日本で始まったクラウド電話API「Twilio」でどんなビジネスができるの?ーーハッカソンを勝ち抜いた3つのサービス例

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2013.4.18

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KDDIウェブコミュニケーションズは4月13日、Twilio日本版(正式名称は Twilio for KDDI Web Communications と少々長い)のお披露目を開催し、正式な日本版サービスの提供を開始した。Twilioはこれまでも日本から「一応」利用することは可能だった。しかし、今回のローカライズで正しく、高品質なサービス提供の環境が整ったことで、いよいよ本格的なAPI活用サービスの誕生が期待されることとなる。

北米ではTwilioといえばUberの配車コール、AirbnbやHuluのユーザーサポートなどが活用事例として挙げられる。では、日本国内では具体的にどういうサービスが実現可能なのだろうか。

イベント最後のハッカソン最終プレゼンテーションに参加した、いくつかのサービスはそのヒントになるのではないだろうか。優勝して事業化支援のプレゼントを手にした一斉安否確認サービス「アンピル」をはじめ、受賞作品をご紹介したい。

【最優秀賞、AWSアーキテクト賞】大勢の安否確認「アンピル」/受賞者:安蒜猛氏

アンピルは地震や事件など、広範囲の災害時に一斉に友人や家族といった人物の安否確認ができるステータス確認サービスだ。災害発生時に気象庁のデータと連動したサービスは一斉にTwilio経由で登録されているユーザーに対して電話をかける。

受け取った人はプッシュ番号による回答で自分のステータスをサービスに伝えれば、他のユーザーがその人が今安全なのかどうかを確認できる、という仕組みだ。

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一斉配信といえばメールを想像するが、アンピルはここにTwilioを使った電話を加えることで、メールなどに慣れていない、もしくは使えない人(主に高齢者や低年齢層など)にまで確認範囲を広げられる。

ビジネスモデルは課金だったが実用的なツールなのでこれは現実的だろう。また、ターゲットとしているのも自治体や学校といった公共性のあるところから大企業など幅広い。優勝賞金に加えて事業化支援の切符を手にした同サービスのビジネス化は国内Twilioビジネスの指標のひとつになるだろう。

【優秀賞】クラウド電話APIを活用した通訳マッチングWebサービス「Guide Call」/受賞者:伊藤大輔氏

日本人として言葉の問題に悩む人は多いと思う。Guide Callはクラウドソース形式で通訳を依頼できるサービスだ。ユーザーは旅先で困った時にある電話番号に電話をかけて、いくつかの条件をプッシュ番号で通知すれば、その時間に依頼できる通訳とマッチングしてくれる。面白いのはここからで、通話はそのままスピーカーフォンにすれば、通訳してくれる人をその場の会話に参加させることができる。

電話さえあれば可能なサービスだけに汎用性は高い。ビジネスモデルは1分単位での課金で、旅行会社などとの提携を通じてオプション販売する、というアイデアも現実的だった。

【優秀賞、マイクロソフト賞】多言語対応 クラウド・カスタマーサポート・サービス「ANNAI Call」/受賞者:太田垣恭子氏

Guide Callと少し趣向は似ているが、こちらはクラウドソーシング型のコールセンターをTwilioを使って実現しようとするサービスだ。宿泊サービスに絞ってアイデアを展開しており、例えば海外からの宿泊客が直接宿に電話をかけてくる場合、事前に用意してある番号をサイトに掲載しておくだけで、自動的にその言語に対応できるクラウドワーカーに通じるようになっている。

クラウドワーカーはサイトに自分の対応できる言語や今、電話を受けられるかどうかのステータスを登録しておくだけで、自動的に問い合わせ客からのコールとマッチングしてくれる。

Twilio活用のサービスはB2B向き

Twilio活用のビジネスアイデアはメールなどと違い「電話」を使うことで幅広いユーザーにリーチができる。その代わり、API利用時の通話料がアイデアの足かせになる場合もある。ビジネスが最初からしっかりしてないと使いにくいのだ。

そのため、B2C向けのサービスよりはB2B、ツール系のサービスが利用しやすい印象だった。安否確認のようなサービスは対象となるユーザーも多く、スケールするイメージがつきやすい。競合もごまんとあるはずだが、「電話」という付加価値をうまく付けられるかがポイントになるかもしれない。

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