように。

寄付をしてくれた人には、進捗状況や、一定の大きなレベルに達成したという経過(例えば「達成まであと40%です!」など)を伝えることも大切だ。利用できるツールを活用して、こういう作業を簡単にしよう。(Arnold氏は、同氏が選んだeメール送信のスケジュールツールとしてBoomerangを挙げた。)

ステップ6:ローンチパーティーを開こう

ただ飯・ただ飲みはみんな大好きだ。日時と、便利でアクセスしやすい場所を選び、友達を招待しよう。そして、自分のクラウドファンディングキャンペーンを手短に紹介し、友人にノートパソコンやスマートフォンもしくはタブレットを持ち出させて、それぞれのソーシャルネットワークでそのキャンペーンをシェアするよう呼びかけよう。これは、コンテンツの種まきをして支援してくれる人を集めるには素晴らしい方法だ。

キャンペーンがローンチしたら、止まることなく取り組み全力で進んでいこう。

ステップ7:ノンストップでアップデートをしよう

前述したように、フォロワーにプロジェクトの進捗状況をアップデートしつづけよう。

ステップ8:ノンストップでアウトリーチ活動をつづけよう

影響力ある人々に接触することを決してやめないで。

ステップ9:ノンストップでプロモーション活動を行おう

Arnold氏は、SilverlineのクラウドファンディングキャンペーンのURLがプリントされたTシャツを10枚ほど持っている。同氏は、名刺にもそのURLを印刷した。また、メールの送信者に同URLにアクセスしてキャンペーンをサポートしてもらおうと自動返信メールもプログラムした。臆面ないが、情報は流れる。

ステップ10:目標達成?本当の仕事はこれからだ

クラウドファンディングキャンペーンで獲得した資金をどう活用するかについては、その計画をすでに持っているはずだ。その資金を確保した今、プロジェクトを成功させる時がきた。

本当に重要なのは、計画を立てること、そして繰り返し支援を求めることを恐れないことだ。ちょっとばかり厚顔になっても何てことはない。頑張って!

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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