チームリーダーが効果的で上手なタイムマネジメントをするための方法

hiroHiro Maedaは起業経験を持つスペシャリストが新たな起業家を育てあげる事業創造プログラム「Beenos」のマネージングパートナー。世界進出を目的としたスタートアップ育成プログラム「Open Network Lab」の創業メンバー。ツイッターは@DJTokyo。元記事はこちら


組織やチームを率いるリーダーにとって、いかに効果的で上手なタイムマネージメントをするかは重要なポイントとなる。理由はシンプルで、リーダー自身の働きが効果的でなければ、効果的な組織を創り、マネージメントをすることは出来ないからだ。

そこで、様々な企業や組織のリーダーやマネージャーが実践して成功させてきたテクニックの中で、僕自身も実践しているタイムマネージメントテクニックを紹介したいと思う。ただし、このテクニックが全ての人に当てはまることは無い。

リーダーは、たくさんのタイムマネージメントテクニックを試しては改善しを繰り返すことで、自分が最も効果的になれるテクニックを見つけて身につけなくてはいけない。

日々テーマを持って働く

Twitterの共同創業者であるJack Dorseyがあるインタビューで、自分は毎日「1日のテーマ」を決めて、そのテーマにフォーカスして1日を過ごすようにしていると話している。会社にとって重要なトピックだけをテーマに選んで、なるべく1日の多くの時間をそのテーマのために使う。例えば僕は、こんなテーマを設定している。

月曜日:

      文化とマネージメント

火曜日:

      新規事業の促進

水曜日:

      海外投資

木曜日:

      ブランドとPR

金曜日:

      国内投資

土曜日:

      休み

日曜日:

    振り返り、未来の戦略

でも、Jackも言及していることだが、すぐにこのやり方に慣れるのは難しくて、継続していくには忍耐力と練習が必要だ。僕もこのテクニックを試し始めてから1ヶ月程度でやっと慣れ始めて、効果を感じ始めたのは3ヶ月目くらいからだった。ちなみに、テーマは毎週固定しないで、自分の考えや意識が別のテーマに変化していくのに気がついたら、臨機応変にテーマを変えて1日集中するようにしている。

このテクニックの優れた点は、特にたくさんの心配ごとに直面することが多いリーダーが、こうして日々のテーマを持つことによって、無駄なことをシャットアウトして、テーマに沿った重要なポイントだけに集中出来るようになることだ。

そして、他に対応しなくてはいけないことが発生して、自分が集中している事を中断しなくてはならなくなったとしても、テーマさえ決まっていれば作業に戻りやすくなるのもメリットの1つだ。

1日3つの結果を出す

僕は毎日、翌日中に結果を出したいと思うテーマに沿った3つの目標を設定するようにしている。このとき重要なのは、3つの「タスク」ではなくて、3つの「結果」であること。

そして1日の最後に、その3つの結果を出すことができたのか、改善できる点があるのかを振り返って考えることが大切だ。毎日30分程この振り返りの時間を持つようにしている。

Prioritisation Matrix

これはRedpoint VenturesのTomasz Tunguzのブログで紹介されていたPrioritisation matrix (優先順位のマトリックス)だ。

その日に設定したテーマや結果に関係なく、他の人や何らかのイベントによって、その日のタスクが増えてしまうのはよく起こること。そんな時このマトリックスを使って、そのタスクを今行うべきなのか、それとも他の人に任すべきなのか、もしくは今は行わずに無視する選択肢もあるのかを判断しやすくする。

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緊急性(高い)重要性(高い):すぐに対応すべきタスク。例えば、重要な顧客や取引先の対応や、緊急性の高い重要な契約書の対応など。

緊急性(低い)重要性(高い):別途時間を作って対応内容を考えたりする必要のあるタスク。例えば、パートナーシップの開拓や会社の長期戦略の計画を立てるなど。

緊急性(高い)重要性(低い):部下や他のメンバーに任せるタスク。

緊急性(低い)重要性(低い):今は無視するタスク。

ハーバードビジネスレビューでも、このマトリックスのタスクとリズムに関する面白い記事があった。

本来無視すべきはずの緊急性が低く重要性の低いタスクと他の人に任せるべき緊急性が高く重要性の低いタスクは、作業のリズムとペースの両方が早くなることが多い。これらは、テレビを見ている時やゲームで遊ぶ時と同じような居心地の良いリズムでペース早くタスクを進められるため、効率よく進捗させているかのような錯覚に陥る。だから人は、このリズムが早くなりがちのタスクをやりたい衝動に駆られる。

逆に緊急性が低く重要性の高いタスクは進捗のリズムが遅く、すぐに成果を感じることができないため、罪悪感を抱いてしまったりする。でも実は、緊急性が低く重要性の高いタスクこそ、組織やチームを前に進めるために優先させる必要がある。早いペースでリズム良くタスクを消化していることが、効果的に働けていることだと勘違いしないことが大切だ。

僕は、緊急性と重要性の組み合わせの異なるタスクに移るときは、一旦休憩を取って音楽を聞いたりすることで、リズムとペースを自分の中で調整している。

自分に合ったタイムマネージメントテクニックを作り出す

最初に書いたように、今回紹介したテクニックが全ての人に適しているとは思ってない。自分に合ったタイムマネージメントテクニックを探して、改善し、練習を繰り返す事によってより効果的なリーダーになれるだろう。

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