14万人の登録ランサーと一緒にムーブメントを起こすーークラウドソーシングのランサーズがグロービス等から約3億円を調達

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英語の記事はコチラから。

クラウドソーシングを展開するランサーズは5月21日、グロービス・キャピタル・パートナーズおよびGMO VenturePartnersを引受先とする総額で約3億円の第三者割当増資を発表した。

またこれに伴い、グロービス・キャピタル・パートナーズのパートナー、高宮慎一氏が社外取締役に就任し、鎌倉からの移転先となる渋谷区でのオフィス営業を6月1日から開始することも公表している。

ランサーズの創業は2008年。現在の登録ランサー(※仕事を請け負う人材)数は約14万人。これまでの仕事依頼金額は約70億円で、2012年度だけで35億円を達成しており、これは2008年から2011年まで3年半の累計金額と同等となるのだという。 また先日、主要拠点を鎌倉から渋谷に移転している。

国内クラウドソーシング第一人者が動く

創業5年、国内クラウドソーシング一番手がついに動く。

ランサーズ代表取締役 秋好陽介氏

「事業は順調に成長していてキャッシュフローに困るような状況ではありません。今のこのタイミングを掴んで圧倒的なスピードアップを図るために今回の決断をしました」。(代表取締役の秋好陽介氏)

これまでの経験からクラウドソーシングに関する技術的、事業的な総論検証はほぼできているといい、「今後は各論をもっと詰めていきたい」と話す。秋好氏に以前インタビューした際、彼は案件を「フォーマット化(標準化)」することが重要と語っていた。

クラウドソーシングの担い手育成と地方拡大を狙う

クラウドソーシングにはいわゆるフリーランスと呼ばれる担い手が多く参加している。「そういう選択をした彼らの育成が重要で、そこにはある程度の投資がやはり必要なんです」と資金調達と東京移転の狙いを話す。

また地方での啓蒙活動も強化ポイントのひとつだ。「首都圏と地方の依頼金額は、オフショア等と比べて価格差はそこまでありません。でもやはり仕事の量については開きが出ています。ランサーズという働き方、仕事のプラットフォームを啓蒙活動することで新たな参加者、連携できる事業者を集めていきたい」(秋好氏)と、地域との連携を強化するそうだ。

増える企業依頼、今後は最低依頼金額などのルール整備も

クラウドソーシングには安かろう悪かろうのイメージもつきまとう。

その点で重要なのが質の良い案件の増加だ。秋好氏は「企業からの依頼は増えています。特に営業をかけているわけではないのですが、大手に利用してもらうとその関連企業もそれに続くようになりました」と、東京移転を機会にさらに企業との連携は深めていくと話していた。

また登録人材側に重要な働く環境づくりについては「最低金額を設けるなど、プラットフォーム側でのルール整備を考えています。私たちには5段階のランクが設けてあるのですが、例えばそれぞれの階級で最低時給を決めるとか、そういうことは必要になるでしょう。また、フリーランスに対する保険など、福利厚生に近い内容で、ここで安心できるサポートをもっと充実させたい」とも話していた。

「現在登録してくれている14万人のランサーの方々と一緒に、ここからクラウドソーシングのムーブメントを起こしたいと考えています」。(秋好氏)

注目カテゴリの戦いはここから加速度を増しそうだ。

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