電子回路基板設計CADの「Quadcept」が、Innovation Weekend Grand Finale 2013で優勝

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2013.12.13

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

Innovation Weekend は、東京を拠点とするスタートアップ・インキュベータ、サンブリッジ グローバルベンチャーズが開催する月例ショーケース・ミートアップ・イベントである。毎年12月に大きなイベントを開催し、ピッチセッションでは、毎月のベストスタートアップの中からさらなるベストを聴衆の投票で選ぶ。今年は、大阪を拠点とするスタートアップ Quadcept が電子回路基板設計ソリューションのアイデアで優勝を勝ち取った。

Quadcept(優勝)

電子デバイス製作業界の工場では、電子回路基板の設計ツールを購入する必要がある。概ねこれらのツールはパッケージ・ソフトウェアとして供給され、一ユーザライセンスにつき、初期料金8万ドル、毎月のメンテナンス料金1万ドルなど、多くの費用がかかる。しかし、工場の多くはすべての従業員にこのパッケージを配る予算を持っておらず、これがデバイス製作業界の生産性を落とす一要因となっている。

Quadcept は、このソリューションをクラウド化した。料金は何ライセンス使うかにより決まり、年または月単位で支払うことができ、初期料金が不要だ。Maker FaireGugen のようなイベントをスポンサーすることで、ガジェット制作コミュニティを積極的に支援している。来年には世界展開を開始する計画だ。

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Quadcept


この機会には、日本、台湾、タイから傑出したスタートアップが12社以上集まり、アプリやサービスを日本のスタートアップ・シーンの聴衆にピッチした。すべてを本稿でカバーすることはできないが、いくつかの新顔を紹介しておきたい。

VisasQ

VisasQ は、ソーシャルグラフを利用した、スポット・コンサルティング・プラットフォームで、ユーザは専門家からアドバイスを得ることができる。同社の創業者である端羽英子(はしば・えいこ)氏は、インベストメント・バンカーを務めるなど、輝かしい経歴を持っている。しかし、彼女が多くのクラウドソーシング・プラットフォームで仕事を探そうとしたとき、自分のできそうな仕事が見つからず失望した。そこで彼女は、人々がスキルよりも、経歴や専門性を共有できるプラットフォームを作った。

このコンセプトは、世界中に居る25万人の目的別専門家からコンサルテーションやアドバイスを提供するトップ企業 Gerson Lehrman Group(GLG)にインスパイアされた。端羽氏は、このようなスポット・コンサルティング・サービスを、従来のサービスの1%のコストで提供しようとしている。彼らのチームには、有名なグループウェア・ソリューション Rakumo で以前働いていたエンジニアがいる。

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VisasQ

Pathee

渋谷のカラオケバーで遊びに行きたいとき、Google 検索や Google マップを使い、「カラオケ」や「渋谷」などのキーワードを投入して最寄りの店を探そうとするだろう。しかし、その検索結果は、そのショップチェーンのリストだったり不適切な回答が返却され、最寄りの店の場所を探すのに、さらなる努力を求められる。

東京を拠点とするスタートアップ Tritrue は Pathee という空間検索エンジンを開発した。GPS 技術と流行しているテーマの情報関連性を活用し、今いる場所から5分以内の建物に結果を絞り込むことで、求めているものに対する適切な情報を提供してくれる。このようにして、あるイベントの会場近くの駅に着いたとき、アプリを使い、イベントの名前を入力するだけで、地図上に会場への行き方が表示される。もはやそのときにには覚えていないだろう、会場名や住所を入力する必要がない。同社はサムライインキュベートのスタートアップアイランドを拠点にしている。

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Pathee

ClickonCake

ClickonCake はウェブサイト上でのオーダーに基づいて、日本のどこにでもバースデーケーキを届けてくれる。同社の創業者である長沼真太郎氏によれば、彼の実家は北海道で菓子メーカーを営んでいる。このビジネスをより大きくするため、彼はバースデーケーキに特化したデリバリーサービスを開始し、現在は毎月800万円を売り上げている。

工場からユーザにケーキを届けるのには2日間かかるが、彼はこの時間を短くする必要があると考えている。ケーキを買う人の多くは、愛する人にケーキを買おうと気づくのは、その人の誕生日当日だからだ。そこで長沼氏のチームは、首都圏に複数の配送センターを開設し、これらのセンターで保存ができるよう冷凍タイプのバースデーケーキを開発した。こうして、ユニークなデザインのバースデーケーキを即日配達可能な選択肢をユーザに提供する。街のお菓子屋さんとも競争ができるようになる。

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ClickonCake


Waygoapp

Waygoapp は文字認識技術を使ったモバイル翻訳アプリだ。アジア地域に来る欧米人旅行者にとって、街での大きな障害の一つは漢字だ。多くの看板やメニューに、英語の字幕はついていないことが多い。よくわからない言葉でもアルファベットの言葉なら、Google 翻訳や他の機械翻訳サービスが使えるだろう。しかし、モバイルに漢字の入力方法がわからなければ、この方法はアジアでは通用しない。

よくわからないが意味を知りたい言葉を見つけたら、それにケータイのカメラをかざし分析させるだけだ。画像に重なる形で、英語の字幕が表示される。このアプリは、中国語から英語に翻訳できる iOS 版のみ提供されているが、Android 版や、日本語から英語へ翻訳版も近日リリースされる予定だ。

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Waygoapp


海外からのすばらしいゲスト

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シンガポールのスタートアップ・エコシステムに関するパネル。左から:堀口雄二氏(IMJ Fenox)、Kenny Lew(Entreport Asia)、Vinnie Lauria(Golden Gate Ventures)、平石郁生氏(サンブリッジ グローバルベンチャーズ)

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グローバル・スタートアップの立ち上げ方に関するパネル。左から:高橋雄介氏(AppSocially)、原田卓氏(Peatix)

“summercamp"/

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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