フードロス問題に焦点をーーWWFジャパンが食べ残しご飯と腹ぺこな友人をマッチングするアプリ「ZANPANDA」 をリリース

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zanpanda

約100カ国で活動している環境保全団体WWFネットワークのひとつ、公益財団法人「WWFジャパン」は、食べ残しの多くなる忘年会・新年会のシーズンに合わせて、食べ残しを友人や周りの人へ簡単におすそわけできるiPhoneアプリ「ZANPANDA」をリリースした。

WWFジャパンは、このアプリを通じて日本人の食生活が環境に与えている影響や、環境に配慮した「食べ方」を考えるきっかけを提供することを目的としている。同アプリはアサツーディ・ケイとカヤックの協力により実施されている。以下は同アプリのイメージ映像。

実際に誰かが残したご飯をどれくらいの人が食べたいと考えるかはわからない。少なくとも筆者が学生の頃や、独立したてで食うに困っていたころにこのアプリがあれば、頻繁にチェックはしていたのではないかと思う。

世界のフードロス問題

ZANPANDA

このアプリは、日本および世界のフードロスの問題に焦点を当てることを目的としている。日本において、1年間に捨てられてしまう食べものの量は、世界の食料援助の総量の倍以上だと言われている。多くの食べものを捨てていることから、「飽食」などと呼ばれており、セカンドハーベストと呼ばれるフードロス問題に取り組むNPOも存在している。

消費者庁の「食べもののムダをなくそうプロジェクト」によれば、平成22年度の推計で日本では、年間約1,700万トンの食品廃棄物が出ており、このうちまだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は年間約500~800万トンにもなるという。これは各家庭における一人当たりの食品ロスは、1年間で約15kgと試算され、ご飯1食を250gとすると、60食分だという。

食料の生産から消費に至るまでのプロセスには、大量の化石燃料や水・土地などをはじめとする自然資源が使われている。資源の有効活用や環境保護の観点からも、フードロスの削減に取り組むことは重要なことだ。そのため、WWFジャパンは今回このような取り組みを実施している。「ZANPANDA」によって、フードロス問題が解決するわけではないが、同アプリによって食事を残すという行為がもったいないことであることが多くの人に伝わる可能性がある。

今年の初めには、WWFとデジタル領域に強みをもつクリエイティブエージェンシーのAKQAが制作したiPadアプリ「WWF together」が、2013 Apple Design Awardsを受賞したことがWiredで紹介されていた。こうした啓発の意味を含めたアプリが今後増えていくかもしれない。

可能であればキャンペーンのような一時的なものではなく、ユーザが使いたくなるようなアプリにこうしたメッセージが込められていることが望ましいが。「ZANPANDA」のiOSアプリはこちらからダウンロードできる

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