タイムマシンアプリのYesterscapeがバージョンアップ、ウェブからのアップロードが可能に

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

昨年、私が記事を書いた中で最も好きなスタートアップの一つが、京都のQOOQだ。そのとき書いたとおり、同社はいわゆるタイムマシンアプリ「Yesterscape」を制作しており、過去の写真をスマートフォンカメラを通じて甦らせてくれる。

例えば、今年フランスのエッフェル塔の前で両親と写真を撮影し、5年後に再度同じ場所を訪れれば、この拡張現実感アプリで同じ写真が甦って楽しめるしくみだ。

スマートフォンで過去に撮影した写真を見るにはよい方法だが、スマートフォンを購入する以前に撮影した古い写真については、どうすればよいのだろう。両親や祖父母が撮影した写真は、どのように取り込めばよいのだろう。

今日(原文掲載日:1月22日)、この問題を解決すべく Yesterscape は一歩を踏み出し、PC から写真をアップロードできるウェブ・インターフェースを公開した。このインタフェースはまだ改善の余地があるが、私は曽祖父母の写真をアップロードし、それをグーグルマップやストリートビューで、適切な時間/場所に貼付けることがなんとかできた。ただ後者の貼付ける手順については、スマートフォンでやるときには考える必要の無い、写真の方向、アングル、データをPCで入力するのが、私にとっては難しかった。以下のスクリーンショットが、アップロード・インターフェースのサンプルだ。

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この新しいインターフェースを使えば、ユーザはアプリではできなかった、写真を貼付ける場所と時間をつなぎあわせることができる。創業者の Hide Nu は次のように説明した。

遠方で撮影した写真をアップロードできるようにしてほしい、というユーザの声を聞いていました。おそらく、昔の旅行や以前住んでいた家で撮影した写真でしょう。新しいインターフェースを使えば、撮影した場所に行かなくてもウェブを通して写真をアップロードできます。つまり、重要な写真を簡単に時間や場所に貼付けられるようになるわけです。近い将来、Yesterscape を写真を使った拡張現実感で共通のアーキテクチャーにするため、古いメディアにも対応可能なツールを提供する必要があるわけです。

Hide Nu は、歴史的な写真を多数保有する企業や団体にも話をしており、彼らにはカスタマイズされたインターフェースを無料で提供している。

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興味深いことに、Yesterscape には、既にサービスを終了した拡張現実感アプリ「セカイカメラ」の KMZ ファイルもインポートする機能が追加された。セカイカメラが先月サービスを終了したのは記憶に新しいが、このアプリが5年前にローンチしたときには、消費者の側にこのようなサービスを受け入れる余地がまだ無かったのかもしれない。

世の中は、Yesterscape に対しても、まだ受け入れる余地が無いと言えるだろう。私から見れば、Yesterscape はまだ、ユーザを圧倒しているとは言えない。しかし、スマートフォンがネットワークにつながった自撮カメラマンを多数生み出した現在、世間に受け入れられるまでに Yesterscape は準備を整え、同社はその瞬間を待つことができるだろう。[1]

歴史を保存するのは、誰もが熱狂的になるアイデアだ。日本という、特に歴史に満ちたこの国で、Yesterscape は支持を集めることができるだろう。

Yesterscape について、QOOQ の CTO Oscar Peredo が以下のビデオで簡単に紹介をしている。


  1. ワイヤレス機能を持ったコンパクトカメラや一眼レフを使えば、このアイデアに、より長期的な可能性を見出すことができると思う。  ↩

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