日本のソーシャルゲーム業界の課題と将来 #bdash

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(左から)モブキャスト 佐藤崇氏、インブルー 大冨智弘氏、gumi 國光宏尚氏

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、B Dash Camp 2013 in 大阪の取材の一部だ。

B Dash Camp 大阪の1日目、ソーシャルゲーム業界の素晴らしいパネルから話を聞く機会を得た。モデレータは、株式会社ディー・エヌ・エー取締役の小林賢治が務めた。パネリストは次の通りだ。

  • 國光宏尚氏 株式会社gumi 代表取締役社長
  • 大冨智弘氏 株式会社インブルー 代表取締役社長
  • 佐藤崇氏  株式会社モブキャスト 取締役 CSO

gumi の陽気なCEO國光氏の居るパネルは、いつも堅苦しくない。軽快な声調とは裏腹に、日本のゲーム・デベロッパが今日直面する多くの課題へと話は進んでいった。

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gumi 國光宏尚氏

モデレータの小林氏は、アプリの中でもゲームは明らかに高成長を見せており[1]、中でもパズル&ドラゴンズや、キャンディクラッシュ、クラッシュオブクランズは極めてよい状態だ。小林氏によれば、コンソールゲームメーカーでさえ、これらのアプリゲームの成功をマネしようとしている。しかし、これら多くのゲームはアプリストアで見られなくなっており、大ヒットを出していない限り、環境は非常に厳しいと述べた。

國光氏は、ゲーム業界をゴールドラッシュに例え、金を執拗に掘り続けるなら死んでしまうだろう、ゲーム業界でそれをやるのは、非常に大変な作業だ、と述べた。

金を執拗に掘り続けたら、おそらく死んでしまだろう。それをゲームでうまくやるとしたら大変な作業だ。だから、自分の子供には、ゲーム業界を勧めないつもりだ。

グローバル化するのは、さらに困難を伴う。

多くのデベロッパはアプリを作り、それを英語にして「ローンチ」のボタンを押したら、うまく行くと思っている。しかし、ローカライズしなければならない。競争が激しくなく、市場が成熟していないうちは、それでも悪い状態にはならない。しかし現在は、ローカライズ化/リージョナル化が極めて重要だ。

國光氏は自らの会社 gumi を立ち上げ、グローバルに成長させてきた。最初は大変だったが、シンガポールで開発したゲームが現在は非常にうまく行っている。(関連記事

モブキャストの佐藤氏は、今日のゲーム・クリエイターが直面している問題は、注意を怠ると、彼ら自身を自らの本分から遠ざけてしまうと指摘する。

多くの問題と対峙しなければならないゲームクリエイターにとって、さまざまな問題の解決が彼らの本分ではない。彼らは自分達のやるべきことに集中してほしい。

佐藤氏は、新しいゲームクリエイターを見つける活動についても言及した。

クリエイターをやる気にさせるのは難しいが、CEO の薮はこれについて、よい手応えを得ている。我々はよいクリエイターを求め続けるが、新しい誰かを探し出すというよりも、そういう人を育てなければならない。

インブルーの大冨氏は、ゲーム・デベロッパが直面している挑戦は、大きな問題であるという意見に同意した。しかし、これは問題解決を支援するサービスにとっては、むしろチャンスになるのではないかと述べた。

私は一人で会社を作ったが、Github や GMO、ミクシィの DeployGate(大変便利)などの外部サービスを使って来た。このようなサービスが参入する余地は大きいと思う。

國光氏は甲高い声で、「来年ここでまた会えたら、いい話をもっとできるといいですね。」と述べ、誰も必ず勝てるアイデアなんて思いつかない、とパネルを締めくくった。

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インブルー 大冨智弘氏

  1. 日本で比較的安定しているブラウザゲームと比べて、それほどの成長はまだ見せていない。

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