モバイルコマースがマレーシアで流行っていると言う人がいる。しかし、それは本当だろうか?
ここ数年「モバイルコマース」が世間を賑わせているが、ここでもそうなのだろうか?
マレーシアのマクロ環境とはどのようなものだろう?私たちはどのようにモバイルコマースの成長を予測したらよいのだろうか?
モバイル vs デスクトップ
まずは、ユーザのインターネットへのアクセス方法に関して調べてみる必要がある。
StatCounterによると、マレーシアでのモバイル使用率は2012年5月から2013年5月にかけて10%から20%に増加している。つまり、1年以内にほぼ倍増しているのだ。
つまり、eコマースサイトのトラフィックのうち20%がモバイル経由である可能性が高いということだ。さらに言えば、オンライン売上の20%がモバイルによるものということになる。
なぜ成長がとても重要なのだろう?様々な研究データによるモバイルデバイスの普及率と予想から、現状について見てみよう。
マレーシアにおけるスマートフォン普及率
マレーシアはおよそ137%と比較的高い携帯電話普及率を誇る国なので、スマートフォンの急速な利用率の増加も驚くべきことではない。
以下は幾つかの情報源を選び、要約したものだ。
- (a)GfK Asia:(出典:2012)「スマートフォン普及率の高い市場はマレーシアとシンガポール。すでに88%に達している。」
- (b)Nielsen:(出典:2012)「マレーシアのスマートフォン普及率は27%」
- (c)McCann:(出典:2013)「マレーシアの全人口のうち、ほぼ60%が2年以内にスマートフォンを所有することになる」
GfKとNielsenのレポートの間に大きな差があるが、私はNielsenと、「マレーシアでのスマートフォン普及率が30%前後である、というのがより論理的だ。」としているこの非科学的な調査を共に支持したい。
若年層のスマートフォン利用の増加を狙ってマレーシア政府が奨励策を設けてきたので、2013年現在の数値は少し高いかもしれない。現在の成長率に基づけば、「マレーシアにおけるスマートフォン普及率は、2015年には60%に達する」というMcCannの予測に賛成せざるを得ない。
マレーシアのタブレット普及率
では、タブレットはどうだろう?スマートフォンと同じくタブレットも20%のモバイルトラフィックに一役買っているデバイスの1つだ。
タブレットはマレーシアの人口の9%にまで普及しており、Ericsson ConsumerLabは将来的には29%に達する可能性があるとしている。(出典:2012)
利用者はスマートフォンとは別にタブレットを購入する。だから、スマートフォンよりもタブレットでの買い物をユーザは好むと主張するのは難しい。
マレーシアにおけるモバイルコマースの市場規模
では、マレーシアの人々はモバイルでお金をいくら使うのだろうか?
Nielsen・PayPalの分析によると、マレーシアにおけるモバイルコマースの市場規模は2011年当時は4億6700万リンギットだった。 そのうち、3億3700万リンギット(72%)はスマートフォン経由で使われており、1億800万リンギット(23%)はタブレット経由で使われていた。
同資料によれば、2011年のオンラインコマース市場の総額は19億7000万リンギットだった。24%近くがモバイルデバイスによるものだという。
Nielsen・PayPalは、2015年のeコマース市場の総額を56億7000万リンギット、そのうちの60%(34億3000万リンギット)がモバイル利用によるものになると予測している。24%から大幅な伸びだ!
モバイル時代、次に来るのは?
モバイルコマースはマレーシアに馴染み、成長し、オンライン小売業者が無視できないものになった。
特にオンライン小売業者、eコマースプロバイダ、プラットフォームの観点から、次回は以下のポイントを探っていきたい。
- 1. マレーシアの人々は、どのようにスマートフォンやタブレットを利用するのか?
- 2. モバイルアプリやモバイルウェブは(レスポンシブウェブデザイン)?
- 3. 地域密着型オンライン市場や小売業者はモバイル向けの準備はできているのか?
- 4. モバイルコマースでより多くのことを行うには?
この連載の第2部はこちらから:マレーシアのモバイルコマースの状況(その2)
「マレーシアにおけるモバイルコマースの状況(その1)」は、初めe-commerce miloに投稿された。
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