ソーシャルグラフを使ったウェブサービスのコンペティション「Graph Hackアワード2013」が開催

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2013.10.4

graphhackaward2013-featured

サノウラボは、GMOアドパートナーズが運営するインターネット・サービスの研究開発イニシアティブだ。サノウラボは毎年 Graph Hack Award というコンペティションを毎年開催しており、スタートアップ各社がソーシャルグラフを活用したサービスで凌ぎを削っている。

昨日、サノウラボは Graph Hack Award 2013 の授賞式を行い、ファイナリスト5社が審査員、投資家、メディア等の前でピッチを行った。これらファイナリスト5社について見ていきたい。グランプリ受賞者には100万円、それ以外のファイナリストには、それぞれ15万円の賞金が送られた。

なお、審査を行ったのは次の方々だ。

  • グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー 高宮慎一氏
  • 小学館デジタル事業局新規事業室室長 高橋芳明氏
  • DeNA Mobage統合事業本部 椙原誠氏
  • ドコモ・イノベーションベンチャーズ 三好大介氏
  • 松本真尚氏(元Yahoo Japan CIO)
  • Paperboy & Co 代表取締役社長 佐藤健太郎氏
  • GMOアドパートーナーズ 代表取締役社長 高橋信太郎氏

<グランプリ受賞> ohaco

  • ohacoザワット 原田大作氏

ohaco は、カラオケに行く相手を見つけられるサービスだ。時代とともにカラオケニーズは多様化しており、以前は職場の終業後などに同僚と行くケースが多かったのだが、最近では「ひとりカラオケ」なども一般的だ。一人でカラオケに行くと寂しいので、自由にカラオケに一緒に行ける友人を誘えるサービスが ohaco である。

Facebook ログインによって、ユーザ・プロファイルからインタレストを抜き出し、音楽の嗜好などの条件が合うユーザをマッチングさせ、一緒にカラオケに出かけることを促す。10/3から Twitter ログインにも対応した。グランプリ受賞賞金(100万円)を使って、100人規模のソーシャル・カラオケ(ソーシャル・グラフによるマッチングで、100人を集めたカラオケ)を実施してみたいと原田氏は抱負を語った。

ザワットはこれまでに、募集コミュニティの WishScope をリリースしているが、本イベントでグランプリ受賞した「ohaco」に加え、KDDI∞Labo でインキュベーション対象に選定された「スマオク」なども、すべて同じ WishScope エンジンという、ソーシャル・グラフ技術をベースにしたものだということだ。将来的には、これら複数サービスを連携し、インタレスト・ベースのサービス・ブティックを作りたい計画のようだ。

<優秀賞> planBCD

planBCD はウェブサービスのUI改善を効率化するグロースハック・ツールだ。ウェブサービスのA/Bテストを用意に実施することができ、この一連の作業をクラウドソーシングすることもできる。これまでのPC画面のテストに加え、10/3 からスマートフォンUI への対応を開始した。競合の Growth PushFello は、スマートフォンに特化した A/Bテストを提供しているが、planBCD のスマートフォン対応に伴い、この分野の争いはさらに激化するものと考えられる。

<優秀賞> Street Academy

Street Academy は、C2C で教える機会を提供するプラットフォームだ。人に何かを教えたい人に、講座を開設し、生徒を集め、授業料を決済する機能を提供する。2012年8月のサービスローンチ以降、これまでに450講座が開設されており、1講座平均で2〜3回授業が実施されているので、通算で1,000回程度の授業が開催されたことになる。一回あたりの授業単価は2,000円〜3,000円で、主にウェブ技術、写真撮影、ヨガなどの講座に人気があるということだ。

<優秀賞> STORYS.JP

STORYS.JP は個人が持つ背景、ストーリーを伝えることを目的としたサービスだ。平均的な人々にとっては、いきなり長文を書くのは辛いので、まずはタイトルのみを共有し、その話の内容に興味を示した他のユーザが集まった段階で、文章の執筆を促す。ユーザはその行動から次の3つのパターンに大別されるとのことだ。

  1. 他の人のストーリーを読むだけの人
  2. サービスを使い始めて、自分の数度書いたり、他の人のストーリーを読む人
  3. ヘビーユーザー

特に 3. においては、STORYS.JP は執筆するストーリーの投稿数には制限は設けていないので、中には、16回にわたって連載しているユーザーも居るという。

<優秀賞> ietty

  • iettyietty 小川泰平氏

大手不動産会社出身の小川氏が、不動産賃貸市場に風穴を開けるべく開発したサービス。不動産業者にとっては、顧客が不動産屋を訪ねてくれるのを待つ「待ちのビジネス」。一方、顧客にとっては、掘り出し物の物件を見つけるには、不動産情報ネットワークには載らない物件を探すべく、物件地元の元請不動産業者を訪ねる必要がある。

ietty では、従来の不動産サイトように陳列された一覧からユーザが物件を探すのではなく、ユーザから希望する物件情報を提示し、それに見合った物件を不動産業者から紹介してもらう。非公開の物件情報も入手できるため、顧客は掘り出し物の物件を見つけられる可能性が高くなる。不動産業者は成約ベースで手数料を ietty に払うため、導入リスクが極小化されている。2013年6月にベータ版を公開し、これまでに不動産業者8社と提携している。


ソーシャルなサービスが、ソーシャルなだけで完結していたのは2012年までの話。今年は、ソーシャルにO2Oの要素を盛り込み、マネタイズにつなげようという動きが加速している。この種のビジネスは、Eコマース等と違って、一定規模の売上が見込めるようになるまでには相応の時間が必要だ。

特に、先日の500videos の記事にも書かれていた AirBnB の努力のように、ユーザとコンテンツの〝ニワタマ問題〟を解決するには、ネットワーク効果が現れるまでは結局のところ、最初は自分の手足を使って、良質なコンテンツを集めるべく額に汗するしかない。今回、ファイナリストに残ったスタートアップ5社は、程度の違いこそあれど、まさにこのフェーズにあるようだ。近い将来、いいサイクルに転じることを信じて邁進してほしい。

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Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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