教科書英語に別れを告げられる学習アプリ「OKpanda」のリリース予告記事は大きな反響を呼んだ。その後、12月18日にiOSアプリ「OKpanda英会話」が正式リリースされ、サービスはかなり好調だという。ニューヨークから再び来日したCEOのAdam Griesに会って話を聞いた。THE BRIDGEの読者限定に特典も用意してくれたので、記事後半をお楽しみに。
50日で26万ダウンロード超、毎日使うユーザーは15%
アプリのリリース後、わずか50日でダウンロード数は26万件をゆうに超え、ユーザーは累計900万以上の質問に回答している。アカウント登録をしたユーザーのうち、なんと15%が毎日アプリを使っているという。iTunesでは400件以上の評価が集まり、平均評価は星4つ。レビューも280件以上投稿されている。(2014年2月14日時点)
ユーザー数の増加とともに、サービスの使い手に関して多くのことを学んでいると話すAdam。いくつか面白いデータを教えてくれた。例えば、アカウント登録時、ユーザーはオープニングの質問に回答する。「人に会う」、「気持ち」、「仕事」の3つのシーンから選択できるが、70%のユーザーが「人に会う」を選択し、仕事を選ぶ人はわずか10%。カジュアルなシーンで使える初歩的な英語を学びたいというニーズの表れかもしれない。残念なことに、この最初の質問に正しく回答できないユーザーが全体の98%を占める。
通勤時間に読まれるニュースアプリ、軽いトイレ休憩に遊ばれる暇つぶしアプリなどがあるが、英語学習のOKpandaが一番使われるのは夜の11時頃。就寝前のベッドや、家のソファなどで使われているようだ。画面の表示内容を確認するだけでなく、レッスニングを要するアプリであることから、静かな環境で集中して取り組む人が多いのだろう。
いつのまにか先生と友人関係になるライブチャット
語学学習に求められるのは、デジタル(オンラインやモバイル)、ライブ、コーチングだと話すAdam。リリース後、早々にライブチャットの機能を追加した。既にチャット機能を有料で活用している生徒もいるという。ライブチャットというのは、LINEを使って英語の先生とカジュアルにコミュニケーションが出来る機能だ。
「ライブチャットについては毎日いろんなことを学んでるよ。ライブチャットを使ううちに、生徒と先生はお互いをケアする近い関係になっていくんだ。まるで友人のように。
一日に何度もメッセージのやり取りをする相手はそもそも限られているけれど、OKpandaの先生がその一人になる。ライブチャットにはLINEを使っているから、友人と話す同じ場所で英語が学べる。」
現時点では、ランダムに行われる生徒と先生のマッチングだが、将来的にはインタレストに基づいたマッチングなども検討している。日本の英語学習はすごく孤立してる点が特徴的だという。授業の外で、実際に英語を母国語とする人と話をしたり、友達になることはなかなか難しい。
OKpandaなら、決まった先生と英語でやり取りを続けていくため、この人ともっと意思疎通がしたいという学びのモチベーションにも繋がる。
OKpandaの企業カルチャー:先生だってフルタイム雇用
OKpandaの先生に立候補する人は後を尽きず、中には自宅にいながら英語を教えるお母さんも多い。クオリティーが高い教師陣の確保を可能にしているのは、同社のワークフォース、先生を含む仲間への考え方が大きそうだ。
「語学学習サービスの教師は成果報酬型で、レッスンが予約されて初めて収入が確保されるケースが多い。生計を立てることが不安な状況では、会社といい関係が築けるはずもない。もちろん会社にとってはシンプルなビジネスモデルでやりやすいけど。
会社は、従業員に対して、彼らのキャリアを作る機会を与えてあげるべきだと思う。そうしないと、トレーニングを受けて上達した先生は、別の会社からより良いオファーを受けてそっちにいってしまう。最後は、どういうカルチャーを育てたいかだよ。」
スピーキングで質問に回答する学習機能も近々
Adamは、OKpandaの今後のアップデートについても共有してくれた。近々では、新しいコンテンツが日々追加されるようになる。また、ライブのソリューションをより広いユーザーに提供していく。
Q2にはライブボイスもリリースする予定だ。ライブボイスにはさまざまなモデルがあるが、クオリティーの限界、レッスンの度に異なる先生、事前予約制などの課題がある。例えば食べ放題ならぬ学び放題の、365日利用可能なようなものにするのかなど内容を検討中だ。
また、もう少し先になるが、ライブオーディオの機能も開発中。デモを見せてもらったが、かなりよくできている印象を受けた。テーマに沿った会話のキャッチボールを聞いた後、質問に答えるために、iPhoneに話しかけることで回答する。発音が正しくできるまで繰り返すことが求められるため、スピーキング力の強化につながる。
将来的には、ユーザーごとに発音のフィードバックをしたり、ライブチャットの履歴を確認することで、自分が頻繁にやっているミスを把握したり復習できたりするような仕組みも考えている。例えば、日本人がよくやってしまうのが、単数形と複数形を混乱させてしまうこと。始めて2ヶ月後にはミスの数が半分に減ったなど、英語力の進歩を確かめることができるという。
THE BRIDGEの読者限定の特典
さて、お待ちかねのTHE BRIDGE読者限定の特典を案内しよう。OKpandaのライブチャットには3プランある。週末限定の1,980円のプラン、平日プランも同じく1,980円、平日+週末のプランが2,980円だ。
通常は一週間のお試しがついてくるが、THE BRIDGEの読者限定でお試し期間を2週間に延長してくれるという。2014年2月中の期間限定だ。OKpandaウェブサイトから申し込める。
OKpandaのアカウント登録時に登場するこんなフレーズがある。
“It looks like you have a good trip in store for you.”
これは、オープニングの質問の中で最も正解率の低い質問だそうだ。皆さんの語学学習の旅が充実した素晴らしいものになるよう、健闘を祈る。
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