フリマアプリ「メルカリ」iPhoneアプリを公開ーーEastVenturesへの第三者割当増資で5000万円を調達

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山田進太郎氏率いるコウゾウのフリマアプリ「メルカリ」が好調発進の様子だ。7月2日にアンドロイド版がリリースされて以来、5万人以上のユーザーが利用し、出品数は1万点を超え、Google Playのライフスタイルカテゴリでは1位の座を獲得している。

そして3週間を経過した今日の7月23日、待望のiPhoneアプリが公開された。また、同時にコウゾウは松山太河氏と衛藤バタラ氏が代表取締役を務めるEastVentures(イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合)に対して第三者割当増資を実施し、5000万円の資金調達を完了したことも発表している。

mercari_iosapp

開始2週間、1日数百点の出品も

山田氏に話を聞くと、ユーザーの獲得には苦労しているものの、アクティブ状況にはある程度の手応えを感じているようだった。

「現在の状況は予想の範囲内です。傾向としてはやはり女性向けのファッションは多いです。ただ一方で、スマホなんかの家電も売られてるし、出品の幅は広い印象ですね。1日数百点は出品されている状況なので、まだまだマーケットは小さいですが成立している、という感じでしょうか」(山田氏)。

さらにこの状況を支える首脳陣も豪華だ。ウノウ、Zynga Japanと幅広い開発経験を持つ山田氏にバンク・オブ・イノベーション創業の富島寛氏、さらにロックユーアジア石塚亮氏という「技術バックグラウンド」を持つ経営陣は、小さいチームながら安定したサービス提供の実現に大きく寄与している。それぞれ山田氏と数年来の関係で、このタイミングでの集結が実現したらしい。

なめらかな社会を実現する「フリマアプリ」という”新”激戦区

山田氏との話で興味深かったのは、彼がこのサービスを考えた背景に世界中で逼迫するリソースのことを挙げていたことだ。奇しくも昨日は土用の丑の日。うなぎという資源は枯渇の危機にあると言われている。

「世界のリソースは有限ですよね。新しいモノを作ろうとすればエネルギーが必要になる。例えば手元に不要なPSPがあって、別にオークションに出して高値で売りたいわけじゃない。それよりも手軽に人に譲れる方法があれば、こう、なめらかな社会って呼んでるんですけど、そういう世界が実現するようになる」(山田氏)。

彼の考え方は北米で長らく利用されているクレイグスリストに近い。オークションのような複雑な仕組みも大切だが、それよりももっと簡単にリソースを共有できる仕組みは必ず存在する。Zynga Japan退職後の世界一周を経て、彼には何か見えたものがあるのかもしれない。

「普通の人が普通に使えるC2C、それがフリマアプリというカテゴリなんです」ーー。

かつて、内定者として楽天オークションの立上げに参加した山田氏は、じゃマールやビッターズ、ヤフーオークションなどが切磋琢磨して生み出したオークション市場を振り返り、スマートフォン時代の今、新たに「フリマアプリ市場」という活況がやってくると予想する。

この激戦区からどのプレーヤーが抜け出すのか、大変興味深い。

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