WeChat(微信、中国語でWeixin)部門のトップでTencent(騰訊)の副総裁である張小龍(Allen Zhang)氏が、あるインタビューの中で、超人気モバイルアプリのWeChatに世間とメディアが広く憶測している事柄、なぜ同サービスのiPad版がないのか、などについて語っている。
もちろん、マネタイズの問題は避けられないトピックだ。だが同氏は、Tencent(騰訊)のCEO、Pony Ma(馬化騰)氏がWall Street Journal紙に先日語ったソーシャルゲームやマイクロ決済サービスについては触れなかった。
オフィシャルアカウントのマネタイズ
「オフィシャルアカウントのプラットフォームをなぜ作るのか?それは、マネタイズの可能性があるからです。うまく機能するば、マネタイズできるだけでなく、ユーザを悩ませることもありません。むしろ、(オフィシャルアカウントのユーザが)喜んでサービスにお金を払ってくれるようになることです。マネタイズするには良いアプローチです。」
オフィシャルアカウントのプラットフォーム自体はうまく機能している。一握りほどのオフィシャルアカウントユーザが毎日読者に送られる記事の中にディスプレイ広告を掲載し始めている。同プラットフォームでソーシャルマーケティングを行おうとしているブランドも、消費者と交流するための良いツールだと見ているし、WeChatからのトラフィックで実際に商品を買う顧客が出てきたと言う販売店もある。
報道によると、Sina Weiboも、Weiboアカウントにリッチメディアの投稿を配信するというWeChatと同様のプラットフォームをテストしているようだ。だが、これについては、WeChatのオフィシャルアカウントプログラムでSinaがプレッシャーを感じていると見られている。
Zhang氏はマネタイズをどのようにして行うかについては述べていないが、
「マネタイズとユーザエクスペリエンスが対立することは望んでいません。マネタイズは必ずユーザエクスペリエンスを傷つけてしまいます。ですが、マネタイズの可能性はありますし、それが私たちのゴールです。」
とだけ語った。
すべてのアクセスに「Shake(シェイク)」機能を
先月ローンチされた最新バージョンのWeChat 4.5には、ミュージックソングを検索するための「Shake」機能が追加された。この機能は、Shazamのようなミュージック認識サービスのようなものだが、シェイクジェスチャーを利用している。
以前のバージョンでは、ユーザ同士が携帯電話をシェイクして出会うことができたり、PCからのウェブページ送信をこのシェイク機能を使ってできるようにしている。
Zhang氏は、この「シェイク」を使えば、ユーザは何も入力する必要がないため、モバイルインターネット環境にうまくフィットしていると考えている。同氏は、このシェイク機能についていくつかのシナリオを述べている。
例えば、1.ユーザが、あるTV番組を見ている時に携帯をシェイクすれば、そのTV番組のWeChatオフィシャルアカウントが表示される。2.ある広告の詳細な情報がシェイクによって携帯電話に送信される、などだ。
なぜiPad版がないのか?
「iPadはどちらかと言うとWiFi環境で使われることが多いのです。ですから、iPadを使ってWeChatにログインするユーザは、誰かが送ってくれたメッセージを即座に受け取れないことがあります。そういうことは、とても不愉快に違いありません。
『常にオンラインでいる』というメリットがなくなってしまいます。ですが、だからといって、私たちがiPad版を作らないと言うわけではありません。私たちがiPad版を作る時というのは、別のデバイス用にまたもう1つ作ろうというのではなく、iPad版を作る意義をしっかりと考えた上で判断した時です。」
WeChatとは?
「あなたがWeChatをどう使うかによって、それがあなたにとって何であるかが決まります。」
とZhang氏は語っている。
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