ベトナム版UdemyのDeltaViet、オンライン教育を大衆化を目指す

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DeltaViet-Logo-startups-vietnam-udemy-350x118現在オンライン教育は、アジア(そしておそらく世界)でますますホットになっているトレンドの1つだ。これは、ビルゲイツとスティーブジョブズの2人が考えていたものだ。この分野に革命が起きないことに彼らは驚いていた。

しかし、別の人たちがこのコンセプトを推し進め、Salman Khan氏や同氏の運営するKhan Academy、Courseraやこれと密に関係にある世界中の大学、Udemyやその実際の講座によって巨大な進歩がもたらされている。さて、Udemyの始めたコンセプトはベトナムにはすでに根付き、成長し続けている。

DeltaVietは、ベトナムのオンライン教育の新境地におけるパイオニアの1つだ。 順調なスタートを切り、500人の学生と13の講座が今年のちょうど5月からすでに稼働中だ。講座のほとんどは現在のところ、「子供に自分自身で世話をさせる方法」といった実用的な生活スキルと、「創造的スキル」に焦点を当てている。

共同設立者兼CEOのMinh Nguyen氏は、DeltaVietの講座数がもっと増えるよう、例えば実践的なITスキルや人々の日常生活やキャリア生活を向上させる他分野などが増えていくことを望んでいるという。

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DeltaVietの数字について

現在のところ、DeltaVietは主にSMSバンキングを通じて料金を徴収しているが、入学希望者はSIMカード認識によって購入できるスクラッチカードを使ってオンラインコースを支払うことも可能だ。90~92%の収益がこのような支払い方法によって行なわれている。残りの5%はNganLuongのようなインターネットバンキングで、また3%はオフィスでの現金支払いとなっている。

しかし興味深いのはDeltaVietの500名の生徒のうちの半数がベトナムの大都市圏以外の地方に在住している点だ。大都市のホーチミン市の生徒は30%、ハノイでは20%なのだ。これはDeltaVietが都市部以外にも裾野を広げているという証だ。UdemyのようにDeltaVietも売り上げの30~50%を受け取り、そのうち15~20%は通信会社への業務手数料、残りの50~70%が先生の給料となる。

しかしUdemyとは違いDeltaVietの全コースでは小テストが課せられる。Minh氏によると、ベトナム人の生徒は実際にビデオを見たりして習ったことを応用できるとは限らないそうだ。そのため生徒が宿題を提出しなければそのコースでは減点を受けることとなる。余り減点を続けるとDeltaVietがコース終了後に発行する証書をもらえなくなってしまう。注:DeltaVietの証書は現在学術的な意味を持たず、ある一定のパートナー間のみ評価されている。

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DeltaVietの歴史を簡単に

Minh氏によるとDeltaVietの始まりは2009年にさかのぼる。彼は小さなネットワークを立ち上げ、そこでお互いに自己啓発を目的としたサポートグループを支援していた。それは基本的にはソーシャルダイアリーのようなもので、それぞれの経過をシェアしたものであった。同ネットワークは10万人ユーザまでに広がったが、ある日、事情により閉鎖せざるを得なくなってしまった。

2011年、自己啓発や教育に依然として没頭していたMinh氏は、さらにeラーニングの提供に加えて、ソフトウェアもサービスとして提供する(SaaS)パッケージを立ち上げた。コースは、基本的に個人用のKPIを設定する方法を教えるものだ。それに加えて、そのKPIをモニターするのに役立つツールとなる6ヶ月分のソフトウェアパックをセットで発売した。

しかし、2012年についにMinh氏はFounder’s Instituteのプログラムで、 現在DeltaVietの事業開発部門トップであるHieu Nguyen氏に出会った。

「すでに自身の所有するプラットフォームTopicaでオンライン教育の豊富な経験を持つPham Minh Tuan氏の指導の下、私たちはUdemyからのモデルを一層念入りに検討しました。当初は疑問を持っておりましたが、海外に出て調査を重ねていくうちに、このモデルはベトナム市場で非常に実用的な価値があることがわかりました。」

2012年後半から2013年5月にかけ、彼らのチームは新たな講師やトレーナーを同サービスに招くほか、プラットフォームの構築にも取り組んだ。トレーニングコースマニアのMinh氏は、ホーチミンでのトレーニング講座や自己啓発講座にたくさん出席していると言う。なので、彼はすでにどこに依頼するのかを正確に理解していた。初めのうちはチームがトレーナーに試してみてくれないかとお願いをしていたが、今では講師のほうからオンラインに招待してくれないかと連絡してくる。

DeltaVietの将来の展望を簡単に

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Hieu、Minh両氏は、DeltaVietの将来はかなり順調だと話している。コースの増設、さらなる学生の獲得、1~2ヶ月以内のモバイルWeb版のリリース、そしてこの6ヶ月のうちにネイティブアプリのローンチに向けて取り組んでいくという。

また、DeltaVietを私的講座に利用したり、既存の講座を自社組織のために利用している団体や民間企業向けのソリューションをバンドルしていくという。加えて、今後数ヶ月での大幅拡大を狙い、すでにさらなるシード資金を求めている。

VNGといった企業はZuniのような未だベータ段階のプロジェクトに取り組んでいる途中だし、Topicaは自社の認定プログラムを持ってはいるが、正確には実用スキルのカテゴリのものではない。なので今のところ、この分野にはライバル企業は存在しない。DeltaVietの着実な成功もあるから、ライバル企業が現れる可能性もあるだろう。しかし、もう遅いかもしれない。

DeltaVietに関心のある投資家の皆さんのために、同社の概要はこちらから。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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