大阪からヒーローを生み出すーー1週間でプロトタイプを作る「スーパーハッカソン2013」驚きのサービスたち【追記あり】

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2013.5.18

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「作ってみました、ではなくしっかり完成させる」ーー5月18日に大阪で開催されたウェブサービスのプロトタイプを生み出すイベント「スーパーハッカソン2013」は実に現実的な内容だった。大阪らしく会場には笑い(一部苦笑も含む)が絶えず、プレゼンはほぼ全て寸劇付きだった。

さておき、一週間というハッカソンとしては長期間かつ、プロトタイプでありながら強く完成度にこだわっていたのがこのイベントの特徴だ。また「一画面でのサービス」を使って取り上げた問題を解決するという制約も、期間内でアイデアを凝縮するのに一役買っていると感じた。

実際、プレゼンテーションされたモノの完成度は高かった。とりあえず動いている、というものももちろんあったが、一方でそのまま公開できるレベルに近いものもあった。以下にいくつか気になったものをご紹介したい。(見出しはサービス名/チーム名)

優勝:はじめる/根っからのピュア(代表者は浦谷和生氏)

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プレゼンした浦谷氏は制作会社での激務から子供になかなか会えず、メールでのコミュニケーションを試みるも相手が幼少で文字が打てず、このサービスを思いついたという。

「子供からのメールって、全然わからないんですよね」ーースマホのキーボードUIは複雑で子供にはとてもじゃないが使えない。そこで彼らが作った、3歳から4歳ぐらいの子供向けメールアプリは、子供が打ち間違いをすることを前提としたシンプルなものになった。

キーを叩くと楽しそうな音が鳴る。また、メールアプリといいながら、送信機能は付いていない。実際の送信は母親が担当することを前提にしているというのも特徴だろう。

5月19日追記:デモムービーが公開されていたので追加。アイデアからここまで1週間で仕上げたのは驚きだ。

次点:ワンダーポート/キングオブキングス (代表者は森下治秀氏)

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子供へのプレゼントをバーチャルな世界に拡大することができるのがワンダーポートだ。用意された星型のクリスマスカードに入っているQRコードを撮影すると画面上に星があらわれ、子供が遊ぶことができる。

さらに現れたサンタに向かって電話を掛けると、Twilio経由で父親に繋がり「サンタのお父さん」と会話を楽しむことができる。体験生がすばらしく、この1週間の間に作られたデモでは、実際に子供た楽しそうに夢の世界に入っている様子が分かった。

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またカードの販売やバンドルなど、いくつかの収益モデルもシミュレーションされており、ビジネスを強く意識していたのも好感が持てた。しかし、ハッカソンで「客単」というキーワードをここまで大量に聞いたのは初めての体験だった。

5月22日追記:こちらもデモムービーが公開されていたので追加する。今後、本格的に事業化を目指すというコメントも貰った。

disneak/家内制手仕事(代表者は宇都宮正宗氏)

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disneakはスマートフォンを防犯カメラにするアプリだ。カメラアプリを起動して部屋を見渡せる場所に置いておけば、不審者の影を感知してあらかじめ設定している番号に電話を掛けてくれる。

クラウド電話APIのTwilioを活用して作られたサービスで、外出先から特定番号に電話を掛けてサービス停止することもできる。宇都宮氏は「明日から使えるモノを作った」と、このままアプリストアに出せるレベルで仕上げており、完成度は高かった。

PostHit/RADICALMETRO(代表者は秋元じゃのめ氏)
広大な一枚のマップ上でポストイットのようにテーマを共有できるマインドマップ系サービス’

テレホノイド/フライングゲット(代表者は寺田昌樹氏)
伝えにくい話題を面白く伝えてくれるコールアプリ

PureConnect/恋のキューピット(代表者は白石尚也氏)
合コンでの席を決めてくれるアプリ。席替え通知やコミュニケーションツール機能がある。

RestCast/問題解決の匠(代表者は石丸翔也氏)

人がトイレにいくタイミングをログとして記録し、次にいつトイレにいくのかというのを教えてくれるアプリ。突然「もよおして」しまって大変なことになるのを防いでくれる。

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ちょっと冗談みたいな解決課題だが、実用性がものすごく高い。機会学習でその人のログから次の「もよおし」時間を教えてくれる。またこのログ・タイミングに乱れがあると、おなかの調子の変化を察知してそれを晴れ、くもりマークで教えてくれる。

itel!/チーム竜馬(代表者はWatanabe Naoki氏)

仕事帰りの一杯を誘いたい友人に直接声を届けて誘えるアプリ。リストにある名前をタップするとチェックがついて、複数の人たちにお誘いメッセージを送ることができる。

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Twilio経由で電話がかかり、録音されているメッセージを受け取ることができる。またそれに対して番号を押して返事するとアプリ上にNGやOKというステータスや、伝言を伝えることができる。

Cuple Campus:TEPS(代表者はTobias Hoenisch氏)
離れたカップルをつなぐ手書きのコミュニケーションツール。一画面で同時イラストを書き込むことができる。

サンミニッツ協会:アーモンド (代表者はHirokazu Sawai氏)
電話を通じて悩みを登録すると、ネット上でそれを解決してくれる人を探してくれる、Twilioを使ったオンライン宗教サービスだそうだ。収益モデルは「お布施」。

Pito: jsdokusho(代表者は横田賢司氏)
動物を探している里親、動物を預かっている人たちをマッチングさせる。デモにトラブルがあり、仕組みが少し分からなかったのが残念

ーー「スーパーハッカソン2013」主催者でレーベ代表取締役の藤井正明氏が願うのは「大阪からヒーローを生み出す」ことだ。

「第一回目は昨年の9月に開催しました。これまでも関西では小さな勉強会などのコミュニティはあったのですが、スキルのある人には少し物足りない。現場にいる人たちが心からこれ作りたいよねっていう場所がなかったんです」。(藤井氏)

関西には開発受託などの担い手が多い。一方でサービスにまで手を出そうというプレーヤーはそこまで活発ではない、という話を耳にする。「一週間ならチャレンジできるのでは」と始められたこのイベントは、関西の隠れた「ヒーロー」を輩出する機会になるのではないだろうか。

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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