パキスタンのスタートアップインキュベータが送り出した社会課題の解決を目指す6つのスタートアップ

by Steven Millward Steven Millward on 2014.2.24

パキスタンのスタートアップインキュベータ、Invest2Innovate(別名i2i Accelerator)は今月上旬第2期生を世に送り出した。2013年初頭の第1期生と同様、今期も地域の抱える問題に正面から取り組む姿勢の市民思考スタートアップグループである。

6つのスタートアップのうちほとんどは未だ完全な体制が整っておらず、半数は正式なローンチの前段階としてFacebookのブランドページで現状を間に合わせている。

i2iの創始者でCEOのKalsoom Lakhani氏によると、投資家は今月上旬カラチで行われたデモ・デイで彼らをチェックし、この若い6つのチームが今後数ヶ月でどのような発展を遂げていくか見守っていくという。

6つのスタートアップの概要は以下の通りだ。

1. OddJobber

IdeaCentricityというスタートアップにより設立されたOddJobberは、低所得労働者のスキルセットに踏み込んだサービスのプラットフォームだと自ら定義づけている。

OddJobberは、よくあるクラウドソーシングによって世界中のフリーランサーからウェブデザインを募集するマーケットプレイスといったような、実践力のある労働者のためのマーケットプレイス(一種の仕事紹介ウェブサイト)を設立することを目指しているが、IdeaCentricityの方向性はもう少し地域に根ざしたものである。

OddJobberは人力タクシーのドライバーからホーカーズのような屋台、ハウスキーパーまで網羅している。現在ラホールにおいてオンラインや8001宛にSMSで「人力タクシー 迎車」と目的地を送付して人力タクシーの予約を行うという試行もしている。

2. 3Restart

3Restartは幼児教育のゲーム化に取り組んでいる。同スタートアップのメンバーは学習プロセスにおける記憶維持をテーマに開発を進めており、数ヶ月以内に最初の製品の完成を目指している。保護者に向けた学習状況レポート機能も備えているという。

3. The Reading Room Project

6-civic-minded-startups-from-Pakistan’s-i2i-Accelerator-are-looking-to-solve-real-problems-Reading-Room-Project

2500万人のパキスタンの子どもたちが教育を受ける権利を奪われていること、そして5~16歳の子どもたちの65%が簡単な物語すら読めない状況を受けて、Reading Room Project(RRP)はパキスタンの低所得層家庭の子ども向けに学習教材を提供し、支援環境を整える援助もしていく予定だ。

また、これは本に限った事ではない。テストプロジェクトでは、RRPは既にカラチの学校と提携して子ども用のコンピューター学習プログラムを考案している。子どもたちの多くはコンピューターに全く触わったことの無い子どもたちだ。

4. Raise D’Bar

6-civic-minded-startups-from-Pakistan’s-i2i-Accelerator-are-looking-to-solve-real-problems-Raise-DBar

第2期の中でも食欲をそそるプロジェクトである。Raise D’Barはパキスタンのギルギット・バルチスタン地方の農場よりフェアトレードで調達した原材料を使用したオーガニックのエナジーバーを作っている。

マルベリー+黒スグリ+ウォールナッツフレーバーとストロベリー+アプリコット+アーモンドフレーバーの2種類が展開されており、現段階では製品とブランドに対するフィードバックを集めているところである。

ローンチの準備が整い次第、Raise D’Barはヘルシー・高級嗜好の都市生活者に向けたハイエンドプロダクトとしての製品展開を目指している。

チームはフェアトレード先の農家についてもマーケットに関する教育機会を設け、Raise D’Barと共に成長していけるよう計画している。また農家の代理としてNGOや小規模金融機関と提携する予定である。

5. Asli Goli

偽装薬品による問題を解決することを目指したスタートアップである。パキスタン国内で実に50%もの医薬品は未認可か基準不足の品質であり、Asli GoliはSMSを通して本格的に医薬品のチェックができる体制を提供している。

特定のシリアルナンバーが付いたスクラッチラベルが提携薬局に提供される。店舗にラベル代金の請求をするため消費者の負担はなく、カラチ、ラホール、ファイサラバードの大手ドラッグストアでのテストプロジェクトが予定されている。

目標は2年以内に偽の医薬品割合を35~30%に引き下げることだ。

6. Amal Academy

こちらも教育に関するスタートアップだ。Amal Academyは障がい者が質の高い職に就労したり、最終的に自ら起業できるよう支援する非営利の職業技術専門学校である。

ラホールとカラチ(インド国内においてはムンバイとニューデリー)でテストプロジェクトを行った後、Stanford GSBのSocial Innovation Fellowshipより12万5000米ドルの資金提供を受けた。

【原文】

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------