Asia Leaders Summit 2014: 投資家の目から見た、東南アジアのスタートアップ・コミュニティの可能性

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左から:Kuo-yi Lim(Infocomm Investments 前CEO)、Daniel Kang(Softbank Ventures Korea)、北川伸明氏(CyberAgent Ventures China)、Wilson Cuaca(East Ventures)

これはシンガポールで開催されている、Asia Leaders Summit 2014 の取材の一部だ。

午後のセッションは、アジア地域で活躍する投資家を招いてのパネル・ディスカッションから始まった。

モデレータは、Rebright Partners のファウンダー兼パートナーの蛯原健氏が務めた。

シンガポール、韓国、日本、インドネシアという4つの異なる市場からのパネリストに、蛯原氏はそれぞれの市場と東南アジアの違いを尋ねた。北京を拠点に活動する北川氏は、中国の起業家は他の会社に務めてからスタートアップを始めるというケースが多いが、東南アジアでは起業家は概して若い。また、中国では、スタートアップ同士の競争が激しく、ひいては、起業家同士の競争も激しいと話した。

ソウルを中心に活動する Daniel は、ベンチャーキャピタルのビジネスは、基本的にローカライズビジネスが大事。新しい市場に進出したら、その地場の市場から多くを学ばなければならないと語った。

我々は普段、起業家やスタートアップの視点から東南アジアを見ることが多いが、投資家の立場から見て、この市場で難しいことは何だろうか。

インドネシアで活動する East Ventures の Wilson は、何よりもまず人材を確保することが肝要と語った。人材が居れば、市場にフィットしたプロダクトが創り出せる。人材が居れば、資金の問題も解決できる。ベンチャーキャピタルは、そのような人物を見つけ、育てる努力が必要だろうと語った。

CyberAgent Ventures China の北川氏は、いわゆるシリーズAクランチと同じで、シードに投資できるファンドは多くあるが、それ以降のレイタステージに投資できる投資家が東南アジアにはまだ来ていない。VC の立場としては、多くの投資家が魅力を感じるような、成功したモデルを創り出さなければならない、と話した。

アジア市場の違いは多岐にわたり、この地域を一つの価値観でまとめて捉えるのは難しい。一方で、アジアの一つ一つの国は市場が小さく、東南アジアを一つの市場として捉える必要がある。起業家のみならず、投資家の活動においても、さまざまなローカライゼーション努力や市場適応力を求められることが伺い知れた。

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