店舗の顧客ローヤルティ・プログラム・プラットフォーム「mespo(メスポ)」を提供するハイパーエイトが、East Ventures等から5,100万円を調達

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東京を拠点とするスタートアップで、飲食店・小売店向けのローヤルティ・プログラム・プラットフォーム「mespo(メスポ)」を提供するハイパーエイトは、MIDベンチャーキャピタルEast Ventures、個人投資家2名から5,100万円を1月24日に調達したと、本日発表した。

mespo は月額980円で提供される店舗向けののプラットフォームで、このしくみを導入している店舗の客は、財布をかさばらせるプラスティックや紙のカードを持たなくても、スマートフォン一台でポイントを貯めることができる。店舗にはプラットフォームに対応したタブレットが配布され、WiFi などのインターネット接続を持たない店舗を考慮し、LTEサービスも含まれている。会計時、顧客は自身のスマートフォンに表示されるQRコードを店舗のタブレットにかざすことで、ポイントが加算されるしくみだ。

これまでに、東京を中心に飲食店、マッサージ屋、美容院など約300店舗に導入されており、今後、この種の店舗に大きなネットワークを持つ上場企業との提携も視野に入れているという。

同様のサービスは、日本国内ではぐるなびが「ぐるなびタッチ」、リクルートが「リクルートポイント」などを提供している。ハイパーエイトの創業者で代表取締役を務める五十君圭治(いそぎみ・けいじ)氏に、先行する競合との差別化戦略について尋ねた。

ぐるなびも、リクルートも、彼らが提供しているのは、加盟店舗で共通のポイントを集められるサービスです。したがって、個々の店舗にとっては、サービスを自店の客に積極的に勧めるモチベーションが生まれません。例えば、ぐるなびタッチは 8,000店舗に導入されていますが、認知度がさほど高くないのは、そのような理由が背景にあると考えています。

mespo は、独立した店舗のポイントシステムの代替機能を持ちます。もちろん、チェーン店では、異なる店舗間でポイントの共通化や相乗りは可能です。お店の混雑状況をリアルタイムで顧客に知らせる機能や、お店の特典をプッシュ通知する機能などにより、店に mespo を使うモチベーションが生まれるわけです。

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LTE 接続に加え、タブレットの無料貸出までついて、このサービスが月額980円で使えるのは破格と言える。MVNO の登場や安価なタブレットの普及がそれを後押ししているのだが、果たして、それでハイパーエイトは利益が出るのだろうか。

現在は、加盟店舗数を増やすことに注力しています。現在、タブレット端末はリース契約ではなく、ハイパーエイトが買い取って店舗に貸し出しており、今回調達した資金の使途は、主にタブレットの購入代金です。

しかし、mespo 単独で売上を伸ばすことは考えていません。八面六臂などの事例に見られるように、飲食店や小売店の担当者のITリテラシーもここ数年向上しており、mespo で築いたネットワークの上で、さまざまな付加価値サービスを載せて、アップセルを狙いたいと思います。

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左から:代表取締役 五十君圭治氏、取締役 森川照太氏

ハイパーエイトはこれまで、街コンの運営で稼いだ収益を使って、ブートストラップ的に mespo を展開してきたが、店舗展開のスピードアップが喫緊の課題と考え、資金調達に加え、East Ventures から森川照太氏を取締役に迎えてチームの強化を図る。

人員の増員に伴い、オフィスも近日中に渋谷・道玄坂の新大宗ビルに移転する。このビルは、Movida Japan のインキュベーション・スペース「The Startup DOJO」が入居していることで知られるが、Eコマース・スタートアップ BASE の移転入居も噂されており、近く、新大宗ビルはスタートアップの梁山泊と化すことが期待される。

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