素敵な人材を獲得するちょっといけてる方法ーーKAIZENに元グーグルの小川淳氏と元グリーの瀧野論吾氏が参加

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スタートアップにとって人材、特に優秀かつ実績のある人材を獲得するのは至難の業だ。しかし、KAIZENが実施した「ある方法」はそのハードルをさらりと越えてしまう。ご紹介したい。

あらゆるウェブプロダクトのUIを「改善」するグロースツール「PlanBCD」を展開するKAIZEN platform Inc.(以下、KAIZEN)は2月3日、同社のカントリーマネージャーとして元グーグルの小川淳氏、プロダクト責任者として元グリーの瀧野論吾氏を迎えたと発表した。

小川氏はリクルートを経てグーグルに入社、同社の営業根幹である広告営業部門や業界営業部門の立ち上げと責任者、広告代理店事業の責任者を歴任した人物。

一方の瀧野氏はグリーおよびGREE International(米国グリー)でゲームプロダクトやプラットフォーム、アドテクノロジーとほぼ全ての分野のプロジェクトマネジメントを任されていた人物。

中でも同氏が手がけたドリランドのヒットは記憶に残っている方も多いはずだ。

KAIZENのCEO、須藤憲司氏によれば、二人以外にも楽天やDeNAといったIT関連トップレベルの企業から優秀な人材を獲得、約40名ほどの体制を実現しているという。須藤氏はこの体制を整えたことで米国展開に集中することになるそうだ。

KAIZENをまだ知らない読者の方はこちらのまとめをご覧いただきたい。リリースによれば、エンタープライズ版の提供者数は30社、オンライン版は提供2カ月で世界11カ国、400社の導入に成功している。

相変わらず破壊力は抜群だ。

「オープン戦略会議」で優秀な人材を巻き込むKAIZEN

トップクラスの人材を獲得するきっかけは、同社が開催する「オープンな戦略会議」にあるという。

「転職するとかしないとかそういうのとは別に、今後、このネット広告の業界でどうやってお客さんと向き合っていくのかを考えていたんです。コンバージョンを改善する手法として、このサービスを広告営業時に提案してました」(小川氏)。

単にネット広告を販売するだけの時代は終演を迎えつつある。その先には「顧客の売上を上げる」「顧客のビジネスを活性化させる」、そういった視点と具体的な施策が必要だったと小川氏は語る。そんな中、小川氏は旧知だった須藤氏の展開するPlanBCDを知り、顧客に提案していくことになる。

須藤氏によれば、こういった業界状況やノウハウも含め、KAIZENでは今後の戦略を語る戦略会議を実施しているのだという。ここには招待されたトップレベルの人材たちがオープンに意見を交わすという。

「本来は会社の戦略合宿なんですが、外部からのゲストが多いんです。ただ、情報は全部包み隠さず出しちゃってます。お客さんのお話だったり、トラブルの情報もあります」(須藤氏)。

今回参加した2人もこの戦略会議で議論を交わしたことがきっかけとなって移籍へと動く。

問題を抱えていないスタートアップなんてない。

小川氏が「いいところだけみても、参加した後のギャップに悩むだけ」と語っていたが、まさにそれが真実だと思う。スタートアップに勝手な幻想を持たず、参加する前に課題を共有し「自分がやるべきこと」を明確化しておかないと結局離れることになる。

なかなか全てのスタートアップにこの方法がとれるとは思えないが、エグゼクティブクラスの人材を確保する方法としては理にかなっているのではないだろうか。

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