5社のスタートアップが自社サービスとビジネスモデルを投資家に向けてプレゼンした「MOVIDA Demo Day 3rd」

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5月13日、MOVIDA JAPANは、東京ミッドタウンにて「MOVIDA Seed Acceleration Program」の第3回Demo Dayを実施した。

MOVIDA Seed Acceleration Programは、最大500万円の出資をおこなうMOVIDA Scholarship、週に一度、起業家の先輩や各分野のプロフェッショナルを招いて開催する講義形式のMOVIDA SCHOOL、事業ブラッシュアップのワークショップや投資家や事業パートナー向けにプレゼンテーションを実施するDemo Dayから構成されるプログラムだ。

「2030年までに、ベンチャーエコシステムを東アジア全体で作っていきたいと考えています。なぜ、シリコンバレーの中で多くの成功するスタートアップが誕生するのか。それは、1年間に1万7000以上もの企業が誕生しているからなのです。その中から、10社や20社でも成功したベンチャーを生み出せる環境があるからこそ、勢いがある場所として注目されています。ベンチャーのエコシステムを生むためにはスタートアップの数を増やすことで、よりよい経済圏が誕生すると考えいます」。

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MOVIDA JAPANは、ミッションとして1000社の育成をはかり、1社あたり100名の雇用を創出させ、それにより10万人の雇用を創出することを目的としている。それらによって、市場が活性化し、社会がよりよい方向に動くためのきっかけをつくりだしていると、Cheif Seed Acceleratorの伊藤健吾氏は語る。

今回で3回目を迎えるMOVIDA Demo Dayへの申し込みは、これまでに累計で応募が220件、一般合わせて300件超になっており、50%以上が20代、30代前半まで含めると応募者の70%超になっており、若い人たちの挑戦の場として機能しているという。

すでに17社に投資をおこなったMOVIDA JAPANは、過去に投資をおこなったソーシャル旅行サービスのTripieceや音楽共有サービスのnana、オンライン学習サービスのShareWis、UIScopeなどの投資実績と現状に触れ、例にあげたようなスタートアップのように今回ピッチをおこなうスタートアップの成長を期待してほしいと語った。

Demo Dayでピッチをおこなったスタートアップの紹介

MOVIDA Demo Dayでプレゼンを実施した5社のスタートアップは、第1部でサービスモデルピッチセッション、第2部でビジネスモデルピッチセッションをおこない、参加者とのインタラクティブな質問や意見に応えた。以下、プレゼンをおこなったスタートアップを紹介する。

一年前の写真を振り返る「Reep」

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Reepは、一年前の今日に撮った写真を毎日届けてくれる写真タイムカプセルサービスだ。

「スマホが一般的にまで普及した現在、人々はカメラを生活の一部として使用しており、年間1000枚近くを撮影する人もいます。しかし、過去に撮った写真を振り返ったり楽しむことがとても面倒になってきます。そうした問題を解決し、思い出の写真を一箇所にまとめるサービスを提供していきます」。

Azit代表の吉兼周優氏は、スマホの登場と写真機能によって人々のライフスタイルが変化したと語り、日常の何気ない写真を通じたコミュニケーションのあり方を模索したいと語る。

無料版は、FacebookやinstagramなどのSNSを統合し、すべての写真を集めて一元管理をおこない、一年前の写真をメッセで送る機能だ。有償版では、20GBの写真クラウドサービスを提供を予定しており、大切な写真をいつでもどこでも保存できるサービスを提供する。まだまだクラウドサービスはギーク向けであると語る吉兼氏は、そうしたクラウドに普段接しない女性などを主なターゲットとし、年内50万ユーザを目標としている。

「思い出を振り返るだけでなく、写真を通じて過去と今、未来の自分をつなぐ新しいコミュニケーションツールを目指していきたい」。

本日、Apple Storeにアプリが公開されている。ぜひ、チェックしてもらいたい。

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ビジネス文章の履歴やドキュメントが一元管理できる「VISE」

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VISEは、契約書などのドキュメントの文章履歴やドキュメント管理を一元化する文章サービスだ。

契約書やビジネス文章など、誰がいつどこでどこを編集したかをオンラインで保存することにより、過去の文章との比較や、どこから派生してきた文章なのかをコントロールすることができる。

「原案から法務チェック、メール送付から文修正といったプロセスの中から、同じ資料に違ったバージョンが生まれ、どれがどの資料なのかを把握することで、ビジネスにおける効率化を図ることができます」。

3ideaCEOの西岡賢一郎氏は、複雑化したドキュメント管理に対する新しいイノベーションを提案していきたいと語った。複雑に入り乱れたWordの変更履歴のUIなど、既存のWordにはない新しい機能を重視したVISE。これにより、クライアントなどとの二者間以上での共同文章作成や翻作業、出版社などの校正、社内マニュアルなどの作成に最適なドキュメントソフトを目指すと語った。

現在、7月のリリースに向けて準備をおこなっている。フリーミアムモデルを採用しており、プレミアムモデルやエンタープライズモデルをリリース予定だ。

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日本のかわいいネイルチップを海外に発信する「MiCHi」

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MiCHiは、日本のネイリストが作成したネイルチップを海外で販売するコマースサービスだ。

「日本のネイルは海外に比べて繊細で、とても人気があることが、日本のネイルを紹介するFacebookページを作って分かりました。すでに33万人以上ものいいね!を獲得しており、そのノウハウをもとに、ネイルチップを世界展開していきます」。

MiCHi代表取締役社長の中崎瞬氏は語った、日本にはネイリストという職業の人は30万人以上いるが、ネイルサロン店舗の集客に悩みをみせているという。MiCHiは、そうしたネイリストの悩みも解決していく。

これまでの世界におけるネイルチップの多くは中国製で安価だが、日本のネイリストが作成する繊細できめ細やかなデザインは世界でも評判がいい。人気のデザインや写真の構成、ネイル関連の活発化したコミュニティをベースに、全国のネイリストが作成した様々なネイルチップの生産の販売をおこない、初年度で1億円の売上を目指すと中崎氏は語った。

今後は日本語のみならず、英語や需要が伸びているブラジルに向けてポルトガル語にも順次対応していく。

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教えたいと学びたいをマッチングさせるマーケットプレイス「streetacademy」

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streetacademyは、誰でも教えられる知識や技能を、誰でも簡単に伝達し講座を開けるマーケットプラットフォームサービスだ。

「これまで、社会人にとって気軽に学べる場所がないと考えられていました。しかし、20代や30代を中心に教えたいと思っている人は自社調査で270万人ほどいます。そうした人たちに対して、教えるをもっと身近にし、そこから学びたいと考えている人の選択肢を提供できるものにしていきたい」。

IntheStreet代表取締役の藤本崇氏が語るように、教えたい気持ちと学びたい気持ちをマッチングさせることで、いつでも気軽に学びの機会の提供をしていくという。

教えたいと考えているユーザは、いつどこで、何人、いくらで教えるか?を入力すればすぐに個人ページが作成できる。受講したいユーザは、予約をおこなったり、受講したい旨を伝えることで、受講可能となる。レビューページもあるため、教わった内容をレビューすることで、教えた側のモチベーションアップや実績評価をすることも可能だ。

社会人教育市場は対面式で2.4兆円規模あると藤本氏は語り、主なターゲットとしてもレッスンやワークショップを開催する個人にフォーカスしていくという。今後は、まなびのコンテンツを充実させるため、単発ではなく継続レッスンコンテンツの開設や、運営側からの企画提案コンテンツを実施していく。さらに、これからは様々な協会団体とコラボレーションを図っていき、技術を持っている人の先生への採用を重視していく。その後、先生になった人たちへのインタビューをまとめたマガジンの発行も予定している。

「教えることの楽しさ」を発信し、受講する側は「まなぶ」ことの楽しさをより知ることで、互いに教えあう文化を作っていきたいと、藤本氏は語った。

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イベントまとめに特化したプラットフォームサービス「U-NOTE」

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U-NOTEは、イベントの参加者が内容をテキストや画像・ツイートなどを要約しまとめるイベントまとめサービスだ。

「ドラッグ・アンド・ドロップによる直感的な操作でイベントのメモやTwitterのツイート、ハッシュタグなどをまとめ、画像検索にや補足情報やリンク検索もおこない、リッチコンテンツを簡単にコンテンツを作成することができるのが大きな特徴です」。

これまでに1200件以上ものイベントまとめがあり、まとめ数も前月比で毎月2倍以上で成長し、ITやビジネス、エンタメなどのカテゴリーを中心に様々なジャンルのイベントコンテンツが集約されていると、U-NOTE代表取締役CEO小出悠人氏は語る。

今後は、読みたいニーズとイベントの参加者とのマッチングやユーザや、まとめを作成するユーザへのインセンティブ制度などを導入し、より投稿数を高める仕掛けを展開予定だ。

また、すでにビジネス向けの記事広告型の公式まとめによるコンテンツマーケティングを提供しており、イベント運営のノウハウやまとめなどを提供し、これまでフロー型のイベント運営だったものが、レポートやまとめ、さらに記事広告といったマーケティングツールを展開することで、ストック型のイベント運営の実施を支援していくサービスも展開している。

「今後は、チケッティングサービスからのAPI提供によって、様々なイベント情報をまとめるサイトにしていきたい。ユーザに応じておすすめのイベントをレコメンドするなど、まとめを切り口としたプラットフォームへと展開していく」と語るように、チケッティングサービスとの連携を図り、まとめを軸にした「イベントまとめプラットフォーム」へとサービスを展開する予定だ。

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孫泰蔵氏より挨拶

閉会の挨拶では、MOVIDA Japanの孫泰蔵氏は、第3回を終えた感謝を述べると同時に、Demo Dayが会を重ねるごとにプレゼンのレベルも上がってきており、スタートアップに対する支援の環境も整ってきたと語った。

「私が起業した当時に比べ、90年代生まれの人たちがプレゼンだけでなくユーザ実績やビジネスモデルを数ヶ月で確立してきている。数も質も上がった中で、Demo Dayに出場させるチームも厳選するほど、レベルの高いものとなっています。今回登場したスタートアップたちのように、お金だけでなく、ノウハウや知識などを求めているポテンシャルの高い未来のスタートアップを、ぜひみんなで育てていきましょう」。

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