全てのビジネスマンのプラットフォームにーービジネスノウハウまとめ「U-NOTE」が数千万円規模の資金調達を実施

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ビジネスノウハウまとめサービス「U-NOTE(ユーノート)」を運営するは、U-NOTEは、ベンチャーユナイテッドの運営するベンチャーキャピタルファンドとANRIを割当先とする第三者割当増資を実施したことを発表した。金額は明らかになっていないが、数千万円規模の調達だという。

U-NOTEはビジネスノウハウのまとめサービス。イベントで話された成功秘話や、プレゼン・営業などの秘訣、すぐに役立つ仕事術など、雑誌やニュースでは手に入らない情報をビジネスマン向けに提供することを目的として運営している。現在、主なユーザは20~30代の若手ビジネスパーソンが中心。

U-NOTEは約1年前の12月10日、partyfactory、VOYAGE VENTURES、MOVIDA JAPANの3社から総額1100万円の資金を調達しており、今回で二回目の資金調達となる。昨年調達した時点ではU-NOTEはイベントまとめプラットフォームという方向性だった。

U-NOTEの変遷

U-NOTEは最初、リアルタイムのノート共有サービスとして2012年7月にリリースされた。本誌は当時U-NOTE代表の小出悠人氏にインタビューを実施し、サービスローンチについて報じている

その後、U-NOTEはイベント情報をまとめるサービスへとフォーカスポイントを変えて運営されていたが、2013年の半ばに再度方向の修正を実施。この変更がU-NOTEに成長をもたらした。

「ビジネスマンのためのノウハウまとめ」という軸のサービスへとシフトしたあと、PV、UUなどの規模は毎月140%以上の成長を続けているという。経営者の話や、プレゼン・営業のコツといった誰にでも共通するようなビジネスマンとしての基礎能力の向上方法、IT系サービスの話題が特に人気の領域となっている。

小出氏は、フォーカスする領域の変更について、このように語っている。

半年前に現在の方向性へとかじを切りました。それまではイベントという軸でやっていましたが、イベントのレポートをしていた理由は、「イベントに登壇するような人が持つノウハウがコンテンツになる」ということでした。

人々、特にビジネスマンは誰かのノウハウや、ストックとなるコンテンツを求めているということに気づき、そこにフォーカスして長く役に立つビジネスノウハウを集めるサービスにしました。

先日、本誌でも紹介したインテリア系まとめ「iemo」や、最近注目を集めている「女の子」向けキュレーションメディア「mery」など、「縦型(バーティカル)」なメディアが散見されるようになってきている。U-NOTEも、バーティカルメディアのひとつとも考えられる。

だが、小出氏はあくまでウェブサービスであり、メディアとして運営していくつもりはないと語っている。

U-NOTEはメディアではなくウェブサービス

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U-NOTEは、メディアではなく、あくまでもウェブサービスだと思って運営しています。既存のサービスでは、クックパッドをイメージしています。主婦にとってその日の献立の意思決定担っているのであれば、僕らはビジネスマンの仕事領域における意思決定を担っていきたいと考えています。

今は内部でコンテンツを作成しており、今後は外部へと書き手を開放していきたいと思っています。後々はコンテンツを集める手段として、CGMのようになっていくと考えているので、その点でもサービスだと位置づけています。

U-NOTEは現在、1日に20〜30記事ほどを掲載しており、3ヶ月以内には毎日100本、月3000本掲載できるようにしていきたいと考えているという。フローとなるコンテンツよりも、1年経っても色褪せないようなストックとなるコンテンツを生産していく方針。マネタイズ手段は現在、バナー広告、ブランドコンテンツの2つ。今後、サイトの成長とともに課金モデルを考えているそうだ。

圧倒的に働く起業家と長く戦えるチーム

方向性が決まり、やることが見えてきたU-NOTEのチームに出資したのがベンチャーユナイテッドの丸山聡氏と、ANRIの佐俣アンリ氏だ。今回の出資にあたり、お二人にも話を伺った。

丸山氏:最初に会ったのはノートの共有サービスを運営していたころ。今年の夏に話を聞いたときには、現在のU-NOTEの骨格がスタートしていました。ビジネスノウハウのプラットフォームというのは、面白い世界観を作ることができるのでは、と感じました。

丸山氏とアンリ氏が共通して話していたのが小出氏のストイックな姿勢についてだ。

アンリ氏:私が小出さんと知り合ったのはここ半年のこと。話しているうちに、強い意志を持った起業家であることがわかりました。意思があることにも関連しますが、とにかく働く人だという印象を持ちました。ワーカホリックな人というか。最近の起業家はあまり働かない中、小出さんはずば抜けて働くんです。

現在でのプロダクトや市場性を評価したというより、この年齢とビジネスステージでこの状態なのであれば、いずれ確実に世界を変えるプロダクトを世に送り出すと感じたので、支援を決めした。

丸山氏も、起業家としてのストイックな姿勢を評価しており、

丸山氏:小出さんはこれまで試行錯誤しながら成長してきました。その成長度合いを考えると、まだまだ成長の余地を感じさせてくれます。

と語った。それを受け、小出氏は、

小出氏:丸山さんは一緒にプロダクトを作っていこうという意思を示してくれた人。これまではそうした方はいなかったので、一緒にやりたいと思いました。アンリさんはサービスというよりは、私のことを信頼してくれているのを感じているので、お願いします、という話になりました。

と2人の投資家についてコメント。小出氏、丸山氏、アンリ氏は、良い関係を築いていることを感じさせるチームで、丸山氏とアンリ氏もその点について以下のように語ってくれた。

丸山氏:この事業は長い期間かかる可能性があります。その点、このチームは待つことができるチームだと考えています。投資家としては小出さんの力を最大限引き出しつつ、戦い続けるためにどうしたらいいかを考えていければと思います。

アンリ氏:長く強く戦っていけるように支援するのが投資家の仕事。長く強くチーム作りを支援できたら、と考えています。

ビジネスマンにとってのパートナーのような存在に

U-NOTEは2014年、2015年で、10万記事を生産することを目標としている。今回調達した資金で、開発体制の強化、コンテンツの拡充、スマートフォンアプリのリリースなど、サービス規模の拡大を図る。

現在日経新聞がフロー型コンテンツにおいて日本のビジネスマンのパートナーとなっているように、ゆくゆくはU-NOTEがビジネスにおけるストック型コンテンツを扱う代表的な存在としてビジネスマンのパートナーとなることを目指す、と小出氏は今後の目標を語ってくれた。

左からアンリ氏、小出氏、丸山氏
左からアンリ氏、小出氏、丸山氏

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