ウェブサイトの多言語翻訳ツール「ワールドジャンパー」が約1億1000万円を資金調達

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ワールドジャンパー」と呼ばれるオンラインの多言語翻訳ツールを提供する、東京拠点のスタートアップ八楽は。最近、ニッセイ・キャピタル日本ベンチャーキャピタル、そのほかいくつかのエンジェル投資家から、約1億1000万円を資金調達したことを発表した

このスタートアップは、2009年に立ち上がり、ウェブサイトオーナー向けに、多言語化対応サービスを提供してきている。他の翻訳サービスとの差別化という点から述べると、彼らはサードパーティのエージェンシーにアウトソースしているが、将来の翻訳依頼に備えて、翻訳のリクエスト / 結果をデータベースに蓄積している。

この蓄積により、エージェンシーへのアウトソースすることなしで、顧客はよりよい翻訳結果を得られるようになる。そうして、データベースへの蓄積が豊富になればなるほど、翻訳にかかるコストはより安くなり、質は改善されていく。このスタートアップは、eコマース、ポータルサイト、一般的なコーポレートサイトなど、ウェブサイトの目的別に翻訳データベースを所持している。

このスタートアップのクライアントは、eBayや、東京の下町タウンガイドアプリ「Tokyo Cool」、サンブリッジベンチャーキャピタル、そしてデジタルアドエージェンシーのオプトなど、グローバル顧客向けにサイトを翻訳する必要があるところが含まれている。

この多言語化ツールは、ユーザのサイトを巡回し、ウェブサイトがアップデートされた際に、どの部分が変更され、追加で翻訳する必要があるのかを認識する機能を持っている。この翻訳プロセスにおいて、翻訳結果はオリジナルHTMLファイルに基づき、ソースコードを変更することなくもたらされる。そのため、多言語化に対応するにあたり、デザインフォーマットやサイト構造がオリジナルの言語版と同じものであれば、他言語版用にファイルを再編集する必要がない。この方法により、クライアントは概して、非日本語のウェブサイトの維持に気を配る必要がない。

最新の技術を使っても、異言語間の翻訳は人間の介在無しに、確かな正確性を保証できない。World Jumper のしくみにも誤訳の可能性は残る。このリスクを軽減するために、World Jumper はインタフェースを提供しており、将来の翻訳依頼の成果を精緻なものにするため、ユーザが自ら翻訳することでシステムを学習させることができる。

料金は、80000円が初期のアカウントのセットアップにかかり、月額利用に8800円、手動翻訳に追加でコストがかかる。あるオリジナル原稿に対して、最初の翻訳リクエストは手動で翻訳されるが、同じ原稿に対し二度目以降の翻訳リクエストでは、データベースを用いて翻訳プロセスが進められる。手動翻訳のプロセスが生じないため、トータルでの翻訳コストは減少する。

今回のファンディングにより、このスタートアップは、サードパーティの開発者らにプラットフォームをオープンにすべく、追加開発を実施する。そして、年内に1000件のコーポレートユーザの獲得を目指す。

この領域において、香港のOne Skyや、フィンランドのGet Localization、シリコンバレーのTransifexなど、いくつかの競合を見ることができる。

【原文】

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