Uriel Peled氏は、特許出願中のテクノロジーを活用してQRコードをビジュアルQRコードに変換する、イスラエルのスタートアップVisualead社の共同設立者だ。
奇跡だという人もいれば、文化の謎だという人もいるだろう。だが、イスラエルで生まれたハイテック系のスタートアップの数に関する統計には度肝を抜かれる。人口はおよそ760万人ほどの、この小さな国には約4800社のスタートアップ企業があり、国民1人あたりのベンチャー投資額は世界のどの国よりもはるかに高い。イスラエルは「スタートアップ大国」とも呼ばれ、同国の国民1人あたりのベンチャー投資額は170ドルで、アメリカの70ドルを勝っている。65年前に建国された国にしては悪くない。
イスラエルで生まれた著名なスタートアップを見てみると、最近Googleに買収された地図アプリ「Waze」、車の運転中に前の車に近づきすぎると警告をしてくれるモバイルアプリ「iOnRoad」、そして、国際的な注目を浴びているコミュニティーツールバーの「Conduit」などがある。
イノベーションが最も集中している拠点の1つを育てる同国には大手企業もある —— ナスダックの上場企業である製薬会社Teva(時価総額は430億ドル)や、大勢の頭脳集団によって設立され、時価総額が今では110億ドルにもなっているCheck Pointなどがそうだ。
そこで、イスラエルがどんな要素によって起業に伴うクリエイティビティ、イノベーション、冒険心を育む拠点になっているのかを見てみよう。
徴兵制度:イスラエルでは、ほとんどの市民が大学に進学する前に軍隊に参加する。軍隊においては、若い年齢でテクノロジーの専門家になれることが一般的だ。テクノロジーが戦闘時や軍の通信の重要な要素だからだ。
そして、軍隊内では、起業精神やリーダーシップを奨励する環境と文化もある。軍隊を離れた後には、若い兵士の多くが会社を設立し、テクノロジーを活用したソリューションを通じて世界の問題を解決したいと思っている。あとは、どんな問題を解決するかを考えるだけだ。
大学:イスラエルには政府の奨励だけでなく、ハイファにあるテクニオン–イスラエル工科大学など、テクノロジーを専門にした世界的に優秀な大学もある。大学はある意味において、同じ志を持ち、将来的に一緒にビジネスができるかもしれない仲間と知り合える出会いの場だ。
政府資源:イスラエル政府は若い起業家に思いきってスタートアップを始めてもらおうとアーリーステージの投資を提供している。さらに、企業を投資家に紹介したり、若い企業を支援する提携やプログラムを創出して、若い起業家を支援するために多くのことを実施している。
メンター:イノベーターの最初の世代は今は引退しているが、彼らは次世代のリーダー達に金銭的なサポートとメンターシップを提供している。引退したビジネスリーダー達は、ハイテックスタートアップへの投資家になると同時に、どのようにしてビジネスモデルを構築し、うまく市場に送り込むかについての戦略的な助言を提供している。
イスラエルのスタートアップ企業の強みであり弱みであることの1つは、スタートアップを立ち上げたものの、早い段階で売却して大金を手に入れ、企業を大企業になるまで成長させることがほとんどないということだ。誰だって自分が社長でありたいのは分かるが、経済を大きく成長させるには雇用も必要だ。
イスラエルから画期的なテクノロジーが生まれているもう1つの理由は、同国最初の移住者が手にした資源がわずかだったので、主に砂漠だった土地を開拓しなければならなかったことだろう。だから、農業であれ、テクノロジーあるいはビジネスであれ、イスラエルは開拓心と起業家精神に溢れる国なのだ。
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