ソーシャルゲームのノウハウは使えるーー次に狙うは「教育アプリ」マーケット #bdash

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本稿は、4月22日に開催されたB Dash Camp 2013 in 福岡の取材の一部だ。

過去、Eラーニングと呼ばれた分野が、クラウドやソーシャルといったキーワードによって新しい時代を迎えようとしている。リアルタイムにオンラインラーニングが受講できるスクーは知名度を上げているスタートアップのひとつだろう。

そして、この「次の教育サービス」に必要なエッセンスは日本が得意なソーシャルゲームにあるようだ。

セッションの前半では、北米で教育系アプリを提供するKidaptive共同創業者兼CLS(Chief Learning Scientist)のDylan Arena氏が現在の教育系サービスのトレンドを四つのキーワードにまとめてくれていた。

ACCESS:いつでもどこでも教育サービス、授業に「アクセスできる」仕組み
ATTENTION:先生が学生の様子を効率的に把握し「注意を払える」仕組み
ASSESSMENT:システムの力を借りて正しく生徒の「評価ができる」仕組み
PERSONALIZATION:上記の三つを経て「個人への最適化」が可能な仕組みを探す

経済的な問題で授業が受けられないユーザーに適切なアクセスを提供し、オンラインと個別授業のミックスを通じて生徒ひとりひとりに注意を払う。こうやって得られた生徒の状況をシステム的に評価する

まだ未開拓の分野だが、これら三つの取り組みを通じて、進む先に最後の個別指導という方向性があるのだという。

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さて、興味深かったのはソーシャルゲームの担い手がこの分野に興味を示していることだ。パネルに登場したドリコム代表取締役の内藤裕紀氏と元DeNA、Quipper日本オフィス代表の横井明文氏は共に「ゲームと教育」サービスに共通するキーワードを挙げていた。

「ソーシャルゲームのノウハウをそのまま提供している」と語る内藤氏は現在提供している教育プラットフォームの状況に触れつつ、「ソーシャルゲームで培ったイベント運営とかソーシャル的に友人とどう繋がるとか」そういったノウハウが学習の継続率に影響したと話していた。

一方、世界で400万ダウンロードを達成したクイズ型の学習コンテンツプラットフォーム「Quipper」を手がける横井氏もまたゲームをバックグラウンドに持っている。

「コインを溜められるゲーミフィケーションや、みんなで学ぶというソーシャル性は全てリテンションを高めるためのエッセンス。いかに続けてもらうか」。

ソーシャルゲームディベロッパーが好調を維持し続けられるかが課題になるなか、こういうノウハウの具体的な横展開はひとつの方向性として興味深い。

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