京都大学発の6,000万ドルの新ベンチャーファンドは、京都をイノベーションの中心にできるか?

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みやこキャピタルの藤原健真氏と岡橋寛明氏
みやこキャピタルの藤原健真氏と岡橋寛明氏

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

我々がBダッシュキャンプの大阪出張から戻ってくると、西日本の、京都からさらに新しいニュースがあった。京都大学や京都発の起業活動を支援することを目的として、京都大学によって開始された6,000万ドルの新ベンチャーファンドが公式に発表されたのだ。

この基金の焦点となる分野は、情報/通信技術、生命科学と生物工学、農産食品、そして環境とエネルギーになるだろう。

京都大学は、このファンドを管理するために、新しく作られたみやこキャピタルを指定した。私は、この取り組みについてさらによく知るために、岡橋寛明氏 (取締役副社長) と藤原健真氏 (ベンチャーパートナー) らから話を聞く機会を設けた。

彼らのチームは、取締役に石原紀彦氏を含み、山口哲史氏が同社の代表取締役社長となる。山口氏は、JAFCO在籍時代に多くの国境を越えた経験を持つ。主に金融のバックグラウンドを持つ多くのベンチャーキャピタルとは異なり、みやこキャピタルチームの多くは、起業と経営の経験を持っている。 彼らはそれを他のベンチャーキャピタルとの大きな違いと見ている。

文化的優位

京都は通常、特有の景観と禅の雰囲気など、豊かな歴史を持つ主要な観光地として知られている。岡橋氏は、西日本、特に京都に興味があると説明した。京都は、スティーブ・ジョブズとラリー・エリソンのような有名な技術革新者がインスピレーションを求めた結果、見つけた場所である。

京都の金閣寺、またはゴールデンパビリオン
京都の金閣寺、またはゴールデンパビリオン

この町の文化的な優位は「革新の中心となる可能性を与える」文化的信頼性と新しいビジネスアイデアを融合できる場所である、と彼は付け加えた。

もちろん、創造的な西と対照的な産業的な東 (東京) は、アメリカに存在する対立を思い起こさせる。

もちろん京都にはまだ長い道のりがあるが、京都大学は、国境を越えても、先進的な研究で有名である。岡橋氏は、みやこキャピタルの最初のいくつかの投資は、京都大学 (またはいくつかの京都起業家) からなるが、彼は国内の投資基準を制限していないと語った:

「もし京都ブランドや京都大学の技術を追加することで、相乗効果が現れる可能性のある企業があれば、私達は喜んで日本国外の技術に投資する」

この基金には多くの潜在的な投資家がいると彼は付け加えた。新しい技術やビジネスを求めるが、そのようなビジネスへの投資や調達の経験を欠く製造業者などである。みやこキャピタルは、京都大学に蓄積された知的財産権を利用することで、彼らのそのような溝を埋めることを望んでいる。

最近の技術の世界では、京都はおそらく、任天堂や京セラのような巨大企業の本拠地として知られている。しかし、京都はまた、来るべきIPOに備え、東京に新しい事務所を開いたインターネット企業、はてなのホームタウンでもある [1]。藤原は、それは京都の企業に確実に続いて欲しい一種の運動のようなものだと言う。私が最近の有望な京都の起業について尋ねると、彼と岡橋氏は、ここ日本で現在多くの人に頻繁に利用されているGyazoスクリーンショットサービスのNota.社を挙げた。

岡橋氏と藤原氏は共に、彼らも同様に、もっと多くの起業家が京都に来ることを望んでいると言う。そして私はこれが困難なことではないと思う。京都は非常に素晴らしい場所であり、機会があれば、世界中の起業家はそこで過ごす時間を望むだろう。うまくいけばこの新しい基金は、京都大学を介してここ日本と海外の両方から、市内に対するより多くの関心を促進し得るだろう。


1.偶然にも私達は大阪で、任天堂の代表取締役社長岩田聡氏と話す機会を設けた。それに関してはここで読むことができる。現在、私の好きな京都の企業は、ゲーム開発企業Ponosである。同社のにゃんこ大戦争は素晴らしい。またQOOQのアプリYesterscapeの大ファンである。

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