目標は達成できるレベルを設定せよ−−アトランティス木村氏が語る「チャンスの掴み方と組織作りの方法」

by Eguchi Shintaro Eguchi Shintaro on 2013.4.8

1つの事業で必ずしも成功するとは限らない。紆余曲折ありながらも様々な経験を踏まえた結果、成長の道筋が見えてくる。いかにチャンスを捉え、そこから市場のシェアを取るための数値目標や行動目標を築き上げ、事業を推進させていくかが大事になってくる。

アトランティス代表取締役社長の木村新司氏がMOVIDA SCHOOLで語った、事業のチャンスの掴み方と組織作りについてまとめた。

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自社の能力を把握し、提携先と共に事業を成長させる

アトランティス創業当時はSEOを中心に利益を出していた。もちろんSEOの価格は下降気味であり、この事業が長く続くとは思わなかった。その後、無料のアドサーバー事業へと転換。VCや事業会社から出資を受け事業を推進させた。

社内はシステム中心のメンバーで営業が弱かったため、出資先から営業チームに出向してもらった。営業を伸ばすためには営業チームが活きる環境を作る必要があると考え、出資先の企業文化をそのまま受け入れ、営業チームのやり方に合わせた。最初は社内のエンジニアも外部の営業チームを評価をしていなかったが、営業が売り上げを立て数字を達成していく様子を日々の朝礼等で共有したことで、その姿勢も徐々に変わっていった。営業からエンジニアへフィードバックもあり、製品の進化が起きてきた。

エンジニア中心のままだったら事業は成長できなかった。自社の能力を把握し、不足している部分を外部から補い、互いに協働しあうことは事業全体を成長するために必要だ。

ピボットは、自社の強みをもとに判断するべき

PCのアドネットワーク事業も展開していたが、大きな伸びを見せることはなかった。その後アドネットワークのスマホのアクセスログが伸びていることが確認できたため、データをもとに代理店にヒアリング。スマホ市場が伸びる前だったためこれをチャンスだと捉え、スマホのアドネットワークへと事業を移した。

当時はソーシャルゲーム、スマホアプリ等の様々な選択肢があったが、これまでの自社の事業との親和性やクライアント等のステークホルダーの関係を検討した結果、アドネットワークが最適な選択肢だった。競合他社がいなかったこともあり、市場でシェアを取れると確信してうまく成長市場を掴んだことで、ベンチャーでも戦える場所を作れた。

2011年11月のGREEに買収されたが、当時のGREEのベンチャー気質な雰囲気は、事業をさらに推進できるものだと考え買収に応じた。買収というのは買収後もシナジーが生まれるものでない限り受けないほうがよいと考えていた。結果、社員も辞めることなく事業が伸びたため、経営判断として間違いではなかった。

ビジョン、ミッション、行動規範を設定する

経営に必要なものはビジョン、ミッション、行動規範だ。ビジョンは、組織として社会に対してどう貢献していくかを考え、そのための大きな目標を設定すること。ミッションは、ビジョンをブレイクダウンさせ事業としてのサービスをどのように設定するかだ。行動規範は、ミッションをもとに組織全体としての意識を統一し、自社としての利益とサービス提供先へのメリットを考え、行動規則しての判断基準を設けることになる。

組織全体が同じ方向を向いて製品を作っていく。そのために全員でビジョンを作るプロセスを共有しなければいけない。「会社は社会における公器」しての意識をもち、社会への影響を考えた上で組織を成立させることが、個人と組織との違いとも言えるだろう。

市場にいち早く参入し、チャンスを逃さず掴むこと

ベンチャーは、市場に誰よりも早く参入する意識を持つべきだ。大企業であれば2番手の参入でも組織力やマネージメントで突破できるが、ベンチャーはそうではない。大きな可能性のある市場に対して、いかに早く先行者として市場のシェアを取っていくか。そのためには、試行錯誤しながら自身で様々な経験を積むことで、市場参入の見極めができるようになる。

社会全体としての大きな流れを読み、チャンスをいかに掴みとるか。そのタイミングを逃さないためにも、力を蓄えここぞという時に攻める判断が必要だ。もちろん大きな勝ち馬に乗ることも大事だ。Facebookが出てきた時にいち早くFacebookの市場に飛び込んだことで成功した企業もある。共通して言えることは、いかにチャンスを逃さずに掴み取るかだ。

KPIを設定し、継続した達成基準を築く

組織としてのビジョンを設定するだけでなく、日々の運営で意識すべきはKPIを設定することだ。組織の基盤を固めるためにも、毎日朝会で情報を共有しタスク管理や目標数値を確認。月初に目標や予算設定を実施することで、メンバー全員の意識を統一することができる。

また、目標は達成できるレベルを設定する。目標は継続するためであり、達成するためにあるものではない。人間誰しも天才ではない。イチローや世間で天才と言われている人たちは、小さな頃から努力をしつづけた努力の人たちだ。彼らも長期の目標を定めつつ、短期の目標を設定し、それに向けて行動した結果成功へ続いている。長期目標から短期目標へと細かくブレイクダウンさせ、日々何をすべきかを明確にしよう。

戦略だけではなく、努力が持続できる基盤づくりを

短期目標を積み重ねることで、数カ月や半年、1年といった中長期目標の達成への充実度が高まり、継続することの楽しさが見えてくる。目標達成によって継続していくことでチームの雰囲気は良くなっていく。そうした積み重ねを続けていくことで、組織として正のスパイラルが生まれてくる。

経営者は、細かな行動にまで落としこもう。戦略ばかりに気を取られるのではなく、メンバーが努力でき、それが継続する基盤作りをして欲しい。

U-NOTEリンク】:スクール当日にライブで記録されたU-NOTEです。合わせてご参照ください。

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