「Growth Hacker(グロースハッカー)」の名付け親が語る、プロダクトの急成長を実現するピラミッド構造 #on_lab

by Junya Mori Junya Mori on 2013.5.27

5月25日にOpen Network Labの主催で「Onlab Growth Hackers Conference 2013」が開催された。DropboxやAirbnbなど、世界規模でのグロースハックを手がけたスペシャリスト達が、それぞれのユーザー獲得の経験・事例を共有した。

プロダクトを利用するユーザ動向データを解析し、プロダクトの改善・改良を迅速に行っていくシリコンバレーで今最も注目の役割である「Growth Hacker(グロースハッカー)」について語られたセッションの模様をレポートしていく。


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「Growth Hacker(グロースハッカー)」の名付け親

最初のスピーカーはQualaroo社CEOのSean Ellis氏。Qualarooは、ウェブサイトへの訪問者の動向を分析し、彼らの行動に影響を与えることで顧客との繋がりを強化するマーケティングツール。

Sean氏は、Qualaroo以前にも、LogMelnとUproarでローンチからナスダックへのIPOまでを行い、Dropbox、Lookout、Xobniを市場へ送り出した。さらに、Eventbrite、Socialcast、Webs、 World Golf Tour、Wordpress.com、Songkickといったサービスの成長を加速させた人物。

Sean氏は、 “Growth Hacker(グロースハッカー)”という言葉を生み出した人物でもある。従来どおりのマーケティングを担当する副社長といったポジショニングでは、成長を牽引する自分達の仕事をうまく表現できなかったので、この新しい言葉を作り出したという。

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Product / Market Fit を土台とするグロースハックピラミッド

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Growth Hack(グロースハック)は、いつ行なってもうまくいくわけではない。Growth Hack(グロースハック)は、上の画像のようなピラミッドで考えられるとSean氏は語る。

Growth Hack(グロースハック)を行う上でまず一番重要なのは、自分たちのプロダクトが、Product / Market Fit(PMF)の状態であること。つまり、製品と市場がフィットしているということ、自分たちは良い市場を狙っており、そしてその市場を満足させることができる製品を持っている、という状態であることが重要。

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では、どうすれば自分たちがPMFの状態であるかを見極めることができるのだろうか。Sean氏は、ユーザに尋ねたときに、「明日からそのプロダクトが使えなくなったらひどくがっかりする」と答える人が40%以上いることだと述べた。

Growth Hack(グロースハック)に向けての準備

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PMFの状態となったら、次はGrowth Hack(グロースハック)に向けての準備をする。このフェーズでは、起きていることの把握と、その理由の分析をする。それを解決していくことで成長フェーズへの準備をしていく。Growthを始める前にキーとなる活動内容は、以下の通り。

      ・効果測定を実装する
      ・必要不可欠なベネフィットを特定する
      ・付加価値を効果的なフックと紐づける
      ・ビジネスモデルの最適化
      ・コンバージョンの最適化
      ・Growthチームを雇う

プロダクトに感心がない人とコミュニケーションを取ろうとするより、特に「プロダクトがなくなると落胆する」と答えた人にフォーカスし、彼らがどういったベネフィットをプロダクトから得ているか調査し、その後絞り込んで最も重要な付加価値を特定する。プロダクトの利用まで至っていないユーザがいるとすれば、どこでドロップしているのか分析ツールを用いて彼らのパターンを分析するのだ。

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Sean氏によれば、コンバージョンは以下の、CVRを上げるためには、プロダクトへの欲求を上げ、利用の際に生じる摩擦を下げるという方程式で考えられるという。

Conversion = Desire(欲求) – Friction(摩擦)

そして、成長に注力する人材を雇うことでGrowth Hack(グロースハック)のための準備が整う。

Growth Hack(グロースハック)する

・会社をグロース文化にする

まず会社にグロースカルチャーを作る。そのためには、データ中心に物事を評価すること習慣をつけること。これがグロース文化の形成を促すことになる。そして様々な試行錯誤を実施していけば、フィードバック・ループが形成されていく。

スタートアップは企業文化を変えやすい。グロース文化を形成することも大きな企業よりも実践しやすい。

・適切なスキルと才能

Growthを実現するために必要なチームのスキルは、デザイナー、コピーライター、データ分析、そしてできればエンジニアがいるといい。ただ、データ分析については、KISS MetricsやMixPanelのような優れたツールがあるので必須ではない。また、これらのスキルは兼任することも多い。

・インスピレーション、粘り強さ、そして運

ユーザ層を理解し、彼らにリーチするためのクリエイティブなアイデアを生み出すために、他の事例を参考にすること。YouTubeの映像を貼り付ける仕組みや、Airbnbが一時期備えていた機能、Craigslistにも投稿できる機能などが事例として紹介された。

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他の企業がどのように成功しているのかを知り、理解すること。そして、ユーザとの対話を行い、ユーザのことを理解すること、自分たちのプロダクトとどう出会っているのかを知ることを思考することが重要。

北米では人々は一日に3000もの数の広告に触れているという。そんな中に、新たに広告をうったとしても、自分たちのプロダクトを認知してもらえることはまずない。だが、ユーザとの対話を実践すればプロダクトのブランドを認知してもらえる可能性はある。ユーザのことを知るためにも、ブランドを認知してもらうためにもユーザと対話し、ユーザのことを理解することは重要なのだ。

今回紹介したピラミッドは、TwitterやFacebookなど、PMFがあるかどうかを理解するために多くのユーザ数が必要になるサービスには適用できない。プロダクトがネットワーク型のものでない人は、ぜひこのフレームを参考にしてほしい。

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この記事は、5月25日に開催されたGrowth Hack(グロースハック)をテーマにしたカンファレンスのレポート。他のセッションについては「Onlab Growth Hackers Conference 2013」でまとめている。

今カンファレンスを主催したOpen Network Labはスタートアップを支援するSeed Accelerator Programの第7期を2013年5月31日(正午)まで受付を行なっている。

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