楽天が今年末までに、シンガポールでショッピングサイトをローンチへ

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日本のEコマース巨人の楽天が、2013年第4四半期にシンガポール・サイトを立ち上げるとSGEに語った。楽天は既にシンガポール向けの発送を行っているが、新サイトはよりシンガポールのショッピング特性に最適化されたものになるだろう。

販売するのは、日本関連書籍、ゲーム、日用品、電化製品、おもちゃ、スポーツ関連、ファッションなどだ。シンガポールサイトでは楽天スーパーポイントが提供され、ユーザ同士でポイントを貯め合うこともできる。楽天の世界版サイトにおいて、シンガポール・ユーザがアジアのユーザの大きな割合を占めていたことから、今回の決定に至った。シンガポールにおいて、日本製品に対する高いニーズがあることが明らかになった。楽天シンガポールのビジネス・アソシエイト Haider Aly-reza によれば、ファッション・アイテムはシンガポール人が特に好む日本製品のようで、さらに、おもちゃ、時計などと続く。

楽天はこのところ国際展開に積極的だ。アメリカでは多くのEコマース企業を手に入れ、物流会社の Webgistix を買収したり、Pinterest に出資したりしている。ここアジアでは、1,000万ドルのスタートアップ・ファンドを発表し、シンガポールにはアジア本部を開設、中国、台湾、マレーシア、タイ、インドネシアでは、他社との協業または単一でオンラインストアを立ち上げている。

世界的に見て、Eコマース分野の争いは次第に激しくなっている。Amazon は昨年610億ドル、中国の Alibaba は1,700億ドルをそれぞれ売り上げているが、楽天の売上は 46.5億ドルに留まっている。昨年4,470億ドルを売り上げているウォルマートにこの3社の売上を比較すれば、Eコマースにはまだまだ成長の余地があることがわかるだろう。

シンガポールは518万人しか人口のいない小さな国だが、ウェブやモバイルが普及しているのに加え、個人消費が高いため、魅力的なオンライン小売市場と見られている。Eコマース・プレーヤーはこのことをわかっていて、昨年には、Rocket Internet、Qoo10(訳注:韓国 G-Market の世界ブランド)、Anchanto、ShopAbout などが消費者の財布を狙ってシンガポールに拠点を開設し、市場がヒートアップするに至った。Taobao(淘宝)の広告はタクシーの中でも流れている。

楽天の各国に対するアプローチはさまざまで、インドネシアでは MNC Group とのジョイントベンチャーを試みたが、これがうまく機能しなかったため、現在は楽天の Belanja Online が運営を継続している。シンガポールでは、当地の開発者コミュニティを巻き込み、「楽天スタートアップ・チャレンジ(情報開示:SGE は、このコンテストの宣伝のために、楽天から資金提供を受けている)」を組織し、参加者は楽天APIを使ったオンラインストアの構築方法を教わっている。

「楽天スタートアップ・チャレンジ」のファイナリストの一人である John Lau は、スタートアップを構築する上で、技術とビジネスのバランスが重要だということがわかり、この点において、アジアの他のコンペティションやハッカソンとは大きく性格が異なったと話した。彼は、このAPIが将来的に、複数言語に対応することを期待している。

ファイナリストのトップ3人の顔ぶれが決まり、彼らは一般ユーザが Facebook 上で最もクリエイティブなコメントを投稿することで優勝を競う「Kawaii Challenge」で強力にプロモートされている。このコンテストは、今年の年末に姿を見せる、楽天のシンガポール・サイトの呼び水にもなるだろう。

【via SGE.io】 @SGEio

【原文】

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