C2Cビジネスで勝ち抜く5つのヒントー月間7000万円流通させるチケットストリートの場合

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2013.4.11

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Photo by styeb

C2Cに関する話題が多い。本誌でも取り上げているBASEやStores.jpはニュースが絶えないし、スマホとフリマの組み合わせで成長するFrilの話もよく聞く。物販だけじゃなく、プライベートコーチのCyta.jpDATAに登録があったスカイプ英会話のマーケットプレースなんていうサービスもあった。

少し視点を変えると、Coineyは決済の敷居を下げてこういった細かい取引の活性化を狙っている。スマホや決済の変化がC2Cを活性化させているのだろう。

ーーここにひとつ、月間7000万円のチケットを個人間で流通させているサービスがある。チケットストリートだ。

元々個人のエンジニアが始めた小さなサービスを2011年8月に法人化。現在は会員数10万人、常時5000件のチケット出品を抱えるC2Cマーケットプレースに成長させた。2012年にインキュベイトファンド、2013年3月には三菱UFJキャピタルとみずほキャピタルに第三者割当増資を実施し、7500万円を調達している。

彼らがどうやって市場を発見し、ユーザーがどこに価値を見いだしているのか、チケットストリート代表取締役会長の西山圭氏にC2Cビジネスのヒントを聞いた。

溢れる個人間取引のニーズをキャッチせよ

個人間流通量で一番多いと感じるのはウェブサービスのコミュニティ。でもこれは完全に規約違反だしトラブルも多い。こういう潜在的なマーケットを見つけて「安心して取引ができる」サービスを提供するとチャンスが生まれる。

手元にあるコンサートチケットをどうにかしたいという需要は元々あって、それがオークションサイトやコミュニティでの個人間取引に繋がっていた経緯がある。これを顕在化させることができるかにかかっている。

市場規模に隠れる個人間取引の数字を把握する

日本での年間興行市場には約7000万枚のチケットが流通している。この内、二次流通として出回っているのが3%ほど。しかしある調査で、手元のチケットを売りに出したいという人は全体の6%ほどいることが分かった。つまり、この差分というのは完全な個人間取引で流通していることを意味している。

いわゆる「ダフ屋」行為というのもここに入ってくる。こういうグレーな個人間取引に正しい手数料と安心なプラットフォームを提供することができればしっかりとした流通を産むことができる。

プラットフォームが提供すべきは安心安全とルール

基本的に個人間の取引に仲介者は入らないのが原則だが、安心安全を付加価値にする場合、プラットフォーム側が少し間に入るだけでその価値が高まる。現在取引にはチケットストリートが間に入り、チケットが届かないという場合は私たちが預り金を戻すという方法を取っている。

郵送などの場合にもユーザー側に書留の番号を入力してもらって問い合わせ時にトラッキングできるようにしている。こういった追加サービスを入れると手数料が高くなるが、実際はこのサービスがある方が売れている。ユーザーが「確実な安心」を買っている証拠でもある。

市場の変化を分析せよ

2000年代の前半、コンサート興行というのは赤字でもよかった。なぜならCDを販売するための販売促進だったから。しかしここ5年でそれが大きく変わった。

今は着うたも売れない状況で、この興行そのものがビジネス化した。例えばレディーガガのショーアップはイベントももちろん、終わった後の映像を有料チャンネルで販売してビジネスを加速させている。興行チケットが伸びる要素でもある。こういった市場の変化は見逃してはいけない。

二次流通が広げる世界を訴える

C2Cを正しくビジネス化した二次流通というのはややもすれば亜流にみられることがある。北米ではeBay傘下のStubHubでのチケット購入はしっかりとした選択肢のひとつになっている。

例えば半年先の平日に開催されるコンサートのチケットを購入するためにためらいなく電話購入できるか、という話があったとき、二次流通がしっかりとあれば、もし行けなくなっても売ることも、買うこともできる。流通の選択肢を増やすことで「行ける人が増える」世界が広がるのだ。

ーーいかがだっただろうか。西山氏は学生ベンチャーも経験した10年来のベテランだ。彼は数字をしっかりと把握し、幅広い人脈を使って市場の動きをチェックしていた。

若いスタートアップではこういった熟年の知恵や経験をメンターや投資家を通じて得るべきだろう。C2Cはまだまだ可能性の宝庫だ。もし新しいC2Cサービスを考えているスタートアップがいれば、ぜひDATAに情報を登録して私たちに教えて欲しい。

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