クラウドソーシングの可能性を違った角度からみせてくれているのがMUGENUPだ。ランサーズやクラウドワークスといったプラットフォーム型ではなく、キャラクターというテーマに特化することと、積極的に働き手をコントロールすることで独自のポジショニングを確立している。
そんな彼らが2014年に入り、新しいチャレンジに乗り出した。メディア運営だ。
MUGENUPが1月9日から公開している「みなゲー」(みんなのゲーム攻略の略称だそう)は、モバイルゲームに関するリリースニュースやゲーム攻略を扱うサイト。1月17日時点で数本のレビュー記事がアップされている。内容はさておき、注目はやはりその運営方法だろう。もちろんクラウドソーシングを活用する。
ライターをクラウドソーシングで集める方法は別に新しい方法ではない。クラウドソーシングのプラットフォームには多数のライティング依頼やライター登録があるし、実際に使っているブログメディアなんかも知っている。今回のテーマのようなレビューものも取り扱われるテーマとしては多い。価格は1記事で数百円から数千円が多いだろうか。
一方で、(これは私のメディア運営経験も含めて)クラウドソーシングを使ったライターへの依頼というのはそう単純なものではない。書き方や切り口、ましてや書いた内容がどこかの記事のコピペだった、なんていうのもよく聞く話だ。正直笑えないことは沢山起こる。
そのあたりの課題も含めて、MUGENUP代表取締役の一岡亮大氏に話を聞いたが、やはり現在運営しているキャラクターデザイン同様、工程を分けた形でのライター依頼を実施する様子だった。具体的にはこうだ。依頼するクラウドソーシング先のライターは書く技術やゲーム知識に幅があることが予想される。そこで素材を集める人やライティングといった攻略レビューを書くにあたっての要素を工程に分類し、分業制を取っているというのだ。
「ひたすらゲームをやって一言コメント残してもらったり、キャプチャを取る人と、それをまとめて書くライターを分けたりしています。現在のチームはクラウドソーシングのライターが10人ほどで、その他にエディタやデザイン関連のメンバーが取り組んでいます。夜の12時に新しいクエストが出たら、次の日の朝8時には攻略が出ているような世界観は目指したいですね」。(一岡氏)
一岡氏によれば、今後、この方法を使って別のメディア展開をする用意もあるということだった。特にファッションや女性などをターゲットにした、ユーザー自体が多い分野が狙い目なんだという。
確かに私たちのような専門的な分野はいくら工程をわけたところで属人的な要素が多いのでクラウドソーシングは使いづらい。逆に翻訳のような定型作業は実際に使っているので相性がいいだろう。
MUGENUPが取り組むクラウドソーシングの「分業スタイル」はどこまで広がるのか。2014年もクラウドソーシングの盛り上がりから目が離せない。
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